ブログ
2021.08.19
480
すでにお申し込みされている添削メンバーの方のみ投稿ください(メンバー募集は4月で終わっています。追加募集の予定はありません)。最低、月に1回の投稿がノルマです。これが無き場合は登録取り消しになりますので、ご注意ください。
コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性があります。その際は他のフォームに再投稿していただけますでしょうか。お手数ですが、よろしくお願いいたします。(従来のDMによるお問い合わせは取りやめといたしました。ご理解くださいませ)
コメント
では添削いたします。
>東大地理 2007年度 第1問(ヨーロッパの自然環境と北欧の発電より)
>設問A
>(1)ア・・・U字谷、
イ・・・フィヨルド
ウ・・・酪農
エ・・・牧移
エは「移牧」の変換ミスでしょうか。移牧については「気候の季節変化」がポイントになりますね。
>(2)X・・・B
Y・・・A
Z・・・C
沿岸部との距離と年較差で判断しました。
いいですね。もちろん気温年較差がポイントですね。
>(3)欧州北部の氷河が解け、海面が上昇した。そのため、氷期の海岸線は現在の海岸線より沖合にあったが、現在は後退した。
これ、どうなんでしょうか?
現在・・・陸上の氷河が少ない・・・海水が多い・・・海岸線は前進
氷期・・・陸上の氷河が多い・・・海水が少ない・・・海岸線は後退
「前進」は前に向かって進むことですよね。海から陸の方をみて、前の方に海岸線が進むわけです。現在の海岸線は、氷期の海岸線より陸地側にあるわけです。
「後退」は後ろに退くことです。海から陸の方をみて、後ろ側に海岸線が下がります。氷河期の海岸線は、現在の海岸線より海側にあるわけです。
>欧州北部の氷河が解け、海面が上昇した。
これはその通りです。
>そのため、氷期の海岸線は現在の海岸線より沖合にあったが、現在は後退した。
現在は後退しているんでしょうか?海水が増えたので「前進」しているのではないですか。
そもそも本問は「氷期の海岸線」を答える問題です。「現在は後退した」という部分は不要です。
「氷期は気温が低く陸上に氷河が発達し、海水は現在より少なかった。海岸線は後退しており、現在の大陸だなも海面上にあった。」(58字)
字数に余裕があったので「大陸棚」に関する記述も加えていますが、これは必須ではありません。また地球の広い範囲に大陸氷河は発達しており「欧州北部」に限定されるわけではないので注意してください。
>(4)付近を流れる暖流の北大西洋海流の影響で水温が高いから。
これはいいですね。「北上」という言い方をしても良かったでしょう。
「沖合を暖流である北大西洋海流が北上し、海水温が高いから。」(28字)
例えばこういう感じです。
>(5)化石燃料の使用が進み、酸性雨が湖や湿地に侵入したこと。
「侵入」という言い方がちょっと気になりますね。
「化石燃料に使用による酸性雨で、湖水や土壌が強い酸性となった。」(30字)
こういった形でどうでしょう?
