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2020.05.01
投稿フォーム69
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コメント
では添削いたします。
>東京大学(2008,第3問)
>A
>(1)aアメリカ合衆国、bタイ、cイギリス
人口移動については「1人当たりGNIの高い国へと移動」が大原則ですね。aがアメリカ合衆国であるのは間違い無いとして、bはイギリスなのです。
確かにタイについては日本企業の海外現地法人(日系企業)数については「中国>アメリカ合衆国>タイ」の順であるように、経済的なつながりは強いのですが、人口移動については別の要因も作用します。留学を考えれば、1人当たりGNIの高い先進国における日本人の長期滞在者が多いのも納得ですよね(特にイギリスなど英語圏は語学留学生が多いはずです)。
残ったcがタイになります。
> (2)治安が比較的良い場所で、空港やホテル、ショッピングモールや学校などがあるので生活がしやすいから。
いいですね、悪くありません。ただ、都市を(シドニーやメルボルンでなく)ゴールドコースとやブリズベンに限定している点が重要なのですよ。地図で確認してもらえればわかると思いますが、いずれの都市もオーストラリア北西部のクインズランド州に位置し、「温暖」な気候が見られることが最大の特徴になっています。このキーワードがあれば完璧でしたね。
ちなみに同じ州のケアンズは空路による日本への直行便があり、かなりアクセスがよくなっています。ただ、両都市からは距離がありますが。海外移住の場合は、実は日本とのアクセスも非常に重要な要因になったりするわけです。
ちょっと書き換えてみましょう。
温暖な気候でリゾート地に近く、日本へのアクセスも比較的いい。治安が良く、生活環境に恵まれている。(48字)
字数が短くなってしまいましたが、この程度にまとめればいいと思います。発展的な内容ですが、実はこの地域、日本からはリタイアした高齢者の移住も多いのですよ。そのことを含めて書いても良かったかもしれません。
それをふまえるとこのような文章になります。
温暖な気候でリゾート地に近く、日本へのアクセスも比較的いい。定年後の高齢者を中心に移住者が多い。(48字)
後半部分を書き換えてみました。
>B
>日本の労働力不足を背景として、賃金を抑えつつも国際労働力を高めるために、未熟練労働力としてブラジル日系移民の子孫の受け入れを認めたから。
大変素晴らしいと思います。意図していることはとてもよく伝わってきますし、正確に理解していることもよくわかります。
ただ、ちょっと慎重さが足りない印象です。「国際労働力」ではなく、「国際競争力」ですよね。ケアレスミスだと思います。
また「賃金を抑えつつも国際競争力を高める」とありますが、「賃金を抑えることで国際競争力を高める」としないと意味が通じません。製品価格を下げることで、安価な外国製の商品と競争するわけですよね。「賃金を抑える」ことと「国際競争力を高める」ことは「順説」です。「〜つつも」といった「逆説」表現ではふさわしくないと思いますよ。
また「日系移民」という言葉も不明瞭です(問題集の解説ではこの言葉が使われていますが、私は疑問です)。
こういった国際的な人口移動に関する話題の場合、「日本人」は日本の国籍を有する人のことで、「日系人」は外国人です。親が日本人でありながら、ブラジルの地で生まれたら、彼らは日系ブラジル人となります。
つまり「日系移民」と言ってしまうと、これは外国人のことを指す言葉になってしまいます。これ、おかしいですよね。日本人がブラジルに移民し、そこで日本人として暮らしています。統計をみてわかるようにブラジルには日本人の永住者が多くなっています。彼らは移民先でも国籍は日本なのです。「日本からの移民」などように表現するべきでしょう。
というわけで私もちょっと書いてみました。以下のような感じです。
労働力不足の解消、安価な労働力の利用で国際競争力を高めるため、日系人に限り未熟練労働力の受入が法的に可能になった。日本からの移民が多く日系人の人口が大きいブラジルからの流入が急増。(90字)
法律の名称(出入国管理法)という言葉を使ってみたかったのですが、うまくいきませんでした。やや不満足ではあります。とはいえ、おおよそポイントは掴んでいると思いますので、参考にしてくださいね。
>C
>(1)日本の銀行が海外支店を置くために進出していたものの、バブル経済崩壊後の金融危機によって支店の縮小や撤退が相次いだから。
とてもいいですね。確実にポイントが抑えられています。個人的には「金融危機」という言葉の使い方に頭を悩ませてしまいます。アジア金融危機は1997年であり、この時期に該当しますが、日本や欧米への影響は最小限でしたし、サププライムローンの破綻やリーマンショックは2007〜2008年ですからこの時期からはズレています。問題があまり適切でないような気もしますね。
バブル期に銀行など金融業が多く進出していたが、バブル崩壊や金融危機によって一部が撤退した。(45字)
この程度のことが書ければ十分だったでしょう。
>(2)都市開発がすすんだ上海ひ人口や工場が多いため、日本企業が多く進出したから。
これもとてもいいですね。的確です。おそらく本問では「後背地」を使うことが求められていたと思いますよ。後背地とはつまり「背後の土地」のことですが、その都市を支える経済的な基盤がその背後に広がっていることを述べるとさらに良かったとおもいます。
上海は中国最大の都市であるだけでなく、港湾都市として華中地域の経済を支えます。上海の背後には多くの都市が近接し、巨大な経済圏を形成しています。これらの支えがあってこそ、さらに上海は発展するわけです。
都市開発が進み人口も多い上海は広い後背地を有し経済力も大きい。日本から企業進出が急増し、工場も多く設けられた。(55字)
こんな感じでしょうか。「中枢管理機能」はちょっと使いにくい言葉だと思います。むしろ中枢管理機能は首都のペキンの方が発達しているかもしれません。
なお、「日本企業の進出」という表現ならば「日本企業」で正しいと思います。正確には「日本企業の海外現地法人の設立」となりますが、「日本企業の進出」あるいは「日系企業の設立」という表現で問題ないでしょう。「日本企業の海外現地法人」=「日系企業」です、おそらく「日系企業の進出」と書いても減点にされることはないと思いますが、普段からこういった細かい表現にも注意しておくといいですよ。
>過去問とは直接関係ないのですが、同じフォームに投稿し続けて良いものですか?それとも月が変わる毎にフォームも変わりますか?
