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2020.09.21
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では添削いたします。
>東京大学 2011年
>第三問
>設問A
>(1)戦争終結後の復員兵が原因の第一次ベビーブームで生まれた団塊世代が、第二次ベビーブームを発生させ、出生率を引き上げたから。
適切に書けています。十分合格圏だと思いますよ。
「戦争終結後」はオッケイです。現代の日本で「戦争」といえば「太平洋戦争(第二次世界大戦)」なわけですから、字数節約のために「太平洋」や「第二次」と加える必要もありませんね。
「復員兵」は微妙な気がしますよ。戦争が終わって社会が安定したことで出生率が上がった側面もありますし、食糧事情の改善などの要因もあります。第1次ベビーブームが生じた理由まで述べるとこの字数では足りませんので、ここは単に「戦争終結後のベビーブーム」で十分だったと思います。
それより重要なのは次ですね。本問は「なぜ第二次ベビーブームが生じたのか」を答える問題です。再度問題内容を確認してくださいね。
マツケイさんの解答は「なぜ第1次ベビーブームが起こったのか」については述べられていますが、「なぜ第2次ベビーブームが起こったのか」については説明されていないのですよ。
例えば私はこう書いてみました。
太平洋戦争直後のベビーブーム世代が結婚し子供をもうける時期に当たり、出生率が上がった。(43字)
どうでしょうか。違いがわかるでしょうか。ベビーブーム(第1次)については理由は書いていません。単に「戦争直後」だけです。
それに対し、「1970年代前半」の第2次ベビーブームについては「ベビブーム世代が子供をもうける時期に当たり」と理由を説明しています。
両者の間に、25年ほどの時間差(タイムギャップ)があることが非常に重要なのですよね。そこをきちんと書いてあげないと、採点者には伝わりませんよ。
>(2)高齢者は増加したが、医療技術が発達し平均寿命が延びたから。
これはとてもいいと思います。適切です。
私はこう書いてみました。
寿命の伸び。衛生環境の改善、食料事情の良化、医療の発達など。(30字)
なぜ寿命が伸びたのか、その理由をいろいろと書きつらねてみました。あまり模範的とは思いませんが、こういった書き方もあるのだと知っておいてくださいね。
>(3)どの都市も大都市圏に位置する為、人口の流入が激しく、出生率が高い。また高齢者割合が低い為、死亡率も低いから。
いいですね。「大都市圏」という言い方が適切です。また、先に「社会増加率」について説明し(流入が激しく)、さらに「自然増加率」に言及している点も素晴らしいです。日本の市町村の人口変化については「社会増加→自然増加」の順を常に意識してください。
唯一気になったには「激しい」ですね。数学的・統計的な言い方ではないように思います。「人口の流入量が多く」で良かったと思いますよ。「激しい人口流動」という言い方はしなくもないのですが、どうも主観的・感情的というか、数学的・統計的な感じがしません。
あるいは「人口の流入が顕著で」という言い方はどうでしょうか。「傾向が明確」といったニュアンスを含み、こちらの方が「激しい」に比べ客観的な表現であると思います。
私はこのように書いてみました。やはり「大都市圏」がポイントになっています。
大都市圏に位置。経済活動が活発で社会増加率が高い。若年層の流入で出生率が上昇。老年人口率が下がり死亡率も低下。(55字)
まず、(福岡を除いた)表中の都道府県の特徴として「大都市圏」と言い切っています。さらに人口が流入し「社会増加率が高い」ことを述べ、字数に余裕があるのでその理由として「経済活動が活発」と書き添えています。
後半では自然増加の説明がメインです。社会増加に引っ張られて自然増加が変化しますね。まず「出生率」の高まりを述べ、ラストに「死亡率」が下がったことを付け加えています。
マツケイさんの答案と比べ、「経済活動が活発」という社会増加がプラスとなる理由を加えていますが、これはとくに言及するべきものでもなかったと思います。あくまで参考程度に、といった感じです。
>設問B
>(2)地方中枢都市であるため、若者を中心に職を求めて移住するから。
