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2021.06.19

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すでにお申し込みされている添削メンバーの方のみ投稿ください(メンバー募集は4月で終わっています。追加募集の予定はありません)。最低、月に1回の投稿がノルマです。これが無き場合は登録取り消しになりますので、ご注意ください。

コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性があります。その際は他のフォームに再投稿していただけますでしょうか。お手数ですが、よろしくお願いいたします。(従来のDMによるお問い合わせは取りやめといたしました。ご理解くださいませ)

コメント

では添削いたします。

>東大地理 2009年度第3問(日本の産業と人口と変化)

>設問A
(1)
a・・・医療業
b・・・食料品製造業
c・・・輸送用機械器具製造業
d・・・情報サービス業
e・・・宿泊業

非常に難しかったと思いますが、よくできています。適切です。

>(2)高齢化が進んだため、福祉関連の雇用が増加したから。また、公共事業の削減に伴って雇用が減少したから。(49字)

いいですね。一見すると分量的に物足りない印象もありますが、設問の問いかけに対して、明確な回答になっています。悪くないと思いますよ。

本問については、総合工事業の減少について答えさせるという点がおもしろかったですね。仰せの通り、これは国の工業事業費の削減が主な原因ですね。それまでの日本では、道路や施設など地方を対象とした公共事業が盛んに行われていました。これは「バラマキ」と批判されたこともありますが、地方へとお金を回すためには実は有効な経済対策でもあったのです。

そもそも「総合工事業」という言い方がわかりにくいですもんね。我々からすると、建設だけでなく、土木も含まれるのだなとピンとくるのです。

同様に我々年代ですと、かつては公共事業によって地方の経済活性化が行われていたことを知っており、さらにそれらが地方への「ばら撒き」と揶揄されたり、「ハコモノ」と呼ばれた公共施設の利用者が少ないことを批判されたりなどの状況も見聞きしていますからね。

かつての自民党政権は「地方」の農村票が支持の基盤でした。ゆえに地方へとふんだんに予算を割き、それは公共事業費の拡大によって表されました。しかし21世紀の日本においては東京への一極集中が顕著になり、地方が顧みられることが少なくなりました。こういった背景が「総合工事業」の縮小につながっているような気もしますね。

とはいえ、いずれにせよ「地理」の範囲からは逸脱している印象です。細かい理解は不要でしょう。

>設問B
地方圏であるB県の年齢構成は高齢者が多い。そのため、公共サービスの需要は高いが、産業が未発達であるため財政が圧迫している。だから、市町村合併を行うことで財政を賄うためである。(87字)

こちらも上手いですね。全く問題がありません。正確には「財政が圧迫されている」とするべきでしょうが、もちろん現状のままでも意味は通じますので、問題ありません。

私も書いてみました。

「地方圏のB圏の人口構成は高齢者に偏り、経済を支える若年労働者の割合が低く財政基盤が弱い。公共サービスの拡充と財政健全化を目指し、中心市による周辺町村の編入や市町村合併が進行した。」(89字)

「若年労働者が少ない」ことにも言及しています。根本的な疑問として、合併したところで人口構成が変化するわけでもなく、果たして問題解決につながるのかということもあるのですが、本問ではそこまで厳密な回答は求めていないようですね。あっさりとまとめてしまえばそれで十分だったでしょう。

>設問C
>(1)
ア・・・郊外
イ・・・都心
ウ・・・中間

いいですね。非常に「モダン」な問題と思います。2010年代以降の日本の社会情勢をうまく示した問題です(もっとも、本問の出題は2009年ではありますが)。現代の日本の人口変化の特徴は、「郊外のニュータウンにおける高齢化の進行」と「都心への人口回帰」ですからね。トレンドに沿っています。

>(2)都心では、1985年から1995年まで生産年齢人口は減少していたが、都心の再開発に伴って住宅供給が増加した。そのため、両者ともに人口が増加した。郊外では、ニュータウンなどが発達し、生産年齢人口は継続的に増加した。そのため、高齢化が進み老年人口が増えた。(120字)

前半で「都心」について、後半で「郊外」について、それぞれ60字程度で説明しています。組み立てとしては完璧です。

内容について検討しましょう。

>都心では、1985年から1995年まで生産年齢人口は減少していた

これは問題ないでしょう。ただ、よく見るとイの老年人口もどちらかといえば減少しているようです。もちろん「生産年齢の減少」を大きく取り上げるのは正解なのですが、全体としても都心人口は減少傾向にあったことは意識しておいてください。

