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2021.03.11
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コメント
>東大 2020 第一問
>設問A
>(1)前者はなだらかだが後者は急峻。後者は内的営力による造山運動で高くなったが雨などの外的営力にさほど侵食されなかったから。(60/60)
なるほど、これは上手いですね。とてもわかりやすいです。字数が60字しかありませんので、詳しい説明はできません。このレベルの内容で十分合格圏です。
あえて言えば、本文ではX山地にふれる必要はなく、あくまでY山地のみにターゲットを絞って述べれば、それで条件は満たされたわけですよね。
私も書いてみました。
「プレートの活動や断層運動による内的営力で形成された高峻な地形。外的営力である風雨や河川による侵食はさほど進行していない。(60字)」
Y山地は四国山地だと思われます。南海トラフ(プレート境界)に近く、また島内を中央構造線が横断しています。ただし、火山はみられないのでこれに付いての記述は外しています。
>(2)z山脈は火山により形成された山脈で、造山運動が活発だから。(26/30)
正解です。本文は「火山」のみ言及できれば良かったでしょう。おそらくこれで満点とは思いますが、ちょっと気になったところを。「造山運動」はあくまで新期造山帯や古期造山帯などスケールの大きな地形に関して当てはまる言葉で、日本の個々の山脈や山地の形成についてはふさわしい言葉とは思えません。単に「険しい地形が形成された」などの表現で十分だったと思いますよ。
私も書いてみました。
「火山が多く分布し、激しい地殻変動により急峻な地形となった。(29字)」
こういった形でしょうか。
>(3)戦後の食糧難で、食糧管理制度による米の増産が図られたから。(30/30)
いいですね、八郎潟干拓地ですね。「食糧管理制度」は、政府が一定価格で米を買い取る制度のことですから、ここでは述べる必要はなかったと思います。単に「戦後の食糧難で、米の増産が必要だった。」だけで問題ないでしょう。
>(4)cでは水持ちのいい沖積平野が広がり、耐寒性の品種の稲作が行われる。dでは水はけのいい大地が広がり、畑作や酪農が行われる。(60/60)
とてもいいですね。「沖積平野」はキーワードです。もう少し「農業形態の特徴」についても言及できればよかったかもしれません。
「cの沖積平野では品種改良された米の大規模栽培。夏季冷涼のdでは台地で大規模機械化による根菜の栽培や酪農など。(54字)」
「大規模」や「機械化」ぐらいしか言葉を入れられませんでしたが、一応、農業形態の特徴には触れてみました。
>(5) 5×10^1倍
>設問B
>(1)県内に山地があるため、林野面積が大きく、平野部の面積が小さい。結果として可住地面積の割合が低い。(49/60)
いいですね。こちらで満点回答だと思いますよ。
私も書いてみました。
「ともに西南日本外帯に位置し、山地が面積の大半を占める。限られた可住地に集中して人々が居住している。(49字)」
こ和歌山県と高知県の共通項として、両県がともに「西南日本外帯」に位置し、険しい地形がみられるという特徴があります。こちらをキーワードとして用いてみました。
>(2)資源は水。瀬戸内海に面する香川県では降水量が少なく、山がちで利水しにくく水を供給しにくいが、人口密集する讃岐平野で水の需要が高いから。高知県は太平洋に面し、多雨で水が得やすいから。(90/90)
いい文章ですね。90字と字数制限が長いので、余裕をもって説明できたと思います。とてもわかりやすいですよ。
私も書いてみました。
「水。瀬戸内地方の香川県は少雨だが、人口稠密であるため生活用水や農業用水、さらに工業も発達し、水の需要が大きい。太平洋に面する高知県は多雨だが、人口密度は低く水の需要は大きくない。(89字)
あまりうまい文章ではありませんが、意味は通じると思います。水の使いみち(生活、農業、工業)にも言及してみました。
> (3)長野県は高原にあり冷涼なため抑制栽培、茨城県は大消費地東京に近いため近郊農業で、共に利益の多い端境期に出荷するから。(60/60)
わるくありませんが「共に端境期」というのが気になりますね。東京都に出荷される野菜(葉物野菜)は原則として関東近県(茨城県など)が産地です。その茨城産の白菜やキャベツが出荷が減少する時期こそ「端境期」であり、かいさんの表現だとちょっとおかしいのがわかりますか?
・茨城県産の野菜の出荷が減る時期が、東京市場における端境期である。
・「茨城県産の野菜が端境期に出荷される」では辻褄が合っていないのですよ。「茨城県産の野菜の出荷が少ない時期(端境期)に、茨城県産の野菜が出荷される」では意味がわからない文章ですよね。
正しくは「長野県産の野菜が、茨城県産の野菜の端境期に出荷される」。こういう意味ですよね?
また本文は字数制限が60字と短くなっています。これに「地形」と「経済」の2つの要因を書かないといけないわけです。これは苦しいですよ。
私も書いてみました。
「年間を通じて出荷量の多いのは近隣で輸送コストの安い茨城県産だが、その端境期には高原の冷涼な気候で栽培された長野県産が市場に出回る。(65字)」
経済的要因は「輸送コスト」であり、地形は「高原」です。5文字ほどオーバーしていますので、ちょっと調整しないといけませんが、おおよそこういった形だと思います。
「抑制栽培」や「近郊農業」というキーワードを入れることができなかったのが残念ですが、意味は通じるかと思います。
全体としてとても良く書けています。ほとんど問題はありません。とくに90字という余裕のある字数制限を与えられた場合の論述力には特筆するものがあります。なかなか他の受験生に真似できるものではありません。自分の強みとしてください。
さらに論述演習を続けていきましょう。
- 2021.03.31 10:15
- たつじん
東大 2020 第一問
設問A (1)前者はなだらかだが後者は急峻。後者は内的営力による造山運動で高くなったが雨などの外的営力にさほど侵食されなかったから。(60/60)
(2)z山脈は火山により形成された山脈で、造山運動が活発だから。(26/30)
(3)戦後の食糧難で、食糧管理制度による米の増産が図られたから。(30/30)
(4)cでは水持ちのいい沖積平野が広がり、耐寒性の品種の稲作が行われる。dでは水はけのいい大地が広がり、畑作や酪農が行われる。(60/60)
(5) 5×10^1倍
設問B
(1)県内に山地があるため、林野面積が大きく、平野部の面積が小さい。結果として可住地面積の割合が低い。(49/60)
(2)資源は水。瀬戸内海に面する香川県では降水量が少なく、山がちで利水しにくく水を供給しにくいが、人口密集する讃岐平野で水の需要が高いから。高知県は太平洋に面し、多雨で水が得やすいから。(90/90)
(3)長野県は高原にあり冷涼なため抑制栽培、茨城県は大消費地東京に近いため近郊農業で、共に利益の多い端境期に出荷するから。(60/60)
添削よろしくお願いします!
- 2021.03.29 20:44
- かい
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