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2021.06.30
投稿フォーム439
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コメント
では添削いたします。
>東大 2017年
>第1問
>設問A
>(1) 南東部にホットスポットがあり火山島が形成されるが、プレートが北西に移動するにつれ、温暖な水域のためサンゴ礁が発達する。(59字)
いいですね。本問の必須ワードは「ホットスポット」だったと思います。ここで形成された火山島がプレートの移動に伴って北西方向に移動していきます。サンゴ礁島の形成については簡単に触れるだけでいいでしょう。
できれば、火山島が移動する間に沈降あるいは侵食によって標高が下がっていった様子まで記述できればベストでしたね。
「ホットスポット上の火山島がプレートの移動に伴い北西に移動。沈降や侵食で標高が低下。長い年月で周囲にサンゴ礁が発達。」(57字)
このような形でしょうか。
>(2) 石灰岩質の土壌は農業に不向きであり、資源に乏しく、大市場からも遠く、国土が分散していることから工業化も困難であるから。(59字)
いいですね。限られた字数の中でいかに多くの内容を詰め込むかがポイントでした。
私はこう書いてみました。
「石灰岩質の土壌で穀物栽培に適さない。他大陸との距離が遠く工場の進出も困難。人口も少なく労働力が不十分。鉱産資源も乏しい。」(60字)
あるいはこういった形です。
「面積が小さく農業が振るわず、資源産出も少ない。遠隔地で人口が少ないため工場の進出もなく、先進国から投資も進まない。」(57字)
チョセイさんの解答に比べ、石灰岩質の土壌についての言及は避けています。石灰岩質の土壌はむしろさとうきびの栽培には適している場合もあります(熱帯の多くの島国ではさとうきびプランテーションが開かれていますね)。ここでは別の理由として「面積が小さい」ことを挙げています。
また工業化が進まないことについては、国土の分散より「人口が少ない」ことを挙げました。とくに人口が少ないことは相対的な賃金上昇(1人当たりGNIが高い)ことと関連し、労働集約型の工場が進出しないことの理由になりますよね。工場進出については「投資」という言葉も交え、説明してみました。
参考にしてください。
>(3) 基線から12海里の領海は沿岸国の主権が及んでおり、基線から200海里で領海の外側の排他的経済水域は、沿岸国に海洋資源の独占や環境保護の管理権があるが、他国の船舶の航行は自由である。(88字)
悪くありませんが、気になる点がいくつかあります。
まず「基線」がよくわかりません。何の「基本的な線」なのかがわからないのです。ここは単に「海岸線」でいいと思います。潮の満ち引きをふまえた書き方だとは思うのですが、そこまで厳密に答える必要はなかったかと。あるいはしっかりと「低潮位線」のように書くべきだったと思います。
また、これはチョウセイさんの癖なのですが、「一つの文はできるだけ長くするべきだ」と考えていませんか?これ、全く逆ですよ。文は可能な限り、短く切ってください。主述の関係が崩れることがありますし、修飾と被修飾の関係が複雑になり、文章がわかりにくくなります。
ここでは「基線から200海里で領海の外側の排他的経済水域は」の部分がわかりにくいのです。そもそも「領海」については言及されていませんよね。
「海岸線から12海里までが領海。領海の外側で海岸線から200海里までが排他的経済水域。排他的経済水域は沿岸国に海洋資源の独占権や環境保護の管理権がある。他国の船舶の航行は自由。」(87字)
どうですか?わかりやすいと思いませんか?文章もシンプルで、書きやすいとも思います。高度な文章テクニックを使った結果、わかりにくい文章になってしまったら、こんなに馬鹿らしいことはありませんよね。簡単な文章で書くからこそ、わかりやすく伝わるのです。これを一つのテクニックとして頭に入れておきましょう。
なお、私はこのように書いてみました。
