ブログ
2021.06.26
投稿フォーム416
すでにお申し込みされている添削メンバーの方のみ投稿ください(メンバー募集は4月で終わっています。追加募集の予定はありません)。最低、月に1回の投稿がノルマです。これが無き場合は登録取り消しになりますので、ご注意ください。
コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性があります。その際は他のフォームに再投稿していただけますでしょうか。お手数ですが、よろしくお願いいたします。(従来のDMによるお問い合わせは取りやめといたしました。ご理解くださいませ)
コメント
では添削いたしますね。
>東京大学 2009年度
>第3問
>設問A
>(1)a – 医療業 b – 食料品製造業 c – 輸送用機械器具製造業 d – 情報サービス業 e – 宿泊業
いいですね。適切です。「福祉・介護の対象者の増加」により「医療業」の値が大きくなっている点にとくに注目してください。
>(2)福祉系は人手を必要とするので高齢化により従業員の需要が上昇。一方、機械の性能向上と工事減少で土木系の雇用が減ったから。(59字)
いいですね。とてもわかりやすいですよ。自分なりの考えを、自分なりの言葉でしっかり表現できています。合格圏の解答です。
土木の工事減少の背景として、公共事業が減ったことがあるのですが、とくにそれに言及する必要はないでしょうね。
同様に我々年代ですと、かつては公共事業によって地方の経済活性化が行われていたことを知っており、さらにそれらが地方への「ばら撒き」と揶揄されたり、「ハコモノ」と呼ばれた公共施設の利用者が少ないことを批判されたりなどの状況も見聞きしていますからね。
かつての自民党政権は「地方」の農村票が支持の基盤でした。ゆえに地方へとふんだんに予算を割き、それは公共事業費の拡大によって表されました。しかし21世紀の日本においては東京への一極集中が顕著になり、地方が顧みられることが少なくなりました。こういった背景が「総合工事業」の縮小につながっているような気もしますね。
とはいえ、「地理」の範囲からは逸脱している印象です。書ききれなかったとしても無理はないでしょう。
>設問B
>
地方圏は若者が離れたことで年齢構成が高齢者寄りになった。社会保障費が膨れ、行政の運営が厳しくなったため、公共サービスをまとめて効率を上げることで財政を安定させようとしたから。(87字)
なるほど、これもいいですね。わかりやすいです。ゆうさんは文章によって自分の意図を伝えるのがうまいですね。国語(現代文)的な「文章の巧みさ」ではないのですが、自分の考えていることを適切に読み手に伝える技術が十分に備わっていると思います。とてもいいと思います。
私も書いてみました。
「地方圏のB圏の人口構成は高齢者に偏り、経済を支える若年労働者の割合が低く財政基盤が弱い。公共サービスの拡充と財政健全化を目指し、中心市による周辺町村の編入や市町村合併が進行した。」(89字)
「中心市による周辺町村の編入」とは要するに「市町村合併」のことなのですが、あえて分けて書いてみました。「公共サービスの拡充」については「効率化」とした方が良かったかも知れませんが、とりあえずこちらの形にしています。また「財政健全化」としていますが、ゆうさんのように「財政を安定」でももちろん構いません。
>設問C
>(1)ア – 郊外 イ – 都心 ウ – 中間
いいですね。非常に「モダン」な問題と思います。2010年代以降の日本の社会情勢をうまく示した問題です(もっとも、本問の出題は2009年ではありますが)。現代の日本の人口変化の特徴は、「郊外のニュータウンにおける高齢化の進行」と「都心への人口回帰」ですからね。トレンドに沿っています。
>(2)都心は建物の老朽化で生産年齢人口が流出し老年人口が残ったが、地価の低下でマンションなどの住宅供給が増えて全年齢が増加した。郊外は都心に比べて地価が安く、ニュータウンに全年齢が移住してきたが、今は移住が減り老年人口の増加が目立つ。(114字)
なるほど、こちらもわかりやすいです。わかりやすいだけに、ちょっと惜しかったという点も目立ちます。
