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では添削いたします。

＞2015年度　第一問設問A

＞(1)当時盛んであった養蚕業で必要な桑を栽培するために高燥で水が得にくい東部は桑畑として、一方日本の主食として需要のある米を収穫するために水が得やすい低地は水田として利用していた。

いいですね。ただ、結びは「利用されていた」ですね。とくに文章表現で減点となることはないと思うのですが、気をつけてくださいね。

本問のポイントは「自然的」と「社会的」について述べることです。

「台地東部。高燥で水が得にくく桑畑として利用。当時の日本では絹織物の生産が多く養蚕業も発達。蚕の飼料として桑を栽培。低地は稲作。低湿な地形で水田に適する。米は主穀として需要が大きい。（９０字）」

文章の乱れを防ぐならば、極端ですが、このように単語を書き連ねるようなイメージで文章を構築するという技術も有効です。

＞(2)灌漑用水路を作り、水路より標高が低い東部の一部の地域に水を引くことが可能になったので、桑畑から水田へと変化した。

なるほど、いい解答です。ただ、ちょっと気になるのは「水路」ですね。これは、その前に出ている「灌漑用水路」のことなのでしょうか。「その水路」などとして同じものであることを明確にしておかないとちょっとわかりにくいかと思います。

また分量的に余裕があるので、固有名詞（図中の言葉をそのまま）を用いてしまってもよかったかなとは思います。

私も書いてみました。

「西天龍水路が設けられた。この水路を用いた灌漑によって、これより標高の低い台地東部の土地利用が桑畑から水田に変化した。」（５８字）

「この水路」や「これより」など指示語を多様しています。読み手に誤解を与えないよう、くどいぐらいに説明の厚い文章にしてくださいね。

＞(3)高速道路の開通により大都市への移動が簡単にできるようになったため低地は水田から住宅地や工場に変化した。高速道路の開通に加えて養蚕業が衰退したため台地は桑畑から畑や果樹園に変化した。

正確には「高速道路」ではなく「自動車専用道路」ですが、どうなんでしょうね。過去問集の模範解答は「高速道路」としていますが、私としてはちょっと気にはなります。

「簡単」という部分も「容易」とするか、「大都市へのアクセスが改善され」などのように、もう少し気の利いた表現もできたかなとは思いますよ。

文章を二つに切っている点は適切ですし、二つ目の文で重ねて「高速道路」を取り上げている点も問題ありませんが、ただ、その内容として「〜に加えて」ならば、とくに触れる必要はなかったかなとも思います。この部分はもうちょっと工夫が必要だったのでしょう。

「自動車専用道路の開通で大都市へのアクセスが容易となり、低地では都市化が進み住宅地が増えた。同じく交通手段の整備で大都市への農産物の出荷が容易となり、台地では畑地や果樹園が増えた。」（８９字）

後半部分では都市への野菜や果樹の出荷について言及しています。おそらくこういったことが言いたかったのではないでしょうか。９０字という字数制限は一見すると余裕があるように思えますが、２つの内容（低地と台地）を書くならば、一つ一つの文は４５字となり、やや苦しい字数となります。書くべき内容を定めて、整理することが大切ですね。

ちなみに。。。

投稿フォームのナンバーをみればわかるように、すでにこちらのサイトでは５００近い解答を添削しており、もちろん重複している問題も多いのですが、この２０１５年第１問は「初登場」でした。偶然なのかも知れませんが、地形図を含みちょっととっつきにくい印象があるため、多くの受験生が解答を避けていたのかも知れませんね。こういった問題にあえてチャレンジしたことは素晴らしいと思いますよ。

2015年度　第一問設問A

(1)当時盛んであった養蚕業で必要な桑を栽培するために高燥で水が得にくい東部は桑畑として、一方日本の主食として需要のある米を収穫するために水が得やすい低地は水田として利用していた。

(2)灌漑用水路を作り、水路より標高が低い東部の一部の地域に水を引くことが可能になったので、桑畑から水田へと変化した。

(3)高速道路の開通により大都市への移動が簡単にできるようになったため低地は水田から住宅地や工場に変化した。高速道路の開通に加えて養蚕業が衰退したため台地は桑畑から畑や果樹園に変化した。

添削おねがいします。