>設問B
>(1)石炭、天然ガス
適切です。
>(2)燃やした時に有害な物質が発生しにくく、燃やすためのコストが比較的低い。また、資源が枯渇する心配をしなくてもよい。
悪くないのですが、キーワードをうまく使って欲しいですね。
例えばこういった感じです。
「再生可能エネルギーであり、枯渇の心配がない。硫黄酸化物などの大気汚染物質を排出しないので、環境負荷が小さい。」(54字)
どうでしょう?「再生可能エネルギー」「枯渇」「硫黄酸化物」「大気汚染物質」「環境負荷」などキーワードを並べてみました。
>(3)風力発電
いいですね。基本ですね。
>(4)ノルウェーは、国土の大部分が山岳で構成されているため水力発電が多い。デンマークは国土が平坦であるため水力発電に適さず、火力発電に割合が高い。
ノルウェーは「多雨」が欲しかったですね。そうすれば満点解答です。
水力発電を可能とする自然条件は2つ。「降水量」と「斜面」ですよね。ノルウェーはこれを満たしていますが、デンマークは充足しません。降水量についてはたしかに大西洋に面するノルウェーが多雨であるのですが(偏西風が湿った空気をもたらす)、デンマークも乾燥しているわけではありません。やはりここは地形ですよね。ノルウェーはスカンジナヴィア山脈の山岳国であり、急峻な地形が連続します。一方、デンマークは大陸氷河に削られ(大陸氷河については「ブルドーザー」をイメージしてください。強い圧力により地形を押しつぶし、さらに表面の土砂を削り取って平坦化してしまうのです)、国土に起伏がありません。このことについて記述したらいいと思いますよ。
デンマーク(というか北西ヨーロッパ)は年間を通じて降水があり、季節差はみられないので、この部分も内容を変えないといけませんね。
自然環境といえば「気候」と「地形」ですから、これを意識して二つの文章を作ってみました。
・偏西風が大西洋から湿った空気をもたらしノルウェーの方が多雨。
・ノルウェーは急斜面が多いが、氷河に侵食されたデンマークは平坦。
これをうまく組み合わせて、このような感じになります。
「ノルウェーは偏西風の影響で多雨であり、山地が多く水力発電に適した急斜面が多い。デンマークは氷河の影響で国土が平坦。(57字)」
字数的に厳しいですが(例えば、デンマークがノルウェーほど降水量が多くないという話題は入れられませんでした)、これぐらい書いたら許容範囲でしょう。
ちなみに、水力発電量が多くなる要因は上記の二つ(降水量が多い。急斜面がある)ですが、「国内の総発電量に占める水力発電量の割合がとくに高くなる」ための要因にはさらに2つ加わります。
一つが冬でも暖かいこと。カナダやスウェーデンも水力発電が盛んですが、これらは冷帯国であり冬に凍結するため、原子力発電の割合も高くなっています。なお、日本でもやはり冷帯である北海道では水力発電はほとんど行われていません。
一つが人口密度の低さ。日本は実は世界的な「水力発電」国の一つです。しかし、人口が多く(さらに産業が発達しているため)水力発電は数ある発電方法の一つにしか過ぎません。総発電量の10%程度です。しかし、それでも1億人の10分の1、すなわち1000万人の需要を賄っているのですから凄いと思いませんか?水力発電や地熱で電力を賄っているニュージーランドですが、人口は500万人に過ぎません。
>(5)アイスランドは火山活動の活発な島国であるため地熱発電を利用している。
これも惜しいですね。「プレート境界」や「海嶺」といった言葉も欲しかったですね。
「プレート境界である海嶺上の火山島であり、地熱が利用しやすい。(30字)」
例えばこういう感じだったでしょうか。
全体的に「キーワード」の使い方が弱いなと思いました。おそらく採点者はキーワードごとに得点を設定しているはずです。例えば、水力発電で「山地」で1点、「多雨」で1点といったように。
文章力は問題ありませんし、地理的な知識についても弱点はないようです。ただ、あっさりと解答を締めくくっている印象があるので、もう一つ突っ込んで「深い」文章を作って欲しいなと思います。
時間をたっぷり取って、ゆっくり推敲しながら、解答を作ってみてはどうでしょうか。惜しい部分がたくさんありますよ。
- 2021.08.22 00:19
- たつじん
東大地理 2007年度 第1問(ヨーロッパの自然環境と北欧の発電より)
設問A
(1)ア・・・U字谷、
イ・・・フィヨルド
ウ・・・酪農
エ・・・牧移
(2)X・・・B
Y・・・A
Z・・・C
沿岸部との距離と年較差で判断しました。
(3)欧州北部の氷河が解け、海面が上昇した。そのため、氷期の海岸線は現在の海岸線より沖合にあったが、現在は後退した。
(4)付近を流れる暖流の北大西洋海流の影響で水温が高いから。
(5)化石燃料の使用が進み、酸性雨が湖や湿地に侵入したこと。
設問B
(1)石炭、天然ガス
(2)燃やした時に有害な物質が発生しにくく、燃やすためのコストが比較的低い。また、資源が枯渇する心配をしなくてもよい。
(3)風力発電
(4)ノルウェーは、国土の大部分が山岳で構成されているため水力発電が多い。デンマークは国土が平坦であるため水力発電に適さず、火力発電に割合が高い。
(5)アイスランドは火山活動の活発な島国であるため地熱発電を利用している。
添削よろしくお願いします。
- 2021.08.21 16:36
- のい
- 479
- main
- 481