まず前半については都心の人口変化について論じていますが、ラストがちょっと弱いです。「全年齢が増加した」とありますが、たしかに高齢者も増えているとはいえ、特に目立つのは生産年齢人口の方ではないでしょうか。高齢者については経年によって従来の居住者がそのまま高齢に達したということも考えられます。住宅供給により新規に転入してきた人たちは若い世代なのではないでしょうか。
さらに後半ももうちょっと説明できたかと。「移住者が減り、老年人口の増加が目立つ」とありますが、「移住者が減る→老人が増える」という部分の因果関係がわかりません。年月を経て、住民が高齢化するということでしょうか。それならばその旨をはっきりと示さないといけません。
順を追って考察しましょう。
ア(郊外)については、生産年齢人口も老年人口も1980年以降増加しています。しかし、生産年齢人口は1995年から停滞そして減少しているのに対し、老年人口は伸び方がさらに急になっています。
イ(都心)についてはトータルとして人口が減少し続けてきました。しかし、2000年以降は人口が増加し、とくに生産年齢人口の伸び方は顕著です。
(ウ(中間)はおそらく地方都市などでしょう。非大都市圏に位置する。人口に大きな変化はありませんが、日本全体の人口動態の特徴である「微減」「老年人口の増加」をそのまま反映しています。本問ではウについては問われていませんので、考慮の必要はありません。)
アとイのそれぞれの人口動態を観察してみましょう。
都心・・・最初は人口が減少しているが、現在は急増。
郊外・・・人口は増加しているが、現在は高齢者の割合が高まっている。
その原因について「住宅供給」と合わせて考えてみます。都心では、まず高い地価によって人口が減少していたものの、現在は「再開発」により多くの集合住宅が建設されたことが背景にあるはずです。郊外ではニュータウンの建設でしょうか。ただしそれは本図から考えるに1980年代までが中心であり、現在は住民構成の高齢化が際立ちます。
「都心では高地価で人口が郊外に流出したが、近年は再開発によって多くの集合住宅が建設され、とくに若年層の人口流入が目立つ。」(59字)
「郊外ではニュータウン建設によってとくに若い世代の入居が多かったが、現在は年齢構成の上昇により高齢者が増加している。」(57字)
どうでしょうか。とくに難しい言葉は使っていませんが、無理のない説明にはなっていると思います。120という長い文章ですが、トピックを分化させ、さらに「出題者が求める内容」を意識して(今回は「住宅」ですね)文章を構築するのがコツです。
上記の2つの文を並べて、解答としてみました。
「都心では高地価で人口が郊外に流出したが、近年は再開発によって多くの集合住宅が建設され、とくに若年層の人口流入が目立つ。郊外ではニュータウン建設によってとくに若い世代の入居が多かったが、現在は年齢構成の上昇により高齢者が増加している。」(116字)
こういった形でしょうか。
ただ、逆に言うならば、ゆうさんの文章がわかりやすかったからこそ、かえって論理の破綻が目立ったということなのです。わかりやすい文章を書く技術はかなり高いと思いますよ。自信を持って、いろいろな問題にチャレンジしてみましょう。
- 2021.06.28 20:51
- たつじん
東京大学 2009年度
第3問
設問A
(1)a – 医療業 b – 食料品製造業 c – 輸送用機械器具製造業 d – 情報サービス業 e – 宿泊業
(2)福祉系は人手を必要とするので高齢化により従業員の需要が上昇。一方、機械の性能向上と工事減少で土木系の雇用が減ったから。(59字)
設問B
地方圏は若者が離れたことで年齢構成が高齢者寄りになった。社会保障費が膨れ、行政の運営が厳しくなったため、公共サービスをまとめて効率を上げることで財政を安定させようとしたから。(87字)
設問C
(1)ア – 郊外 イ – 都心 ウ – 中間
(2)都心は建物の老朽化で生産年齢人口が流出し老年人口が残ったが、地価の低下でマンションなどの住宅供給が増えて全年齢が増加した。郊外は都心に比べて地価が安く、ニュータウンに全年齢が移住してきたが、今は移住が減り老年人口の増加が目立つ。(114字)
よろしくお願いいたします。
- 2021.06.27 21:59
- ゆう
- 投稿フォーム415
- main
- 投稿フォーム417