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2020.05.28

投稿フォーム89

コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性がありますので、ツイッター(@ts914)にDMをいただけますでしょうか。早々に対応いたします。

コメント

>では添削しますね。今回も素晴らしい答案です。

>第3問

いちおう「東大2009年第3問」としておいていただけますか。一瞬、何年の問題かわからなくなってしまうので(前回からの続きなので、以前の投稿を調べればわからないことはないのですが・・・)お手数ですが、よろしくお願いします。

>A
>⑴a―医療業 b-食料品製造業 c-輸送用機械器具製造業 d-情報サービス業 e―宿泊業
※⑵は社会保険・社会福祉・介護事業の大幅な増加は福祉・介護の対象者の増加(高齢化による)に起因するとわかりましたが、総合工事業の大幅な減少は分からなかったので飛ばしました。

なるほど、これは確かに難しかったかもしれませんね。「福祉・介護の対象者の増加」という視点は素晴らしいので、とくに問題ないと思いますよ。

そもそも「総合工事業」という言い方がわかりにくいですもんね。我々からすると、建設だけでなく、土木も含まれるのだなとピンとくるのですが高校生だとなかなか厳しいかも知れません。

同様に我々年代ですと、かつては公共事業によって地方の経済活性化が行われていたことを知っており、さらにそれらが地方への「ばら撒き」と揶揄されたり、「ハコモノ」と呼ばれた公共施設の利用者が少ないことを批判されたりなどの状況も見聞きしていますからね。

かつての自民党政権は「地方」の農村票が支持の基盤でした。ゆえに地方へとふんだんに予算を割き、それは公共事業費の拡大によって表されました。しかし21世紀の日本においては東京への一極集中が顕著になり、地方が顧みられることが少なくなりました。こういった背景が「総合工事業」の縮小につながっているような気もしますね。

とはいえ、いずれにせよ「地理」の範囲からは逸脱している印象です。書ききれなかったとしても無理はないでしょう。


>B
>B県は高齢化の影響で老年人口の多い年齢構成である。公共サービスの需要は高いが生産年齢人口が少ないために税収が少なく、財政負担の緩和と行政効率化を目的に市町村合併がおこなわれたから。(90字)


とても素晴らしいですね。なかなかここまでの文章が書ける受験生はいないと思います。与られた用語「公共サービス」「財政」「年齢構成」から「何を書いたらいいのか」を瞬時に読み取り、出題者の求める回答を提示できています。「自分の書きたいこと」より「出題者が書かせたいこと」を記述することは非常に重要ですね

地方圏のB圏の人口構成は高齢者に偏り、経済を支える若年労働者の割合が低く財政基盤が弱い。公共サービスの拡充と財政健全化を目指し、中心市による周辺町村の編入や市町村合併が進行した。(89字)

私も書いてみました。「行政効率化」という言葉が思い浮かばなかったので、適当に言葉を濁してみましたが、許容範囲かなとは思います。「中心しによる周辺町村の編入」とは要するに「市町村合併」のことなのですが、あえて分けて書いてみました。

それから個人的には「生産年齢人口」という言い方が好きではないので(高校生や大学生もこれに含まれることになりますね。また、65歳以上で働いているかたもたくさんいますので)この言葉は用いませんでした。ただ、だからといって「若年労働者」と言い切ってしまうのもどうかなとは思いますね。壮年や高齢者も含めたうまい言い方があればいいのですが。


⑴ア―郊外 イ―都心 ウ―中間

いいですね。非常に「モダン」な問題と思います。2010年代以降の日本の社会情勢をうまく示した問題です(もっとも、本問の出題は2009年ではありますが)。現代の日本の人口変化の特徴は、「郊外のニュータウンにおける高齢化の進行」と「都心への人口回帰」ですからね。トレンドに沿っています。

⑵都心ではかつて郊外への人口流出により生産年齢人口の減少がみられたが老年人口は増加しなかった。近年は再開発や地価の下落により都心回帰の動きがみられ、両人口とも増加している。郊外では流入した生産年齢人口の高齢化で近年老年人口の増加がみられる。
(120字)


これもいいですね。とくにうまいと思うのは、きちんと「人口の増加」「人口の減少」と言い切っているところです。このグラフ、指数になっているからわかりにくいですが、老年人口割合や生産年齢人口割合といった「割合」を示すものではなく、老年人口と生産年齢人口そのものの「実数」を表すものですよね。ここ、しっかり意識しないといけません。

ア(郊外)については、生産年齢人口も老年人口も1980年以降増加しています。しかし、生産年齢人口は1995年から停滞そして減少しているのに対し、老年人口は増加率が上昇しています。

イ(都心)についてはトータルとして人口が減少し続けてきました。しかし、2000年以降は人口が増加し、とくに生産年齢人口の伸び方は顕著です。

ウ(中間)はおそらく地方都市などでしょう。非大都市圏に位置する。人口に大きな変化はありませんが、日本全体の人口動態の特徴である「微減」「老年人口の増加」をそのまま反映しています。

ところで、解答についてですが、ちょっとバランスが悪いかなとは思います。120の文字数制限が与えられているのですから、「都心と郊外」それぞれに60字ずつというバランスが適当です。こちらの解答では都心の分量が多いですよね。その結果として、「住宅供給」について述べることが求められているのに郊外についてはそれが十分に述べられていません。ここは注意点です。

まずそれぞれの人口動態を観察してみましょう。

都心・・・最初は人口が減少しているが、現在は急増。
郊外・・・人口は増加しているが、現在は高齢者の割合が高まっている。

その原因について「住宅供給」と合わせて考えてみます。都心では、まず高い地価によって人口が減少していたものの、現在は「再開発」により多くの集合住宅が建設されたことが背景にあるはずです。郊外ではニュータウンの建設でしょうか。ただしそれは本図から考えるに1980年代までが中心であり、現在は住民構成の高齢化が際立ちます。

都心では高地価で人口が郊外に流出したが、近年は再開発によって多くの集合住宅が建設され、とくに若年層の人口流入が目立つ。(59字)

郊外ではニュータウン建設によってとくに若い世代の入居が多かったが、現在は年齢構成の上昇により高齢者が増加している。(57字)

どうでしょうか。とくに難しい言葉は使っていませんが、無理のない説明にはなっていると思います。120という長い文章ですが、トピックを分化させ、さらに「出題者が求める内容」を意識して(今回は「住宅」ですね)文章を構築するのがコツです。

今回も非常によくできていました。次も期待していますよ!どしどし投稿してくださいね。

  • 2020.06.08 19:37
  • たつじん

第3問

⑴a―医療業 b-食料品製造業 c-輸送用機械器具製造業 d-情報サービス業 e―宿泊業
※⑵は社会保険・社会福祉・介護事業の大幅な増加は福祉・介護の対象者の増加(高齢化による)に起因するとわかりましたが、総合工事業の大幅な減少は分からなかったので飛ばしました。



B県は高齢化の影響で老年人口の多い年齢構成である。公共サービスの需要は高いが生産年齢人口が少ないために税収が少なく、財政負担の緩和と行政効率化を目的に市町村合併がおこなわれたから。(90字)


⑴ア―郊外 イ―都心 ウ―中間
⑵都心ではかつて郊外への人口流出により生産年齢人口の減少がみられたが老年人口は増加しなかった。近年は再開発や地価の下落により都心回帰の動きがみられ、両人口とも増加している。郊外では流入した生産年齢人口の高齢化で近年老年人口の増加がみられる。
(120字)

  • 2020.06.01 14:21
  • 優音

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