大正解です。「地方中枢都市」という言葉さえ含まれていれば満点の問題と思います。
地方中枢都市が位置する県で、雇用を求める若年層の流入が顕著。(30字)
先程の「顕著」という言い方を使っています。客観的な雰囲気がありませんか。また「若者」も「若年層」、「職」も「雇用」と言い換えています。とくにどちらでもいいとは思いますが、いろいろな表現を試してみてください。
また減点ポイントとはならないと思いますのでマツケイさんの書き方で全く問題ないのですが、私の場合。「県」としての人口増加の理由なので「地方中枢都市が位置する県」というように、都市ではなく県が主体の内容にしています。
>(3)A群は依然入数が多いが、減少。B群は人数は少ないが増加。理由はA群で産業の空洞化や自然環境の減少に伴う職住環境の悪化によるドーナツ化現象。B群で高年齢層のUターン現象。
なるほど、悪くありませんね。組み立てがいいと思いますよ。「Aの動態」→「Bの動態」→「Aの動態が生じた理由」→「Bの動態が生じた理由」という流れはとてもわかりやすいです。「職住環境」とは「居住観葉」でしょうか。居住環境の悪化ならば、都心部からの人口流出の理由となります。
ただ、「Bの動態が生じた理由」がやや弱いように思います。本当に「Uターン現象」なのでしょうか。北海道で生まれた人が東京に就職し、引退後に北海道に帰るというパターンですか。必ずしも北海道生まれの人だけでなく、北海道に初めて住む人もいるでしょうし、そもそもその「Uターン」が生じる理由がわかりません。ここはキーワードとして「自然環境」について言及するところだと思いますよ。
文字数制限が90字であり、その中で「空洞」「自然環境」「年齢」の3つの言葉を用いる必要があります。「空洞」については「産業の空洞化」という言葉を使えばいいでしょう。産業の空洞化といった場合の産業とは実際には製造業を指すことが一般的で、工業の発達した都市や地域で顕著となります。表中では愛知県の製造業が大きくマイナスになっていることに注目するべきですね。
「自然環境」については北海道や沖縄に該当する言葉でしょう。ここでは「農業」が大きくプラスとなっていますので、豊かな自然環境によって農業を始めようとする人々が多いのだという解釈ができそうです。
一方で、「年齢」は難しいですね。若い世代について言及するのか、それとも高齢者か。ただ、逆にみれば自分なりの自由な使い方ができる言葉でもあります。こちらのように「高年齢層」という使い方は非常に適切だと思いますよ。全体として十分合格圏の解答になっています。
私も書いてみました。
A群はバブル崩壊後の経済低迷や産業の空洞化で金融保険業、製造業の雇用が減り、転入が転出を下回る。B群では高年齢層を中心に豊かな自然環境の中で農業を始める人々が多く、転入超。(86字)
こういった形でしょうか。本当に農業を目的とした人が多いのかよくわかりませんが、統計ではそうなっていますよね。また、それが「自然環境」を求めてのものかどうかもはっきりしませんが、とりあえずキーワードにあるので、それに従って使ってみるだけですね。
出題者の要求に沿って文章を組み立てること(言い方は悪いですが、「いかにも採点者が喜びそうな答案をつくる」ということ)も必要になってくると思います。
全体的にとてもよく書けていますが、一部「理由→結果」の因果関係に関しての記述が弱いところがあったように思います。次回への課題としてくださいね。
- 2020.10.01 00:18
- たつじん
東京大学 2011年
第三問
設問A
(1)戦争終結後の復員兵が原因の第一次ベビーブームで生まれた団塊世代が、第二次ベビーブームを発生させ、出生率を引き上げたから。
(2)高齢者は増加したが、医療技術が発達し平均寿命が延びたから。
(3)どの都市も大都市圏に位置する為、人口の流入が激しく、出生率が高い。また高齢者割合が低い為、死亡率も低いから。
設問B
(2)地方中枢都市であるため、若者を中心に職を求めて移住するから。
(3)A群は依然入数が多いが、減少。B群は人数は少ないが増加。理由はA群で産業の空洞化や自然環境の減少に伴う職住環境の悪化によるドーナツ化現象。B群で高年齢層のUターン現象。
添削よろしくお願いします
- 2020.09.29 19:35
- マツケイ
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