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では添削しますね。

＞◎東大　２０１０　第１問

＞⑴カリバダムは、少ない降水量を貯水するためのものであり、クラスノヤルスクダムは、夏に起こる融雪洪水を防ぐためのものである。

とてもいいですね。本問の難しいのは「気候」に関連づけることだと思います。本来なら、カリバダムもクラスノヤルスクダムも発電用のダムであり、前者は銅の、後者はアルミニウムのそれぞれ精錬に電力が使われているので、それを記述するべきなのですが、本問ではそうはなっていないようです。

カリバダムが位置するザンビアの主な気候区はC w。温暖ですが、雨季と乾季が明瞭であることが重要です。クラスノヤルスクダムの周囲は冷帯気候であり、冬季に凍結します。これについて記述すればいいでしょう。

雨季と乾季の明瞭な地域のカリバダムは、渇水期の用水確保。寒冷地域のクラスノヤルスクダムは、初夏の融氷期の増水への備え。（59字）

このような解答例をつくってみました。「夏」より「春」もしくは「初夏」の方がベターに思います。参考にしてください。


＞⑵四国地方は起伏の激しい山地で降水量が多いが、中国地方は四国地方と比べてなだらかな地形で降水量も少ないため。

これもいいですね。全く問題ないと思います。あえていえば、「四国」ではなく、「中部・四国」の方が問題を正確に反映していますね。


＞⑶ダムに堆積した土砂により貯水可能な量が減り、大雨の際の洪水のリスクが高まるとともに発電等のための水資源が不足する。加えて海へ流れるはずの土砂が堆積することで海岸浸食がおこる。
とても素晴らしいと思います。こちらで満点ですよ。

以下が私の解答例です。「灌漑」も加えています。

ダムに土砂が堆積することで貯水量が減少する。治水効果が下がり洪水が頻発する。水資源の減少で灌漑や発電の能力が下がる。下流側へ流出する土砂が減少することから、海岸侵食が生じる。

一つ一つの文章を短く切り、接続詞やそれに準ずる言葉（「加えて」など）をカットしています。地理の論述は「国語」ではないので、要点だけ書き出せば十分であることも認識しておいてくださいね。


＞⑷C。森林は土壌の保水力が高く、降った雨の大部分が土壌に蓄えられる。また蓄えられた水は長い時間をかけて河川へと流れていくため、その洪水防止、貯水の役割から緑のダムと呼ばれる。

こちらもいいですね。私の解答例もほぼ同じです。本問は内容に比べ制限字数が多いので、自由に書くことが許されていると思います。

森林地域の土壌はよく雨水を浸透させ地下水が涵養される。雨水は少しずつ流れ出し、河川の流量変化は穏やかなものとなる。洪水を防ぐ治水効果があることから緑のダムと呼ばれる。


＞⑸積雪や氷河として蓄積された水は、だんだんと暖かくなるにつれて融けて少しずつ流出するため、夏など水の需要の多い季節や渇水の時期に重要な水資源として融雪水が利用できる。

これも完璧です。あえて言えば「少しずつ」流出するとも限らないのですが（寒冷地域において一気に河川の流量が増えることはありますよね）、とくに問題にならないと思います。

冬の間に積雪や氷河として標高の高い山岳部に蓄えられた水は、春先に融け出し、周辺地域へと流出する。田植えの時期など水需要の多い季節や夏の渇水期などに農業・生活用水として利用される。

上が私の解答例です。「夏の渇水期」がちょっと気になりますが。。。これはアルプス山脈に沿う南ヨーロッパを想定した内容ではあるのです。田植えもアジア限定であり、決して一般論ではないのですが。

全体として非常によく書けています。この調子でどんどん問題にチャレンジしていきましょう。

◎東大　２０１０　第１問
⑴カリバダムは、少ない降水量を貯水するためのものであり、クラスノヤルスクダムは、夏に起こる融雪洪水を防ぐためのものである。
⑵四国地方は起伏の激しい山地で降水量が多いが、中国地方は四国地方と比べてなだらかな地形で降水量も少ないため。
⑶ダムに堆積した土砂により貯水可能な量が減り、大雨の際の洪水のリスクが高まるとともに発電等のための水資源が不足する。加えて海へ流れるはずの土砂が堆積することで海岸浸食がおこる。
⑷C。森林は土壌の保水力が高く、降った雨の大部分が土壌に蓄えられる。また蓄えられた水は長い時間をかけて河川へと流れていくため、その洪水防止、貯水の役割から緑のダムと呼ばれる。
⑸積雪や氷河として蓄積された水は、だんだんと暖かくなるにつれて融けて少しずつ流出するため、夏など水の需要の多い季節や渇水の時期に重要な水資源として融雪水が利用できる。