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2020.09.24
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コメント
では添削いたします。
>東大2011年度第1問
>(世界の自然災害と脊柱平野の地形図読取より)
>設問A
(1)
C・・・干ばつ
D・・・火山災害
E・・・地震災害
F・・・風害
いいですね。非常に興味深いデータですので、解いていておもしろかったのではないでしょうか。日本に注目するのがコツですね。
Cは干ばつです。梅雨や積雪による融水など農業用水を確保しやすい日本では生じにくい災害です。降水量に比して農業生産が多い地域(オーストラリア、中国、インド)や乾季が明瞭な地域(サヘル地帯やブラジル)で生じるケースが多いですね。
DとEについては南米北部のコロンビアに注目してください。日本と同様に多くのプレートが集まり、世界有数の地震・火山国です。インドが含まれるEが地震、含まれないDが火山ですね(南アジアには火山はありません)。
残ったFが風害です。これがよくわかりませんが、北アメリカのトルネード(竜巻)などが該当するのでしょうか。
>(2)
日本の地形は急峻で、山麓などに多く人が分布している。アメリカはなだらかな地形が多く、海岸線沿いや平野部に人が多く分布している。
うまいですね。前半で日本について述べ、後半でアメリカ合衆国について述べています。さらに問題文では「地形」と「人口分布」の違いについて述べることが求められていますが。こちらの答案ではそれについてもしっかりカバーしています。
日本には急峻な山地が多く山麓の急斜面に近接して居住する人も多い。米国は平原が広く大河川の沿岸に多くの人が居住する。(57字)
問題文では「アメリカ合衆国」となっていますが、これではさすがに字数を大きく消費してしまうので、こちらでは「米国」としています。
水害が多い理由として、海岸や平野部でも間違いないのですが、「大河川」が多く、これに沿って多くの人が住んでいる様子も指摘するべきだったかなとは思いますよ。
>(3)
>死者数の減少については、情報伝達機能の発達、防災対策、救助や医療の充実が主な理由である。被災者数の増加として、災害に弱い地域への居住地の拡大、森林開発による自然災害防止機能の脆弱化が考えられる。
こちらは大変上手ですね。満点解答です。全く言うべきことがありません。素晴らしいと思いますよ。
>設問B
>(1)
自然堤防に沿って立地点が共通している。自然堤防は微高地で水害被害が小さく、かつ河川の水を付近の田畑に引っ張ることができるから。
「河川の水を付近の田畑に引っ張ることができる」という部分がちょっとよくわからないのですが。
とりあえず問題を受け、最初に「自然堤防。」と言い切った方がいいですね。その後に「立地した理由」を続けましょう。
自然堤防。微高地であり浸水を避けられる。
これが基本形です。60字という字数がありますので、これに肉付けをしていきます。
自然堤防。河川から流出した土砂が堆積した微高地。排水性が良く、浸水被害を避けられるため、集落が自然発生する。(54字)
このような形でどうでしょうか。本問は自然堤防の特徴だけを述べればいいので、逆に細かい内容まで書く必要に迫られますが、この程度でいいと思いますよ。
>(2)
共通して扇端に立地している。これらの地域は、扇状地からの地下水が豊富であり、標高も少し高いため洪水被害が小さい。
内容的に正しいですし、ほぼ満点解答です。
こちらも同様に、まず「扇端。」と言い切ってから始めましょう。使用国に「扇状地」とありますので、「扇状地の末端」あるいは「扇状地の扇端」とした方が良さそうですが。
扇状地の末端。扇央で伏流した地下水が湧水となり水が得やすい。氾濫原の低地に比べやや高い地形となっており浸水が防がれる。(59字)
こんな感じでしょうか。「湧水」という言葉を用い、さらに「氾濫原の低地」との比較を含めていますが、とくに不要かも知れません。
「氾濫原」については「後背湿地」の方が良かったかも知れません。「氾濫原」は小地形で、「後背湿地」は微地形です。氾濫原の中に後背湿地と呼ばれる地形が存在するわけですね。
私は「浸水が防がれる」としましたが、もちろんここは「洪水被害が小さい」と同じ意味で用いています。
>(3)北側は低湿な後背湿地が広がり、近郊農業の発達により温室が設置された。それ以外は大きな変化が見られず、ほとんどが水田のままである。南側は、高燥な扇状地であり、水害対策が施されたため、住宅地や工場、公共施設が増えた。また、蚕業の衰退により、桑畑は果樹園へと転換した。(131字)
文字数制限が長いですが、北と南それぞれ60字ずつと思えば、決して難しい字数ではありません。前半と後半に分けて書くのがコツですね。
北側。後背湿地の水田地帯は区画整理が進み近郊農業の発達で温室も設けられた。一部では干拓も。南側。かつて養蚕業の盛んな地域で扇状地の扇央は広く桑畑として利用。現在桑畑は縮小し果樹園や灌漑による水田が増加。河川は改修され住宅地も増加。(115字)
こういった感じでしょうか。土地利用に限定して書くと字数が余ってしまうので、細かい内容も含めています。北部については北西端の湖沼などで干拓が進んでいますね。南部については、より「土地利用記号」に基づいた内容にしています。果樹園の他、一部に水田もみられるようです。扇央は本来水田には適しませんので、ここは灌漑が行なわれているのでしょう。そういった「想像」も含め記述してみました。
とくに設問Bについては、答えるべき内容に比べ字数制限が緩く(字数が多い)、余分なことも書かないと字数が稼げないものが多かった印象です。東大の問題は本来字数制限の厳しいものが多く(設問A(2)が典型です)、かなりの「圧縮」が必要なのですが、本問のようなパターンは珍しいです。たまにこういったパターン、あるんですよね、出題される先生のクセなんでしょうか。
こういった面を含めて、さらに問題研究してみてくださいね。
- 2020.10.13 09:23
- たつじん
東大2011年度第1問(世界の自然災害と脊柱平野の地形図読取より)
設問A
(1)
C・・・干ばつ
D・・・火山災害
E・・・地震災害
F・・・風害
(2)
日本の地形は急峻で、山麓などに多く人が分布している。アメリカはなだらかな地形が多く、海岸線沿いや平野部に人が多く分布している。
(3)
死者数の減少については、情報伝達機能の発達、防災対策、救助や医療の充実が主な理由である。被災者数の増加として、災害に弱い地域への居住地の拡大、森林開発による自然災害防止機能の脆弱化が考えられる。
設問B
(1)
自然堤防に沿って立地点が共通している。自然堤防は微高地で水害被害が小さく、かつ河川の水を付近の田畑に引っ張ることができるから。
(2)
共通して扇端に立地している。これらの地域は、扇状地からの地下水が豊富であり、標高も少し高いため洪水被害が小さい。
(3)北側は低湿な後背湿地が広がり、近郊農業の発達により温室が設置された。それ以外は大きな変化が見られず、ほとんどが水田のままである。南側は、高燥な扇状地であり、水害対策が施されたため、住宅地や工場、公共施設が増えた。また、蚕業の衰退により、桑畑は果樹園へと転換した。
添削よろしくお願いします
- 2020.10.10 12:58
- のい
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