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2021.01.18

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添削いたします。

>東大2011年第一問設問

>B
>(1)自然堤防。低湿な後背湿地が広がる氾濫原において河川の氾濫時に浸水の危険性が低い微高地であるため。

いいですね。わかりやすいです。キーワードを用いて文章を的確に組み立てていますね。

とりあえず問題を受け、最初に「自然堤防。」と言い切った方がいいですね。その後に「立地した理由」を続けましょう。

自然堤防。微高地であり浸水を避けられる。

これが基本形です。60字という字数がありますので、これに肉付けをしていきます。

自然堤防。河川から流出した土砂が堆積した微高地。排水性が良く、浸水被害を避けられるため、集落が自然発生する。(54字)

このような形でどうでしょうか。本問は自然堤防の特徴だけを述べればいいので、逆に細かい内容まで書く必要に迫られますが、この程度でいいと思いますよ。

>(2)扇状地の扇端に位置し、高燥な土地であり、河川の洪水の被害を受けにくい。また、伏流した地下水を農業用水として利用できる。

これは惜しいですね。後半は完璧です。前半の内容も決して間違ってはいないのですが、これでは誤解が生じます。

集落が「扇端」に沿っていることは間違いありません。ただ、扇端というのは扇状地全体で言えば、最も標高が低いところであり、「扇状地の中で最も水が得やすい」わけです。貴方の回答の意図としては「扇端も扇状地の一部であり、扇状地である以上、標高がやや高いため、洪水の被害を受けにくい」ということですよね。ただ、文字数が限られていることもあり、貴方の回答ではその意図が十分に伝わっていない印象があります。「扇端は扇状地の中でもとくに高燥な土地であり、洪水の被害を受けにくい」と誤解されてしまうのです。

あくまで、標高の順は、高い方から低い方に向かって「扇央>扇端>氾濫原」ですよね。この場合は、「氾濫原より高い位置にあるため、洪水の被害を受けにくい」とするべきなのです。

最初に、(扇端は扇状地の中では最も低いところにあるので)水が得やすく、しかし(周囲の氾濫原より高い場所にあるので)洪水を避けられることを、順番に述べるべきなのです。中途半端な場所であるからこそ、「水が得られる」ことと「洪水を避ける」こと、美味しいところを両方とも備えているのですね。

これを意識して次のような文章をつくってみました。

扇状地の扇端に自然発生した集落である。地下水が湧き出し水利がいい。氾濫原より高所にあり、洪水の危険は少ない。(54字)

こんな感じでしょうか。ここも「自然発生」という言葉を使ってみました。「高燥」も使ってみてもよかったかもしれませんね(「氾濫原より高燥な地形であり」のように)。

これなら十分に正確な意図が伝わると思いませんか。書くべき内容は難しくありませんが、意図を正確に伝えるためにちょっとした工夫が必要な問題でしたね。

>(3)河川Aの北は圃場整備が進み、近郊農業で用いる温室等が増えた。低湿な地形での水稲耕作は継続された。一方、南は河川の改修工事を行い、水害の危険性を抑えたことで宅地や工場の建設が進んだ。製糸業の衰退を受け、桑畑から果樹園への転換が行われた。

こちらもいいですね。120字と一見すると長文に感じるかもしれませんが、2つのトピック(北と南)について説明することが求められているので、1つのトピックは60字。意外に短く、難しい文章ではありません。

さらに「違い」と「違いが生じた理由」ですよね。これもそれぞれ独立して書いたら簡単でしょう。

私も書いてみました。

北部は野菜栽培のビニールハウスが増えた以外は水田が主で大きな変化はない。氾濫原の低湿な地形だからである。南側は昔は桑畑、現在は果樹園や畑地など。扇状地の扇央の高燥な地形で水田には適さず樹林が中心となる。桑畑の減少は養蚕業の衰退による。(117字)

字数に余裕があるため、「ビニールハウス」については「野菜栽培」(「近郊農業」の方がベターだったかも知れませんが)、「桑畑の減少」については「養蚕業の衰退」というように付帯事項も付け加えてみました。これらの記述は必須とは思いませんが、字数埋め程度には使えると思います。

全体として、長文であってもそれを苦にせずスムーズに記述できている点が素晴らしいと思います。最後の追い込みですね。さらに演習を続けましょう。

  • 2021.02.01 06:14
  • たつじん

東大2011年第一問設問
B(1)自然堤防。低湿な後背湿地が広がる氾濫原において河川の氾濫時に浸水の危険性が低い微高地であるため。
(2)扇状地の扇端に位置し、高燥な土地であり、河川の洪水の被害を受けにくい。また、伏流した地下水を農業用水として利用できる。
(3)河川Aの北は圃場整備が進み、近郊農業で用いる温室等が増えた。低湿な地形での水稲耕作は継続された。一方、南は河川の改修工事を行い、水害の危険性を抑えたことで宅地や工場の建設が進んだ。製糸業の衰退を受け、桑畑から果樹園への転換が行われた。

  • 2021.01.27 19:35
  • 万物は流転する

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