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2020.12.30
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コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性がありますので、ツイッター(@ts914)にDMをいただけますでしょうか。早々に対応いたします。
コメント
添削いたします(^^)
>2010年度第3問_185(世界と日本のダムと環境より)
これ、問題番号違いませんか?
(探す。。。あった!)
2010年第1問ですね。問題番号の確認、忘れずに。
>設問A
>(1)
>カリバダムは乾燥地域に属するため、灌漑施設に対する貯水の目的である。クラスノヤルスクダムは、寒冷地域に属するため融雪水の洪水対策である。
全く問題ありませんね。とてもいいと思います。
本問の難しいのは「気候」に関連づけることだと思います。本来なら、カリバダムもクラスノヤルスクダムも発電用のダムであり、前者は銅の、後者はアルミニウムのそれぞれ精錬に電力が使われているので、それを記述するべきなのですが、本問ではそうはなっていないようです。
カリバダムが位置するザンビアの主な気候区はC wです。カリバダムはもしかしてBS気候区にあるのかも知れませんが、私にはよくわかりません。ただ、いずれにせよ雨季と乾季は明瞭であり、気候帯や気候区について言及するより「乾季がある」ことを強調すれば十分に思いました。
クラスノヤルスクダムの周囲は冷帯気候であり、冬季に凍結します。そして春先には融雪により周囲に洪水の被害が及ぶかも知れません。こちらについては確実ですね。
雨季と乾季の明瞭な地域のカリバダムは、渇水期の用水確保。寒冷地域のクラスノヤルスクダムは、初夏の融氷期の増水への備え。(59字)
このような解答例をつくってみました。「春」でも「初夏」でもどちらでもいいと思います。月で考えると5月ぐらいなので初夏なのですが、シベリア地域の実際の気候を考えれば「春」というべきですからね。
>(2)
>中部地方の山は標高が高く傾斜が激しいため、流水速度が速いから。それに対し、中国地方の山は傾斜が緩やかで、降水量も少ないから。
これもいいですね。2つの文に分けてバランスもいいです。ただし「四国」について言及していない点がやや物足りなくは感じます。
私はこう書いてみました。
中部地方は降水量が多く特に急傾斜の山地が多い。四国南部も同様。中国地方は瀬戸内海側で降水が少なく、地形もなだらか。(57字)
本問の難しいのは、四国と言っても瀬戸内海側と太平洋側で降水量に大きな差があり、中国地方でも少雨であるのは瀬戸内海側ですよね。「四国地方」や「中国地方」という括りでは説明できません。どうしても中途半端な回答になってしまうと思います。問題そのものの完成度の低さを感じますね。東大と言えど、必ずしも良問ばかりではないのでしょうね。
>(3)
ダムの貯水できる量が減るため、確保できる水資源の量が減る。また、貯水の限界に達するペースが上がり、洪水が起こるリスクが上昇する。河口部では、流れてくる土砂が減るため海岸浸食が起こる。
いいですね、とてもわかりやすい文章になっています。書くべき内容が多すぎて、この字数でも厳しかったとは思いますが、うまく要点をまとめていますよ。好印象の文章です。
以下が私の解答例です。「灌漑」も加えています。
ダムに土砂が堆積することで貯水量が減少する。治水効果が下がり洪水が頻発する。水資源の減少で灌漑や発電の能力が下がる。下流側へ流出する土砂が減少することから、海岸侵食が生じる。
どうでしょうか。3つのブロックに分け、「土砂の堆積→洪水の発生」「水資源の減少→灌漑や発電が困難に」「土砂の流出の減少→海岸侵食」をそれぞれ説明しています。
のいさんの文章でやや足りなかったのは、この「因果関係」の部分なんですよ。「確保できる水資源の減少」がまぜマズいことなのでしょうか。これを灌漑や発電能力と結びつけることができればベストでした。
常に「原因→結果」の関係を意識して、文章の流れをつくってみてくださいね。
>(4)
Cである。土壌には木の根が多く張り巡らされているため、土壌の持つ保水力に加えて、森林が多くの水分を吸水する。また、土壌中の流水速度は小さくなるため、長時間かけて流出しており、人口ダムと同様の役割を果たしているから。(107字)
