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2020.09.21
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コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性がありますので、ツイッター(@ts914)にDMをいただけますでしょうか。早々に対応いたします。
コメント
お待たせいたしました。遅れて申し訳ありません。
では添削いたします(^^)
>東大 2000年 第一問
>設問A (1)e (2)b (3)ロワール川←間違いです(4)アトラス山脈 (5)バルセロナ
ロワール川は惜しかったですね。たしかにローヌ川とロワール川はややこしいかも知れません。フランスの国土は、ほぼ全体がライン川(アルザス)、セーヌ川(パリ盆地)、ロワール川、ガロンヌ川(アキテーヌ盆地)、ローヌ川のいずれかの流域に含まれますのでチェックしておきましょう。
>設問B
>(1)前者は石灰質土壌にオリーブなどの耐乾性の広葉樹林が分布。後者は温帯地域に落葉広葉樹林、冷帯地域に針葉樹林が分布。(57/60)
悪くありませんが、問われているのは「植生」ですよね。植生のみについて、より詳細に記述することが求められます。土壌や気候については記述する必要はなかったと思いますよ(減点にはならないでしょうが、加点対照ともならないでしょう)。
ところで「硬葉樹」と「広葉樹」を混用していませんか。ここ、超重要ですよ。注意してください。
では整理していきましょう。
樹木は大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」に分かれます。とくに地理では広葉樹については「落葉」と「常緑」を区別しますので、以上の3種類をまず考えてください。
・針葉樹(針葉樹林)
・落葉広葉樹(落葉広葉樹林)
・常緑広葉樹(常緑広葉樹林)
ここまでいいですね?これが最も大きな括りとなります。
さらにこれらの樹林は細分化されます。例えば、亜熱帯や熱帯によくみられるヤシはシュロの仲間ですので、「常緑広葉樹の中のヤシ・シュロ類」となりますね。一つ細かい段階の区分となるのです。同じく熱帯の沿岸域に生息するのがマングローブであり、これも常緑広葉樹の中に含まれます。「常緑広葉樹の中のマングローブ林」ですね。
ここで登場するのが「硬葉樹」と「照葉樹」です。ご存知のように、それぞれ地中海沿岸地域、西日本に典型的にみられる植生ですが、これらはいずれも常緑広葉樹に含まれます。
つまり、地中海沿岸の植生については「常緑広葉樹の中の硬葉樹(林)」であり、西日本の植生は「常緑広葉樹の中の照葉樹(林)」となります。
ここまでの説明でわかったと思います。「オリーブのような耐乾性の」樹林といえば「硬葉樹」がジャストミートなのです。硬葉樹も広葉樹に含まれますから、広い意味で捉えれば「広葉樹」でも間違いではありませんが。しかしわざわざ「オリーブ」や「耐乾性」とまで言い切っているのですから、ここは「硬葉樹」と答えたかったのだな、という意図は採点者に見破られています(だから広葉樹は誤りなのです)。注意してくださいね。「オリーブなど対乾性の硬葉樹」と書くべきでした。
日本においてはもうちょっと細かくなります。
・北海道(冷帯)・・・針葉樹林
・東日本(冷涼な温帯)・・・混合林
・西日本(温暖な温帯)・・・照葉樹林
このような分類が一般的です。とはいえ、まず混合林ってわかりにくいですよね。これは「針葉樹+落葉広葉樹林」です。
さらに西日本の「照葉樹」は、「針葉樹」や「落葉広葉樹」に比べて、小さい括りになりますね。照葉樹は「常緑広葉樹」に含まれます。
これらの分布については言葉だけではわかりにくいので、かならず自分で図をかいて、しっかりマスターしてくださいね。一回覚えてしまえばスムーズに理解できますよ。頻出のジャンルですから、誤解のないようしっかり理解すること。
以上より、次のようにまとめてみましょう。
地中海沿岸は耐乾性の硬葉樹林。湿潤な日本は北海道では針葉樹林、東日本は針葉樹と落葉広葉樹の混合林。西日本は照葉樹林。(58字)
私ならこう記述するでしょう。日本については「湿潤な」という言葉を加えています。べつに地中海沿岸が「乾燥」しているわけではないので、日本のみ湿潤と説明するのは不適当かもしれせんが、とくに問題ないでしょう。
>(2)前者はイタリア語が使用されカトリック教徒が多いが、後者はフランス語が使用されムスリムが多い。前者は機械•衣類など多角な工業が発達しているが、後者は石油によるモノカルチャー経済。(89/90)
