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2020.05.22

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コメント

84かい5月25日1995-2

>東大 1995 第2問

>設問A アー豚肉 イー牛肉 ウー羊肉

>説問B インドーとり肉 サウジアラビアー馬肉 オーストラリアーとり肉

(この2つの設問はとり肉と羊に対する知識が誤っていて半分以上落としてしまいました。)

なるほど、確かに「変化球」的な問題でしたね。アは中国で多いので「豚」は簡単として、残る2つは難問かも知れません。サウジなどイスラームの乾燥国で値が大きく、ウが「羊」。イは菜食のインドでよく食べられているのが不思議なのですが、これが「鶏」なんですよね。タンドリーチキンなどの料理は聞いたことがあるのでは?

設問Bも同様ですね。水牛はインドに集中的に分布する家畜です。サウジは乾燥国であるため、乾燥した気候に適応する家畜を選びましょう。オーストラリアは牛肉の世界的な輸出国であることと関連させて考えてください。


>設問C 菜食主義者が多く牛を神聖視するヒンドゥー教信者が多いため、国内での肉類需要が低く生産量も少ない。また、白の革命により牛乳・乳製品が多く生産・消費されるため動物性蛋白質供給量が多い。(90/90字)

いいですね。これは完璧だと思いますよ。「菜食主義」は必須ワードと思いますし、「ヒンドゥー教=牛を神聖視」も述べておかないといけません。本来なら「牛を食べない」ことは、「肉類の消費(供給)が少ない」ことと直接的には結びつかない(他の肉を食べればいいわけですからね)ので、これだけを理由とすると弱いのですが、ここではしっかり「菜食主義」も述べられています。文字数が多ければ「殺生を嫌う文化」という言葉も入れていいいかもしれませんね。

余談ですが、インドの長い歴史の中ではヒンドゥー教はむしろ新参者です。それよりはるか昔から、牛を神聖視する考え方やカースト制度による身分差別(職業区分)はありました。ですので、「ヒンドゥー教によって牛が神聖視される」や「ヒンドゥー教によってカースト制度が定められた」などは本来不正確です。とはいえ、インドの社会文化を語るうえで次ヒンドゥー教に触れないわけには行きませんので、「インドでは伝統的な考え方やヒンドゥー教によって、牛が神聖視されカースト制度による身分差別がみられる」のように、ごまかして記述することも必要です。ヒンドゥー教より大きく彼らの考え方に影響を与えているのは、伝統的な生活文化なのです。

「白の革命」も適切です(教科書では「白い革命」と記述されることが多いようですが)。農村の乳牛飼育を組織化し、保存や輸送などの技術の向上によって、流通経路が整備されたことで生産が拡大しました。インドの主な動物性タンパク源が家畜(牛や水牛)の乳であることは重要ですね。

>設問D 肉の生産量は少ないが多く輸入してそれを食べているため。また、島国であり動物性蛋白質を含む魚を多く食べる文化であるため。(59/60字)

こちらも正しいです。二つの理由がしっかり書かれていますね。問題内容について「コール・アンド・レスポンス」ができています。できれば「魚」ではなく「魚介類」とするべきだったとは思います。

>設問E 五大湖の南のコーンベルトでは大豆ととうもろこしの輪作が行われており、それを餌として豚を飼育する混合農業や、フィードロットで集約的に質の良い飼育をするなどが行われている。(85/90字)

いいですね。全く問題ないでしょう。ホイットルセー農牧業区分については教科書などを参考に、30字あるいは60字で書く練習をしておいてください。こうした「アイテム」をたくさん蓄えておいて、適宜使っていけば、論述力がアップしますよ。ケッペンの気候区分、ホイットルセー農牧業区分、これらはマストアイテムです。

