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2021.02.01
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コメント
やすさんこんにちは。投稿ありがとうございます。
こちらの投稿をもって「本登録」とさせていただきます。こちらこそ1年間よろしくお願いいたします。
投稿は「最低でも月に一回」ですが、新規登録のかたは(すでに3月も終わりですので)「3・4月」の中で一回の投稿をマストにしています。次は「5月」には最低でも一回の投稿をお願いします。
ただし、逆に投稿回数の上限はありませんので、4月中にも多くの投稿をしてくださって構いません。自分のペースに合わせ、問題演習を続けていきましょう。
>12(2016年度 第3問)
>設問A
(1)ア扇状地 イ自然堤防 ウ三角州
適切です。とくに問題ありませんね。
(>2)豪雨などで河川水量が増し氾濫した時の被害を最小限に抑えるため
いいですね。洪水対策ということがわかれば十分です。
>(3)高度経済成長期に多く建設された工場の工業用水として地下水が多く使用されたが、後に問題視され規制がかかり地盤沈下も収まっ
いいですね。これも適切です。とくに「高度経済成長」に触れたところは素晴らしいと思います。「1975年」とわざわざ示されている点が重要です。これ、高度経済成長が終わった時期と重なりますよね。公害やオイルショックによって高度経済成長は頓挫しました。ですので、「高度経済成長」という言葉はマストになります。
私も書いてみました。
「高度経済成長期に重工業化が進み、地下水が過剰に汲み上げられ地盤沈下が生じた。これを防ぐため地下水の利用が規制された。(58字)」
このような形でしょうか。「過剰揚水」という言葉は便利ですが、なかなか難しい言葉だと思いますので。ここでは「汲み上げ」や「利用」という平坦な言葉に変えています。また「地盤沈下が公害とみなされ」とありますが、公害に認定されるまでもなく、地番沈下が建造物や都市施設に与える影響は大きいのですから、ここはシンプルに「地盤沈下を防ぐ」という言い方で十分に思います。ある程度、常識的に意味が伝わると思われる部分はどんどんシェイプアップした方がいいでしょう。
またここでは文を二つに分けていることにも注目してください。地理の論述は「現代文」ではありませんので、文章テクニックは不要です。国語が得意な人に限って、一つの文が長くなってしまい、結果としてわかりにくい文章になることが多いのです。できるだけ一文を短く切るというクセをつけておくといいですよ。
>(4)津波や高潮、洪水などの水害と地震による液状化現象に対し脆弱であり、被害軽減のために前者は高い堤防を設ける、後者は地盤の強度を高めることが有効な対策となる(76字)
とてもうまいですね。満点回答です。ただ、上でも述べたように無理に一文に収める必要はなく、たとえば「脆弱である。」で一旦切っても良かったと思いますよ。今回はうまく書けていますが、将来的に他の問題に当たった時に、一文を長くするクセがあったためにわかりにくい文章になってしまう可能性があります。日々、気をつけてくださいね。
なお、この機会に地盤の液状化に関して調べておいてくださいね。液状化は土地が水分を含んでいると発生します。振動によって分子同士がぶつかり、地表面に押し上げられるのです。液状化の最も有効な対策は土地の水分を抜くことにあり、これが実際に行われている地域も国内には多くあります。
>設問B
>(1)A市は商業が盛んであった市街地、山間部は集落が谷に立地するため影響が少ない尾根に境界が設定された
いいですね。適切な解答です。十分に合格点でしょう。
もうちょっと突っ込んで考えてみましょうか。
「A市」および「山間部の村」ですよね。平野部の村は含まれません。
さらに「考え方」ですよね。一言だけでもこれに関することを書き加える必要があります。
「A市では商工業の集積する市街地が市域とほぼ一致していた。」
まずはこんな感じでしょうか。「商工業」が集積し、一つの街としての機能が明確だったからこそ、独立した自治体となっていたのでしょう。
「山間部の村は尾根が境界となっていた。」
これは絶対的なことです。では尾根を境界にする理由は何でしょう?