お気遣いありがとうございます。こちらはすでに回答しているように、投稿のたびに新しい投稿フォームをご利用いただけばと思います。古いフォームの場合、今回のように見落としが生じる場合もあります。投稿フォームは随時増やしていきますので、遠慮なく使ってくださいね。
- 2020.07.08 12:42
- たつじん
東京大学(2008,第3問)
A
(1)aアメリカ合衆国、bタイ、cイギリス
(2)治安が比較的良い場所で、空港やホテル、ショッピングモールや学校などがあるので生活がしやすいから。
B
日本の労働力不足を背景として、賃金を抑えつつも国際労働力を高めるために、未熟練労働力としてブラジル日系移民の子孫の受け入れを認めたから。
C
(1)日本の銀行が海外支店を置くために進出していたものの、バブル経済崩壊後の金融危機によって支店の縮小や撤退が相次いだから。
(2)都市開発がすすんだ上海ひ人口や工場が多いため、日本企業が多く進出したから。
過去問とは直接関係ないのですが、同じフォームに投稿し続けて良いものですか?それとも月が変わる毎にフォームも変わりますか?
- 2020.06.30 20:44
- 春に笑ふ
こんにちは。では添削いたします。
>第一問
>A)a-? b-? c-?
わからないところは飛ばしてしまって構いませんよ。投稿の際は省略していただいて大丈夫です。わからない問題は気にせず、わかる範囲で解いてみましょう。
>B)①と③は偏西風の影響を受ける西岸海洋性気候で、②④⑤は夏に乾季のある地中海性気候である。
いいですね。書かれている内容は正しいです。これからの学習の中で、内容をふくらませるようにしていったらいいわけですから、現時点で合格点です。
センター試験(共通テスト)とは異なり、国公立二次ではケッペンの気候区分も問われます。教科書など参考にして、それぞれの気候区分について簡単にまとめる(20〜30字程度で説明する)練習をしておいてもいいかもしれませんね。
>C)貿易や物の移動で使われる。
こちらも現時点ではこれで十分ですよ。とりあえず「書いてみる」ことが大切ですからね。論述力は、実際に文章を書かないと上がりません。
>D)②では林業が盛んであり、④では小麦の生産が多い。⑤では、柑橘類が多く栽培されている。
これもいいですね。一つ一つの文を短く切ることが実はこうした論述問題のコツなのです。だんだんと「書き方」がわかってきたのではないですか。キーワードもうまく使えていますし、読みやすい文章に仕上がっています。
>(感想)
設問Aの数値が全くわかりませんでした。また、そのほかの設問も絶対的な知識不足もあり、論述するレベルに達していないと思いました。すみません。
いえ、全然構いませんよ。わからない問題があるのは当然です。そもそも設問Aの数値については中学レベルの知識ですので、中学地理の勉強を少しずつ進めていったら大丈夫です。
また「論述レベルに達していない」と仰っていますが、考え方を変えてくださいね。論述レベルに達していないからこそ、早めに論述の練習をして、そのスキルを磨いていくのです。
例えば、2次試験まで9ヶ月あるわけですよね。今から6ヶ月かけて知識をため込んだとします。でも、そうなると論述を鍛える時間がわずか3ヶ月しかなくなってしまうのですよ。これでは受験に間に合いません。多少知識が不十分であっても、今のうちから「論述」力を鍛えていくのです。
論述問題は「7割の文章力と3割の知識」ですよ。まずは先に文章力を上げてしまいましょう。「人より劣っている」という自覚があるからこそ、逆に「今から論述を鍛える」ことを念頭に置いてください。その方法しか、合格への可能性はありませんよ。
知識を身につけるのは当たり前のことです。早めに論述のスキルを上げ、先行しているライバルたちを逆転しましょう!がんばれよっ!
追記;1991年とはずいぶん古い時代のものですね。今回はたまたまその年度の問題を所有していたため、添削ができましたが、次回からは「東大の地理27カ年」(最も古い問題は1993年です)、「東大入試詳解25年地理」(同じく1995年)に掲載されている問題でお願いできますでしょうか。ご考慮くださいませ。
- 2020.05.24 15:49
- たつじん
東京大学1991年度
第一問
A)a-? b-? c-?
B)①と③は偏西風の影響を受ける西岸海洋性気候で、②④⑤は夏に乾季のある地中海性気候である。
C)貿易や物の移動で使われる。
D)②では林業が盛んであり、④では小麦の生産が多い。⑤では、柑橘類が多く栽培されている。
(感想)
設問Aの数値が全くわかりませんでした。また、そのほかの設問も絶対的な知識不足もあり、論述するレベルに達していないと思いました。すみません。
- 2020.05.23 21:24
- 春に笑ふ
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