少し細かいことを言っておきますね。
・「五大湖の南」、この書き方はベストだと思います。覚えておきましょう。
・「餌」ではなく「飼料」の方が適切とは思います。
・北ドイツ平原やポーランドは「豚」だけで構わないのですが、米国コーンベルトの場合は「豚と肉牛」とした方がいいでしょう。
・混合農業には厳密には「商業的混合農業」と「自給的混合農業」があります。前者が一般的な混合農業で、ドイツ〜ポーランド〜ベラルーシ、米国コーンベルト、ニュージーランド・カンタベリー平原などでみられます。「穀物・飼料作物」<「家畜」のバランスです。逆に穀物や飼料作物の生産が中心になるのが自給的混合農業で、これはロシアです。ただし、後者はほとんど話題になりません。センター(共通テスト)レベルでは無視して構いません。ただ、国公立二次ではこの二つの混合農業について理解しておいてもいいかなと思います。「商業的混合農業」と記述した方がベターだったとは思います。

>(C,Dはまぁまぁの出来かなと自分では思っているのですがEのフィードロットに関しては青本の解答に書いていなく、聞かれていることと無関係であり、減点対象になってしまうのかな?という不安があります。今回も添削よろしくお願いします!)

いえいえ、減点対象にはなりませんよ。大丈夫です。というか、90字という比較的長い制限字数が与えられているので、「聞かれていること以外も」書かないといけません。「フィードロット」を題材として選んだのは素晴らしいと思いますよ。なかなか普通の受験生には考え及ばないところです。

ただ、せっかくですので、フィードロットの説明もより正確なものにしてみましょう。

フィードロットは「集中肥育場」ですね。広大な牧場の隅につくられている小さな牧場で、家畜がそこに押し込まれ、濃厚飼料を集中的に与えられます。子牛から成牛までが牧草地、そして成牛がフィードロットに連れてこられて体重を増やしてから肉として出荷されます。アメリカの肉が質が低いと言われるのは、このフィードロットにより飼育法もあるわけです。

さらに無理やりエサを与える方法が「非人道的」であるとして、ヨーロッパではアメリカから牛肉を輸入していません。

かつてはフィードロットはコーンベルト特有の施設でしたが、現在は全米各地そしてオーストラリアなど世界各国でみられるようになりました。

このことをふまえて考えるに、「質の良い飼育」が果たして適切かどうか?ということですよね。「フィードロットにおいて肥育が行われる」程度で良かったとは思いますよ。

例えば、以下のような文章はどうでしょう?

五大湖の南のコーンベルトでは大豆ととうもろこしの輪作が行われ、それを飼料として豚や肉牛を飼育する商業的混合農業がみられる。フィードロットで農耕飼料により肉牛の肥育も行われる。(87/90字)

こんな感じに仕上げてくれたらさらにベターだったかなとは思います。

今回も素晴らしい答案でした。さらに論述力、鍛えていきましょう!

  • 2020.05.29 17:38
  • たつじん

東大 1995 第2問

設問A アー豚肉 イー牛肉 ウー羊肉

説問B インドーとり肉 サウジアラビアー馬肉 オーストラリアーとり肉

(この2つの設問はとり肉と羊に対する知識が誤っていて半分以上落としてしまいました。)


設問C 菜食主義者が多く牛を神聖視するヒンドゥー教信者が多いため、国内での肉類需要が低く生産量も少ない。また、白の革命により牛乳・乳製品が多く生産・消費されるため動物性蛋白質供給量が多い。(90/90字)

設問D 肉の生産量は少ないが多く輸入してそれを食べているため。また、島国であり動物性蛋白質を含む魚を多く食べる文化であるため。(59/60字)

設問E 五大湖の南のコーンベルトでは大豆ととうもろこしの輪作が行われており、それを餌として豚を飼育する混合農業や、フィードロットで集約的に質の良い飼育をするなどが行われている。(85/90字)

(C,Dはまぁまぁの出来かなと自分では思っているのですがEのフィードロットに関しては青本の解答に書いていなく、聞かれていることと無関係であり、減点対象になってしまうのかな?という不安があります。今回も添削よろしくお願いします!)

  • 2020.05.25 15:24
  • かい

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