おもしろい解答になっていますね。森林の土壌がなぜ保水力が高いのかについて説明されています。これ、とても興味深いと思いますよ。科学的な考察ができています。
ただ、惜しむらくは文章が長く、字数制限をオーバーしているということです。この部分は簡略化するか、カットするか、いずれかの対応策が必要だったような気がしますよ。
私もちょっと書いてみました。
森林地域の土壌はよく雨水を浸透させ地下水が涵養される。雨水は少しずつ流れ出し、河川の流量変化は穏やかなものとなる。洪水を防ぐ治水効果があることから緑のダムと呼ばれる。
「地下水の涵養(かんよう)」とは地下水を養う、つまり地下へと水が浸透し、地下水が育まれることです。土壌が水を保つことについて、言葉で説明してみました。
私は逆に字数が余ってしまったので、「〜緑のダムと呼ばれる」と、余分なこと(分かりきったこと)を書いて字数調整してみました。字数についてはちょっと神経質になっておきましょうね。大きな減点を食らう可能性があります。
>(5)
春から夏の季節にかけて気温が上昇することで、冬季に堆積した雪水が少しずつ溶けて流出していく。そのため、降水量の少ない季節や下流の地域でも渇水することなく、流路の周辺地域に水資源を供給できるから。(97字)
内容的には正しいです。「渇水」について[渇水することなく]という言い方で用いたのは一つのアイデアですね。悪くないと思いますよ。
また「雪水」とあるのは「雪氷」の誤りでしょうか。雪や氷が解ける様子が表現されています。「堆積」がちょっと気になりますが(土砂のイメージが強い)、ここも「蓄えられた」などちょっとした言葉の工夫が必要になりますね。
さらに本問でもやはり字数が一つの課題となっていますね。90字制限ですので、もうちょっと字数を削って欲しかったところです。字数に則した文章をつくることが今後の課題かも知れませんね。
私も書いてみました。
冬の間に積雪や氷河として標高の高い山岳部に蓄えられた水は、春先に融け出し、周辺地域へと流出する。田植えの時期など水需要の多い季節や夏の渇水期などに農業・生活用水として利用される。
「夏の渇水期」がちょっと気になるかも知れませんが、アルプス山脈に沿う南ヨーロッパを想定した内容ではあるのです。地中海性気候ですから夏に少雨となりますよね。田植えもアジア限定であり、決して一般論ではないのですが、とくに問題ないかと思います。字数稼ぎ的な雰囲気はありますが、自由度の高い文章が必要な問題でしたね。
今回もとても良く書けています。ただ、「四国」への言及、「水資源」の減少がもたらす結果など、内容に多少弱いところも見受けられました。問題内容を深く把握し、求められている内容をしっかり書きつくすこと、さらに常に「因果関係」を意識した文章構成を心がけてくださいね。
次回も期待しています(^^)
- 2021.01.07 05:42
- たつじん
2010年度第3問_185(世界と日本のダムと環境より)
設問A
(1)
カリバダムは乾燥地域に属するため、灌漑施設に対する貯水の目的である。クラスノヤルスクダムは、寒冷地域に属するため融雪水の洪水対策である。
(2)
中部地方の山は標高が高く傾斜が激しいため、流水速度が速いから。それに対し、中国地方の山は傾斜が緩やかで、降水量も少ないから。
(3)
ダムの貯水できる量が減るため、確保できる水資源の量が減る。また、貯水の限界に達するペースが上がり、洪水が起こるリスクが上昇する。河口部では、流れてくる土砂が減るため海岸浸食が起こる。
(4)
Cである。土壌には木の根が多く張り巡らされているため、土壌の持つ保水力に加えて、森林が多くの水分を吸水する。また、土壌中の流水速度は小さくなるため、長時間かけて流出しており、人口ダムと同様の役割を果たしているから。
(5)
春から夏の季節にかけて気温が上昇することで、冬季に堆積した雪水が少しずつ溶けて流出していく。そのため、降水量の少ない季節や下流の地域でも渇水することなく、流路の周辺地域に水資源を供給できるから。
添削よろしくお願いします
- 2021.01.04 13:05
- のい
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