とても良く書けています。ほぼ満点解答です。
唯一気になるのは「フランス語」ですね。アルジェリアはアラブ民族から構成される国で、公用語はアラビア語です。フランス語に植民地支配された歴史はありますので、ある程度フランス語も通用するでしょうが、あくまで公用語として規定されているのはアラビア語のみであり、これに先んじて「フランス語が使用され」というのはやや不適切です。
「アラビア語とフランス語が使用され」ならば何とか許容範囲とは思うのですが、やはりここは「アラビア語」のみを挙げるのが適切に思います。
またアルジェリアについては原油(石油)以外に「天然ガス」の産出や輸出も多いので是非チェックしておきましょう。
>(3)内陸部にあって原料立地のかつての工業地帯と違い、材料•製品の輸出入に適した臨海部にあり、先端工業がより盛んな工業地域。(60/60)
悪くありません。しかし、ちょっと整理できていない部分がみられる印象です。
「材料・製品の輸出入に適した臨海部」とありますが、臨海部への立地が指向されるのは「材料(原料)の輸入」を目的とした鉄鋼業や石油化が工業です。輸出産業である自動車工業などは、むしろ内陸部にあります。これらは付加価値が高く、内陸部から港湾まで輸送したとしても十分に採算が取れます。
さらに「臨海部にあり、先端産業〜」と文章がつながっていますが、これもちょっとクエスチョンですね。先端産業は臨海型の工業ではありません。たまたま都市が臨海部にあり、これら都市型工業が臨海部に立地しているように見えるかも知れませんが。それは本質ではありません。先にも述べたように、「臨海部=輸入に適する=鉄鋼業・石油化学工業」なのです。
実はこの問題については以前にも他の受験生から解答を受け取っています。そのうちの2つを紹介しますね。AとBになります。これらを見ていきましょう。
A;旧工業地域は炭田などに形成された資源立地型であるが、新興工業地域は輸入原料指向の臨海立地型である。
B;古くからの工業地域は鉄鋼業などが中心であるのに対し、新興工業地域は国際分業で行う航空機産業や先端産業が中心。
いずれも適切な内容です。Aでは「臨海部」にこだわり、「輸入原料」を利用した工業である(つまり鉄鋼業や石油化学工業ですね)ことを述べています。
Bでは。臨海部は削除し、新しい工業種として「航空機工業」や「先端産業」を挙げています。
かいさんは欲張って両方を一気に述べようとしたために混乱してしまい、不整合な解答をつくってしまったわけです。
前半部分を「内陸部にあって原料立地」としたのならば、後半部分は「輸入に適した臨海立地の鉄鋼業や石油化学工業」にターゲットを絞るべきだったでしょうね。
逆に「先端産業」を中心にするならば、前半は「鉄鋼業などの重厚長大型産業」のようにするべきだったでしょう。
以下、私のつくった参考例です。
旧来の工業地域は鉄鋼業や自動車工業、造船業など。新興工業地域は航空機工業、知識集約型の先端産業など。(50字)
「内陸部にあって」は「内陸部の」にできますし、「かつての」も「古い」や「旧」にできますよね。字数の無駄も全体的に多いような気がしますよ。くれぐれも意識して欲しいのは「作文」を書いているのではないのですから、文章テクニックは言い回しにこだわったところで1点にもなりません。むしろ文章が冗長になることで要点を書き逃してしまえばマイナスポイントとなります。答えだけハッキリと「箇条書き」するぐらいの意識でいいと思いますよ。
また添削が遅れてしまったら遠慮なくDMくださいね。ではさらに演習を続けましょう。
- 2020.10.12 16:02
- たつじん
東大 2000年 第一問
設問A (1)e (2)b (3)ロワール川←間違いです(4)アトラス山脈 (5)バルセロナ
設問B
(1)前者は石灰質土壌にオリーブなどの耐乾性の広葉樹林が分布。後者は温帯地域に落葉広葉樹林、冷帯地域に針葉樹林が分布。(57/60)
(2)前者はイタリア語が使用されカトリック教徒が多いが、後者はフランス語が使用されムスリムが多い。前者は機械•衣類など多角な工業が発達しているが、後者は石油によるモノカルチャー経済。(89/90)
(3)内陸部にあって原料立地のかつての工業地帯と違い、材料•製品の輸出入に適した臨海部にあり、先端工業がより盛んな工業地域。(60/60)
今週もよろしくお願いします!
- 2020.10.05 19:46
- かい
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