「領土の海岸線から12海里の範囲が領海で自国の主権が及ぶ。排他的経済水域はその外側の200海里までの範囲で、資源開発や環境保全において独占的権利を有する。外国船の航行は可能。」(83字)
こういった感じでしょうか。「環境」という言葉が使いにくく、どうもしっくり来ませんが、このような使い方が限界だったかなと(減点されるかも知れませんが)
>(4) a―南鳥島 b―沖ノ鳥島
いいですね。正解です。
>(5) 南西諸島は台風や梅雨前線の影響で降水量が多いのに対し、小笠原諸島は高気圧が卓越する小笠原気団の影響で晴天が多いから。(58字)
こちらもとてもいいですね。問題ありません。
「高気圧が卓越する小笠原気団」については「高気圧である小笠原気団が卓越し(影響が強く)」の方が適切だったと思いますが、とくに細かい文章力が問われているわけでもありませんから問題ないでしょう。
なお、私はこのように書いてみました。
「南西諸島は台風の通り道であり、更に梅雨前線の勢力も及び多雨。小笠原諸島は太平洋高気圧の小笠原気団の影響が強く比較的少雨。」(60字)
要するに「南西諸島=台風・梅雨前線」であり「小笠原諸島=小笠原気団」ですが、それぞれ表現を工夫しています。また、小笠原諸島については決して極端に雨が少ないわけでもないので「比較的少雨」という言い方にしてみました。
>設問B
>(1) a―赤道 b―南回帰線 c―北極線
>(2) U字谷が沈水し形成されたフィヨルドは細長い入江が連続する。(29字)
いいですね。キーワードが巧みに配列されています。
>(3) a島は熱帯低圧帯下の高温多湿な気候を利用して油ヤシなどのプランテーション農業を行うが、b島は貿易風帯で島内での降水量に差異があることから、米やコーヒー豆などの作物が栽培される。(88字)
これは色々な書き方ができた問題だったと思います。前半でaについて述べ、後半でbについて述べるという形ができていますね。ところで、前半と後半を「が」でつないでいますが、これは不要ですよね。逆説の意味(しかし、だが)ではありませんし、ここはシンプルに文を二つに切った方がいいと思いますよ(常に文章を短くするクセをつけておいてください)。
なお、「熱帯低圧帯」という言葉はありませんよ。お気をつけを。「熱帯収束帯」、「赤道低圧帯」、「低緯度低圧帯」、「赤道無風帯」のいずれかですね。
私はこのように書いてみました。マダガスカルは世界的なバニラビーンズの産地です。
「aは熱帯雨林に覆われ林業が発達する他。油ヤシの栽培も。新期造山帯に含まれ原油の産出も多い。bは南東貿易風の影響で多雨となる東部で米作が発達。バニラビーンズなど商品作物の栽培も。」(88字)
よかったら参考にしてくださいね。
- 2021.07.31 18:58
- たつじん
東大 2017年
第1問
設問A
(1) 南東部にホットスポットがあり火山島が形成されるが、プレートが北西に移動するにつれ、温暖な水域のためサンゴ礁が発達する。(59字)
(2) 石灰岩質の土壌は農業に不向きであり、資源に乏しく、大市場からも遠く、国土が分散していることから工業化も困難であるから。(59字)
(3) 基線から12海里の領海は沿岸国の主権が及んでおり、基線から200海里で領海の外側の排他的経済水域は、沿岸国に海洋資源の独占や環境保護の管理権があるが、他国の船舶の航行は自由で
ある。(88字)
(4) a―南鳥島 b―沖ノ鳥島
(5) 南西諸島は台風や梅雨前線の影響で降水量が多いのに対し、小笠原諸島は高気圧が卓越する小笠原気団の影響で晴天が多いから。(58字)
設問B
(1) a―赤道 b―南回帰線 c―北極線
(2) U字谷が沈水し形成されたフィヨルドは細長い入江が連続する。(29字)
(3) a島は熱帯低圧帯下の高温多湿な気候を利用して油ヤシなどのプランテーション農業を行うが、b島は貿易風帯で島内での降水量に差異があることから、米やコーヒー豆などの作物が栽培される。(88字)
- 2021.07.28 20:39
- チョウセイ
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