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2021.06.30
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コメント
では添削いたします。
>東大地理 2008年度第2問(鉄鋼業と環境問題)
設問A
(1)ア・・・日本
イ・・・アメリカ
ウ・・・ドイツ
エ・・・中国
オ・・・韓国
いいですね。鉄鋼生産は統計の基本です。確実に知っておきましょう。現在はインドが上昇していますね。
>(2)エ国は、小規模で設備が老朽化しており、製造技術も低い。また、原燃料は自国で産出された低品質の石炭や鉄鉱石がを主に使用している。オ国は、大規模で最新の設備を保有しており、製造技術が高い。使用る石炭や鉄鉱石は、高品質なものを輸入している。
いいですね。とてもわかりやすいですよ。エ国とオ国を対照的に説明しています。120字と制限字数は長いですが、60字の文章を2つ書くと覆えばそうでもありませんよね。
とてもいいですね。字数制限が長いので、できるだけ多くのトピックを含めることが重要だったと思います。
私も書いてみました。
「エ国は老朽化した旧式の製鉄所が多く生産性が低い。燃焼効率の悪い国内産の低品質の石炭に依存する割合が高い。オ国は最新鋭の臨海型製鉄所が中心で生産性が高い。国内資源が乏しく、石炭は高品質の海外産に依存している。」(103字)
現在は中国も資源の一部を輸入に依存するようになっていますが、おおまかな傾向としては変わらないと思います。韓国は日本同様に、資源自給率が極めて低い国です。
>設問B
(1)設備の老朽化や韓国などの新興国の台頭により鉄鋼業は衰退した。それに代わって、ハイテク産業が発展し始めた。
「新興国の台頭」という言い方がいいですね。ピッツバーグの鉄鋼業が衰退したのは1970年代ごろですので、この時期に成長した韓国(韓国の高度経済成長は1970〜90年代)を取り上げるのは適当です。後半の説明も「ハイテク産業」で十分でしょう。具体的にはバイオテクノロジーなど挙げられます。
「炭田に近接した鉄鋼業」→「石油危機や国内鉄鉱石資源の枯渇、産業構造の転換により鉄鋼業が衰退」→「再開発」→「バイオテクノロジーなど先端産業の集積」という流れをチェックしておきましょう。
>(2)中心地区の人口が減少し、周辺地区へと流出した。
いいでしょう。とくに問題ないかと思います。「市街地面積の拡大」に言及しても良かったかなと思います。
私も書いてみました。
「中心地区から周辺地区へと人口が流出し、郊外化が進んだ。」(27字)
「郊外化」という言葉を使ってみました。郊外の開発が活発になされ、周辺地域の都市化が進みました。
>(3)鉄鋼業が盛んだった頃は、エネルギーを多量に消費し、大気汚染などはひどかった。しかし、先端科学産業が発展したことで、エネルギーの消費量は減少した。また、人口が分散されたこともあって環境問題は改善された。
なるほど、わかり易い言葉で確実に考えが伝えられており、わかりやすい文章になっています。とてもいいと思いますよ。
ただ、もう少し言葉を工夫してみても良かったと思います。
例えば「エネルギー」は具体的には石炭ですよね。石炭は燃料効率が悪いことから二酸化炭素を大量に排出し、さらに硫黄酸化物も排出することで酸性雨の原因になりなす。「石炭」あるいは「化石燃料」とするべきでしょう。
また「ひどかった」にしても「深刻だった」のように書けたと思います。もう少し文章表現に工夫が必要です。
さらに二つ目の理由である「また」以降がちょっと弱いのです。「人口が分散された」ことがなぜ環境問題の改善につながるのでしょう。言葉を加えて欲しかったところです。
「産業構造の変化で化石燃料の消費量が減少し、硫黄酸化物など大気汚染物質の排出量も減少。人口が分散したことで都心部の過密が解消され交通渋滞が減るなどして、排ガスによる大気汚染が緩和。」(89字)
どうでしょうか。あえて上手い文章にしませんでしたが、意味は十分に伝わりますよね。こういったことが言いたかったのではないですか。
書くコツを教えますね。
文字数は90字です。ただ、90字で一つのトピックを答えることは東大論述では稀なことです。必ず複数のトピックを答える問いかけになっているはずです。本問ならば「産業構造の変化がエネルギー消費および環境問題にどのような変化をもたらしたか」、「市街地の広がりの変化がエネルギー消費および環境問題にどのような変化をもたらしたか」、この二つですね。
・産業構造の変化→化石燃料の使用量の減少→硫黄酸化物の排出減少
まずはこのようにかんがえてみました。のいさんはここで「鉄鋼業が衰退し、先端技術産業へと転換した」ということも文章に含めていますが、これは決して「回答」ではありませんよね。出題者が求める内容ではないはずです。そのような「産業構造の変化」は分かりきっていることなのです。それによってどういったことが生じたのかを書いて欲しいのです。もちろんここでは、石炭などの消費が減少し、大気汚染物質の排出も減ったことを述べるのです。
さらに二つ目のトピックはこうです。
・人口の分散→過密解消と渋滞の緩和による排ガスの減少→大気汚染の緩和
これも納得の道筋ですよね。「渋滞の緩和」ではエネルギー消費についての説明としては弱いとは思いますが、渋滞がなくなり車の走行がスムーズになれば目的地まで短時間で到着することになり、結果としてエネルギー効率はよくなるはずです。単純に、排ガスによる大気汚染もなくなりますよね(排ガスには酸性雨の原因物質の窒素酸化物も含まれます)。
のいさんの解答では「人口が分散されたこともあって環境問題は改善された」となっているのですが、なぜそうなるのか示されていないのですよ。
例えば「都心部の過密解消」の一言だけでもあれば、印象はかなり違ったと思いますよ。字数的に考えて、細かいところまで説明することはできません。しかし地理は「理論」科目なのです。あくまで「原因→結果」の因果関係を説明しないといけません。常に「○○だから、こうなる。だから●●になるのだ」といったような「つながり」を意識してくださいね。
- 2021.07.13 15:01
- たつじん
東大地理 2008年度第2問(鉄鋼業と環境問題)
設問A
(1)ア・・・日本
イ・・・アメリカ
ウ・・・ドイツ
エ・・・中国
オ・・・韓国
(2)エ国は、小規模で設備が老朽化しており、製造技術も低い。また、原燃料は自国で産出された低品質の石炭や鉄鉱石がを主に使用している。オ国は、大規模で最新の設備を保有しており、製造技術が高い。使用する石炭や鉄鉱石は、高品質なものを輸入している。
設問B
(1)設備の老朽化や韓国などの新興国の台頭により鉄鋼業は衰退した。それに代わって、ハイテク産業が発展し始めた。
(2)中心地区の人口が減少し、周辺地区へと流出した。
(3)鉄鋼業が盛んだった頃は、エネルギーを多量に消費し、大気汚染などはひどかった。しかし、先端科学産業が発展したことで、エネルギーの消費量は減少した。また、人口が分散されたこともあって環境問題は改善された。
添削よろしくお願いします。
- 2021.07.07 14:25
- のい
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