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2021.08.10
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コメント
では添削いたします。
>2006年度 第一問設問C
>(1)ブラジルでは重工業中心の二次産業の割合が高いのに対し、エクアドルは一次産業、ペルーでは軽工業中心の二次産業の割合が高い。
いいのですが、「二次産業」や「一次産業」という言葉がありませんよ。それを言うなら「第一次産業」、「第二次産業」ですし、ここは不適当です。
おそらく「一次産品」という言葉を使いたかったのでしょうが、これは第一次産業や
第二次産業とは全く関係ありませんよ。
一次産品(こちらは「第」はつきません)とは、自然の状態からそのまま取り出した産品ということで、農畜産物と鉱産資源のことです。
なお「二次産品」という言葉はありません。
そーやさんの解答はこのように改めることができます。
「ブラジルは重工業製品が中心。エクアドルは農産物と鉱産物の一次産品が中心、ペルーは軽工業製品が中心。」(48字)
字数が少ないので、具体例を入れて、以下のようになります。
「ブラジルは金属製品や輸送機器など重工業製品。エクアドルは農産物や鉱産物の一次産品、ペルーは食料など軽工業製品と基礎金属。」(60字)
この機会に言葉の使い方を覚えましょう。
>(2)経済の自由化に伴い、企業が官営から民営に変化した。また、外国の企業を受け入れて自動車工業などの重工業を発展させた。
悪くありません。これで十分かと思いますよ。
やや不正確なところがあるので、修正しておきますね。
まず「官営」という言い方ですが、ちょっと古い気がしますね。たしかに時代的にはちょっと昔なのでこれでもいいかもしれませんが、より一般的な言葉(そして汎用性が高い言葉として)「国営」でいいかと思いますよ。「官営」とは日本史で登場する言葉ですかね?地理ではあまり聞いたことがない表現ですが。
さらに「官営が民営に変化した」こともちょっと私はブラジルについては思い当たらないのですが。。。これも例えば「官営」の八幡製鉄状が民間に払い下げられたという日本史の事例をなぞっているのでしょうか。どうなんでしょう?地理は日本史とは違う科目ですから、あまり日本史の知識に引きずられない方がいいと思いますよ。
さらに本問の場合、ブラジルの「産業構造」の変化ですよね。国営企業から民間企業への変化があったとしても、それは産業構造ではありませんよね。これは強調するべきことではないと思いますよ。
本問の場合、(1)の問題が「伏線」になっているわけです。ここで「第一次産業」が今でも中心になっている国が挙げられています。ブラジルにもかつてはそういう時代があったのでは?例えば昔は「コーヒーのモノカルチャー」だったのでは。それが多様な農産物の栽培を行い、さらに工業化を進め、モノカルチャーから脱し多角化に成功しているわけです。これは挙げるべきだったと思いますよ。
60字ですから「30字=1文=1トピック」に照らし合わせれば、2つのトピックが必要になります。一つは「外資の導入」をキーワードとし、一つは「モノカルチャーからの脱却」をポイントとして説明するのです。
「一次産品中心のモノカルチャーから脱却し、工業化を進めた。外資の導入により、輸送機械など重工業が発展した。」(52字)
例えば、簡単に書くならこれで十分だったわけです。
(発展)
実は本問で最大のキーワードとなったものは「輸出指向型」という言葉だったように思います。
ブラジルは「輸入代替型工業」から「輸出指向型工業」に転換した代表的な国です。
ブラジルは国内市場が大きいため(人口規模、GNIの規模)、国内での供給を満たすための工業化に力点が置かれ、これを輸入代替型といいます。インドもこれに該当しますね。
当初は国内企業を優遇し、生産活動を行っていました。しかし、これでは競争の原理が働かず、さらに大資本を投下することもできず、工業生産は停滞します。これを打破するために、外国企業の誘致を積極的に行い、外資を導入することで工業化を進めます。
工業生産力が国内の市場の規模を上回り、輸出を前提とした生産活動も行われることになります。「輸出指向型」ですね。
国内市場が小さい(人口が少ない。GNIが小さい)韓国やマレーシア、タイでは早い段階から輸出指向型の工業化が進みました。
これに対し、前述のようにブラジルやインドでは輸入代替型の工業化がなされることになります。しかし、経済のグローバル化が進む現代世界において、いつまでも国内市場にこだわっていたら経済が停滞します。今や世界中のどの国でも輸出指向型の工業化が進み、ブラジルとインドもその例外ではないのです。
「輸出指向型」という言葉は使い勝手のいい言葉ですので、これを使った文章に慣れておきましょう。
例えばこのようになります。
「内需中心の輸入代替型から外国の市場を意識した輸出指向型工業への転換。外資を積極的に導入し、重化学工業を発展させた。(57字)」
ブラジルについてはとくに「輸入代替型→輸出指向型」がキーワードとして使えますので、ぜひ知っておきましょう。
(さらに発展)
ブラジルと同様に「輸入代替型」工業から「輸出指向型」工業に転換した国としてインドがあります。
これは発展的な内容ですから覚える必要はありせんが、インドについては「混合経済体制」がキーワードになっています。「国営」の企業と「民間」の企業がともに並び、これらが「国内向け」の生産活動を行なっているのです。インドは名目上は社会主義国であり、国営企業による生産活動が行われているのですが、独立以前より民族資本による企業も多く、例えば自動車など総合的な工業で知られる「タタ」はその代表例ですね。「タタ財閥」です。
国内向けの生産活動は「輸入代替型」工業ですよね。インドも1990年代に入り、経済の自由化によって「輸出指向型」工業へと転換していきました。
こちらも知っておいてくださいね。
- 2021.08.19 02:11
- たつじん
2006年度 第一問設問C
(1)ブラジルでは重工業中心の二次産業の割合が高いのに対し、エクアドルは一次産業、ペルーでは軽工業中心の二次産業の割合が高い。
(2)経済の自由化に伴い、企業が官営から民営に変化した。また、外国の企業を受け入れて自動車工業などの重工業を発展させた。
添削お願いします。
- 2021.08.15 11:12
- そーや
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