ブログ

2020.05.25

投稿フォーム88

コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性がありますので、ツイッター(@ts914)にDMをいただけますでしょうか。早々に対応いたします。

コメント

では添削しますね。

>東大2002 第3問設問A

>(1)三角州

正解です。いいですね。「三角州」について、その名称から「三角形」をイメージしてしまう人が多いのですが、実際にはこのような河口部が海に向かって突き出した形になることが一般的です。視覚的に理解しましょうね。

>(2)河川によって上流から運搬された土砂が洪水などにより広く堆積した。

これもいいですね。河川沿いの低地ということで「沖積平野」を考えるべきです。沖積平野とは、沖積世すなわち現在、つくられつつある平野のことで、具体的には河川の作用によって形成された(形成されるもの)を考えたらいいと思います。「扇状地」、「氾濫原」、「三角州」を含みます。ただ、扇状地は平野の最も山地寄りの箇所に形成されるもの(山地と平野の境界)であるため、今回のYやXの範囲からは外れるでしょう。「氾濫原」と「三角州」についてしっかり述べれば、それで正解となります。

氾濫原は河川中下流の低地で、河川の氾濫によって洪水の被害も大きいところです。「土砂が洪水などにより広く堆積した」ことはまさしく正解となります。三角州も同様に堆積による地形です。目の細かい土砂(泥や粘土)が河口の浅い海底に堆積し、新しく陸地が形成されました。

このような地理用語について30字程度で説明できるようにしておくといいですね。それらが「アイテム」となり、いつでもどこでも使えるようになるとキミの論述力もアップしますよ。



(3)自然堤防

適切です。小地形である「氾濫原」にみられる微地形として「自然堤防」と「後背湿地」があります。全体に低地の地形である氾濫原は水害を受けやすいところですが、その中でも浸水の被害を免れる場所として自然堤防がありますね。「水が豊かな地域では、水を避けるところ」に集落が立地しますが、それが氾濫原における自然堤防に該当します。河川沿いに「列村」がみられたら、それは自然堤防上に発生したものですね。

自然堤防は、数十センチから数メートル程度の微高地で、土が盛り上がっている様子を想像してください。洪水の際に河川から吐き出された比較的目の大きな土砂が、河川沿いに堆積します。周囲の土地より水捌けがよいので、この上に家屋が立てられるわけですね。

河川の氾濫の際には、河川から流出した水が自然堤防を越え、川の反対側の低地へと流れ込みます(後背湿地ですね)。自然堤防自体は水捌けのよい地形であり、さらに一段高い地形であるため(これを「高燥」といいます。「低湿」の反対です)、この上につくられた家屋は浸水を免れます。

(4)海からの風により砂が堆積し、他よりも高く高潮から避けられたから。

これは(5)についての解答だったでしょうか。「浜堤(ひんてい)」について述べたものですね。この機会に浜堤についても理解を深めておくといいでしょう。

浜堤は、砂浜海岸において、海岸線に並行してみられる微高地です。数十センチから数メートル程度の土の盛り上がりをイメージしたらいいと思いますよ。つまり、海岸バージョンの自然堤防ですね。

ただ、成因が自然堤防とは違っており、自然堤防が河川の作用によって形成されたものであるのに対し、浜堤は波や風の力によるものです。海からの強い風や波によって砂が内陸部に向かって持ち上げられ、周囲よりやや高い地形がつくられます。これが浜堤です。自然堤防と同様に、河岸や海岸に沿って帯状の地形となり、この上につくられた集落は「列村」の形態となります。

なお、土地が隆起することで、海岸線が後退し(陸地が前進するということ。かつて海だった部分が陸地となる)、浜堤が海岸線から離れます。新たな海岸線に沿って、改めて浜堤がつくられることとなり、さらに集落が立地します。千葉県の九十九里平野においては、こうやって作られた何重もの「浜堤+列村」の組み合わせがみられることになります。

全体としてポイントが捉えられていて、素晴らしい解答だったと思いますよ。文章力も高く、かなり優れた論述作成力を有していることが伺えます。さらに多様な問題にチャレンジし、自分の力を存分に発揮しましょう。期待していますよ。

  • 2020.05.31 08:46
  • たつじん

東大2002 第3問設問A

(1)三角州
(2)河川によって上流から運搬された土砂が洪水などにより広く堆積した。
(3)自然堤防
(4)海からの風により砂が堆積し、他よりも高く高潮から避けられたから。

  • 2020.05.28 11:21
  • yasu

コメントフォーム

カレンダー

«5月»
     1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31       

ブログ内検索

フィード

スタディサプリスタディサプリ/たつじん地理

検索

ページの先頭へ