例えば一つには水の利用があると思います。尾根の反対語は谷ですね。尾根が境界ならば、村の中心地は谷沿いということになります。水が利用しやすい状況にあったのでしょう。
さらにいえば交通の便を考えてもいいでしょう。高い山地を挟んでの交流は厳しいものがあります。尾根の両側が同じ自治体では不都合も生じるでしょう。
これを踏まえて以下のように書いてみました。
山間部の村は河川の利用や交通の便を考え、尾根線が境界となっていた。
2つの文をミックスしてみましょう。
「A市では商工業の集積する市街地が市域とほぼ一致。山間部の村は河川の利用や交通の便を考え、尾根線が境界となる。(54字)」
字数制限があるため説明がやや足りない部分もありますが、許容範囲でしょう。出題意図として「考え方」を示す必要があったと思いますよ。
>(2)労働者の職場が多く立地し、昼間人口が増加しただけであるため、人口はわずかの増加になった
この問題は苦しんだようですね。やや十分な回答にはなっていないようです。「昼間人口」については本問ではそもそも触れられていませんよね。
問題の読み取り方にミスがあったように思いますよ。話題となっているのは「人口集中地区」だけなのです。
1965年の人口集中地区をみてください。これ、狭いですよね。例えば1平方キロとしてみましょうか。
これが2010年には3倍ほどに拡大しています。3平方キロです。
人口集中地区の人口密度は4000以上ですから、人口集中地区(1965)の人口が例えば4000人であるのに対し、人口集中地区(2010年)の人口は12000人になっていれば、これはスムーズなことです。
でも実際にはそうなっていないのです。3倍ではなく、わずか30%の増加。例えば、人口集中地区(1965)人口が10000人としましょう。人口集中地区(2010年)は13000人です。
つまり、人口集中地区(1965)の人口密度は4000人どころではなく、きわめて高かったということなのです。それが2010年には薄まってしまった。一応、人口密度4000はキープしているけれど、かつてほどの神津ではない。
ここで想像してください。以前は狭い旧市街地に面積の狭い家屋が軒を連ねていたのではないでしょうか。長屋のようなものだったのかも知れません。
それが現在は一軒あたりの敷地面積も増加し、比較的余裕がある土地利用となっている。庭付きの家が並ぶニュータウンなのかもしれません。もちろん、最低でも人口密度は4000ないといけないのですから、過疎というわけではありません。「緩やかな過密」とでも言うべきものでしょうか。
「以前は狭い市街地に多くの家屋が密集していた。現在は住宅地の開発によって周辺地域に広い一戸建てが多く設けられた。(55字)」
こういった形でしょうか。さすがにこの問題は特殊だと思いますし、「悪問」の部類かも知れません。気にしなくて構わないでしょう。
なお、「商業地区」だったかどうかは判定できませんので、私の解答では単に「市街地」としています。「旧市街地」でも良かったかも知れません。
>(3)人口集中地区が行政の中心になることにより、主に政策も都心部向けになり山間部では様々なサービスを受けにくくなる問題がある(59字)
悪くありませんが、字数制限が90字(3行)であるため、もう少し詳しいことまで論ずることができたと思います。
また「行政上」と「生活上」の二つの問題を個々に書くことも求められています。構成、組み立てに注意してください。
・行政・・・かつての町村役場が廃止され、各種の行政サービスを受けにくくなっている。
・生活・・・インフラの整備が遅れ、買い物や通勤、通院など不便である。
「行政上、災害対策の地域的な違いによる不備や医療、図書館など公共サービスの低下が起こる。生活上、山間部の中で異なる生活基盤や慣習をもつ人々の間で合意形成が難しくなる。」
こういった内容が基本だったでしょうか。
>設問Bはかなり時間がかかってしまいました。
これはとてもいいと思いますよ。「早く解く」より「ゆっくり解く」方が難しいのです。「時間がかかる」ではなく「時間をかける」ことを今後は意識してくださいね。
全体としてよく書けています。良問が多い東大入試ですが、一部には解答に頭を悩ませるものもあります。ただ、論述問題はそもそも満点を取るべき試験でもありませんよね。自分の理解できる範囲で、しっかりと文章を作っていきましょう。
- 2021.03.30 12:49
- たつじん
今年1年間よろしくお願いします。
12(2016年度 第3問)
設問A
(1)ア扇状地 イ自然堤防 ウ三角州
(2)豪雨などで河川水量が増し氾濫した時の被害を最小限に抑えるため
(3)高度経済成長期に多く建設された工場の工業用水として地下水が多く使用されたが、後に問題視され規制がかかり地盤沈下も収まった
(4)津波や高潮、洪水などの水害と地震による液状化現象に対し脆弱であり、被害軽減のために前者は高い堤防を設ける、後者は地盤の強度を高めることが有効な対策となる
設問B
(1)A市は商業が盛んであった市街地、山間部は集落が谷に立地するため影響が少ない尾根に境界が設定された
(2)労働者の職場が多く立地し、昼間人口が増加しただけであるため、人口はわずかの増加になった
(3)人口集中地区が行政の中心になることにより、主に政策も都心部向けになり山間部では様々なサービスを受けにくくなる問題がある
〈一言感想〉
設問Bはかなり時間がかかってしまいました。
- 2021.03.27 09:32
- やす
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