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では添削しますね。

＞東大1997
＞1B
＞(2)熱帯雨林を焼いた灰を肥料にするため地域の特性を活かした農業である。しかし、焼畑農業は繰り返すことにより熱帯雨林の減少、土壌の質の低下が起こり生産性が下がる。

いいですね。非常に適切です。とくに素晴らしい点は、問題に対する「回答」となっているところです。「利点」と「欠点」について答えることが意識されていますね。

使用語句についても、それぞれ熱帯「雨林」、「土壌」の質の低下、「生産性」が下がるのようにうまく使えていると思いますよ。

熱帯雨林のやせた土壌において草木灰を肥料として行う農業。原始的であり特別な技術を必要としない。粗放的で生産性が低く、森林の再生能力を超えて行われると熱帯林の減少の原因となる。（87字）

上が解答例です。熱帯は多雨であるため有機物が流出し、さらに高温で微生物の活動が活発となり有機物の分解のスピードが速すぎるため、やせた土壌となります（ラトソル）。これを補うため、草木灰を利用した焼畑農業が行われていますね。灰は窒素系の肥料となり、また土壌を中和する（ラトソルは酸性。灰はアルカリ性）効果もあります。
資本投下や高度な技術を使わないことは利点の一つになるでしょう。
その反面、欠点もあります。とくにここでは「生産性」という言葉に注目すれば、土地生産性、労働生産性がともに低いことが挙げられます。とくに土地生産性の低さに注目するならば、これは「粗放的」という言葉で表されます。これ、地理の重要ワードの一つですよね。ホイットルセー農牧業区分を考える場合、「粗放的・集約的」、「企業的・家族中心の零細経営的」、「商業的・自給的」といった反対語の組み合わせは便利なので、ぜひ意識して使ってみてください。
また、「森林の再生能力」という言葉も決まり文句です。この言葉も覚えて使いこなしましょう。森林の再生能力を超えた火入れは熱帯林の減少の原因です（逆に言えば、バランスを考えて行えば、森林の再生が行われるので、焼畑農業は環境に優しい農業形態ともなるのです）。

あえて上の解答例では「火入れ」というやや難しい言葉は外し、さらに接続語の「しかし」も省いています。難しい言葉をあえて使う必要はなく、うまい文章を書くことは求められないのですから接続語も重要視されない。こうした技術も同時に磨いていきましょう。

＞c 南西は地中海性気候のため、乾燥に強いぶどうの栽培が盛んである。南東部では古期造山帯に覆われており、鉱山にあるレアメタルなどを利用した産業も行われている。

いいですね。南アフリカ共和国の説明であることが十分にわかります。満点解答とは行かないかもしれませんが、南西部の地中海性気候（そして地中海式農業によるブドウの栽培）が述べられているので、合格点はもらえると思います。

こちらも使用語句の取り入れ方が見事です。地中海性「気候」、「ぶどう」栽培など。

自然環境については、南アフリカ共和国の内陸部は「ハイベルト」と呼ばれる乾燥した高原で、旧大陸（ユーラシア、アフリカ）唯一の企業的牧畜地域として重要です。羊の放牧とトウモロコシの栽培がみられます。

また南東部に古期造山帯のドラケンスバーグ山脈が走行するのは確かですが、ここはむしろ石炭の産地です（南アフリカ共和国はアフリカ最大の石炭産出国）。ただ、この国を象徴する鉱産資源といえば、やはり金やダイヤモンド、レアメタル（マンガン、クロム、白金など）であり、それらの産出地域は内陸部にあります。金鉱に接して成立した鉱業都市であるヨハネスバーグを確認しておいてもいいでしょう。

以上のことを踏まえて、私も解答をつくってみますね。

南西部では地中海性気候がみられブドウが栽培される。内陸部は乾燥気候がみられ羊の放牧が行われる企業的牧畜地域であり、金やレアメタルも産出される。南東部の古期造山帯では石炭の産出も。（89字）

こんな感じでしょうか。さすがに字数的に固有名詞（ケープタウン、ヨハネスバーグなど）は使えませんが、キーワードをひたすら詰め込んでみました。東大は字数制限がキツイので、こうした工夫は必要ですね。

全体としてよく書けています。とくにキーワードの使い方がうまかったと思いますよ。ホイットルセー農牧業区分など、覚えておくと「お得」なアイテムもありますので、これらを使うことも意識してみてくださいね(^^)

東大1997
1B
(2)熱帯雨林を焼いた灰を肥料にするため地域の特性を活かした農業である。しかし、焼畑農業は繰り返すことにより熱帯雨林の減少、土壌の質の低下が起こり生産性が下がる。
c 南西は地中海性気候のため、乾燥に強いぶどうの栽培が盛んである。南東部では古期造山帯に覆われており、鉱山にあるレアメタルなどを利用した産業も行われている。