>が、都心の再開発に伴って住宅供給が増加した。

この指摘は正しいと思います。

>そのため、両者ともに人口が増加した。

ここはちょっと難しいのです。高齢者の増加については新たに流入したのではなく、年月を経て従来から居住していた人々が「高齢」に差し掛かったからではないでしょうか。再開発で住宅供給がなされ、そこに新規に転居してきた人々は若年層(生産年齢)が中心なのでは。

>郊外では、ニュータウンなどが発達し、生産年齢人口は継続的に増加した。

難しいですね。「継続的」とありますが、生産年齢人口が増えたのは1995年までで、それ以降は減少しています。もちろん全体としては増えているのですから増加について言及するのは正しいのですが、ここは「継続的」という言葉は外しておくべきだったとは思います。

>そのため、高齢化が進み老年人口が増えた。

この「そのため」がわからないんですよね。「生産年齢人口が増えたから、老年人口が増えた」って意味に取れるのです。これ、意味的には誤っていますよね。

長文(120字)ですので、ゆっくり丁寧に説明する余裕はあったはずです。自分の考えている内容を正確に伝えてください。

以下のように、順を追って丁寧に思考を進めましょう。

それぞれのグラフの動きから都心と郊外の特徴について考察してみます。

ア(郊外)については、生産年齢人口も老年人口も1980年以降増加しています。しかし、生産年齢人口は1995年から停滞そして減少しているのに対し、老年人口は伸び方がさらに急になっています。

イ(都心)についてはトータルとして人口が減少し続けてきました。しかし、2000年以降は人口が増加し、とくに生産年齢人口の伸び方は顕著です。

ウ(中間)はおそらく地方都市などでしょう。非大都市圏に位置する。人口に大きな変化はありませんが、日本全体の人口動態の特徴である「微減」「老年人口の増加」をそのまま反映しています。本問ではこの「中間」の人口動態は問われていないので、あくまで参考というかたちです。

以上を考慮して、さらに考えを進めていきます。

都心(イ)と郊外(ア)の典型的な人口動態は以下のとおりです。

都心・・・最初は人口が減少しているが、現在は急増。
郊外・・・人口は増加しているが、現在は高齢者の割合が高まっている。

その原因について「住宅供給」と合わせて考えてみます。都心では、まず高い地価によって人口が減少していたものの、現在は「再開発」により多くの集合住宅が建設されたことが背景にあるはずです。郊外ではニュータウンの建設でしょうか。ただしそれは本図から考えるに1980年代までが中心であり、現在は住民構成の高齢化が際立ちます。

まず都心から。

「都心では高地価で人口が郊外に流出したが、近年は再開発によって多くの集合住宅が建設され、とくに若年層の人口流入が目立つ。」(59字)

さらに郊外について。

「郊外ではニュータウン建設によってとくに若い世代の入居が多かったが、現在は年齢構成の上昇により高齢者が増加している。(57字)

どうでしょうか。とくに難しい言葉は使っていませんが、無理のない説明にはなっていると思います。120という長い文章ですが、トピックを分化させ、さらに「出題者が求める内容」を意識して(今回は「住宅」ですね)文章を構築するのがコツです。

2つの文をあわせて、以下のようになります。

「都心では高地価で人口が郊外に流出したが、近年は再開発によって多くの集合住宅が建設され、とくに若年層の人口流入が目立つ。郊外ではニュータウン建設によってとくに若い世代の入居が多かったが、現在は年齢構成の上昇により高齢者が増加している。」(116字)

どうでしょうか。120字という長い文章ですが、トピックを分化させ、さらに「出題者が求める内容」を意識して(今回は「住宅」ですね)文章を構築するのがコツです。

  • 2021.06.27 12:27
  • たつじん

東大地理 2009年度第3問(日本の産業と人口と変化)

設問A
(1)
a・・・医療業
b・・・食料品製造業
c・・・輸送用機械器具製造業
d・・・情報サービス業
e・・・宿泊業

(2)高齢化が進んだため、福祉関連の雇用が増加したから。また、公共事業の削減に伴って雇用が減少したから。


設問B
地方圏であるB県の年齢構成は高齢者が多い。そのため、公共サービスの需要は高いが、産業が未発達であるため財政が圧迫している。だから、市町村合併を行うことで財政を賄うためである。


設問C
(1)
ア・・・郊外
イ・・・都心
ウ・・・中間

(2)都心では、1985年から1995年まで生産年齢人口は減少していたが、都心の再開発に伴って住宅供給が増加した。そのため、両者ともに人口が増加した。郊外では、ニュータウンなどが発達し、生産年齢人口は継続的に増加した。そのため、高齢化が進み老年人口が増えた。


添削よろしくお願いします。

  • 2021.06.24 11:11
  • のい

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