ブログ
2021.08.31
500
すでにお申し込みされている添削メンバーの方のみ投稿ください(メンバー募集は4月で終わっています。追加募集の予定はありません)。最低、月に1回の投稿がノルマです。これが無き場合は登録取り消しになりますので、ご注意ください。
コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性があります。その際は他のフォームに再投稿していただけますでしょうか。お手数ですが、よろしくお願いいたします。(従来のDMによるお問い合わせは取りやめといたしました。ご理解くださいませ)
コメント
では添削いたします。
>東大 2021年
>第1問
>設問A
>(1) 氷山が溶け、北極海「航路」を利用できれば輸送距離を短縮できるが、水質の変化等で「生態系」が脅かされる。陸地の凍土が溶け、石油や天然ガス等の「資源」開発が進むが、「地盤」が緩み建物が倒壊する。(87字)
いいですね。十分合格圏の解答です。
図1―1を参照すると、「平均気温3℃以上上昇」するエリアは北半球の高緯度地域に限られていますね。シベリアの広い範囲が含まれ、永久凍土層が大きく融解することが予想されます。「地盤が緩み建物が倒壊」はまさにその通りですね。「資源開発」も適切な内容です。
あるいは永久凍土層に含まれていたメタンが大気中に発せられ、地球温暖化がさらに助長されることも考えられます。メタンは温室効果ガスの一つです。さらに降水量が増加することから、水によって地盤が大きく侵食されることも予想されます。字数に余裕があれば、これらに言及することもできたでしょう。
海洋については北極海が中心になります。年間を通じて氷に閉ざされている北極海ですが、気温上昇により海氷が融解し、新たな船舶の航路が設けられることが予想されます。さらにホッキョクグマなどの行動範囲が限られてしまうことから、生態系に大きな影響が与えられることも十分に考えられますね。
「水質の変化」という部分がやや不鮮明ですが、とくに問題なかったと思います。
>(2) 減少―D 増加―B
減少についてはDが該当しますね。このグラフは地中海性気候のものですが、南ヨーロッパは減少地域となっています。
増加についてはBが該当します。これはムンバイのグラフですね。インド半島西岸であり、増加地域となっています。
Aは熱帯雨林気候です。マレー半島(シンガポール)やコンゴ盆地です。増加でも減少でもありません。アマゾン低地にも熱帯雨林気候はみられますが、やや内陸部です。ブラジル北部が減少地域になっていますが、この範囲には熱帯雨林気候は含まれません。
Cは温暖湿潤気候です。日本やアメリカ合衆国東部ですが、こちらも増加、減少はみられません。
>(3) 乾燥が進行することにより、干ばつや森林火災が多く発生する。(29字)
いいですね。「干ばつ」に言及できれば十分でした。こちらも合格圏です。
>(4) a―EU b―インド c―ロシア d―日本
いいですね。1−4のグラフがわかりやすいと思います。aは絶対量でEU。人口および経済規模が大きい地域です。その分だけエネルギー消費も大きいはずです。
bは成長率に注目してインドです。21世紀に入り急激に増加しています。
cは減少していることからロシアです。大国ソ連が1991年に崩壊し、旧式の工場が閉鎖されるなど、工業生産が大幅に落ち、エネルギー消費も減りました。
dは日本です。1960年代に大きな伸びをしていますね。現在は停滞もしくは微増です。1−5のグラフは参考程度でいいでしょう。
>(5) 中国は石炭の利用が多かったが、工業化による「需要」増大を「太陽光発電」などの再生可能エネルギーで補い、アメリカ合衆国は石油や天然ガスの「需要」が高く、自給用に「シェール」ガス開発を進めている。(88字)
本問はちょっと意地悪だったと思います。中国の再生可能エネルギーは「太陽光発電」だけではありませんし、アメリカ合衆国が「シェール」(頁岩層)で開発を進めるのも天然ガスだけではありません。
「太陽光発電など」とした点は評価できます。中国は風力発電も盛んで、水力発電量は世界最大です。
シェールについてはガスとオイルがありますので、こちらも「など」をつけた方がさらに適切だったと思いますよ。
なお、文章は二つの文に切ってしまった方が自然な感じはします。
「中国は石炭の利用が多かったが、工業化による需要増大を太陽光発電などの再生可能エネルギーで補っている。米国は石油や天然ガスの需要が大きく、自給用にシェールガスなどの開発を進めている。」(90字)
このように修正できますね。スッキリした文章になっていると思いませんか。
>設問B
>(1) 図1―6 三角州 図1―7 おぼれ谷
適切です。溺れ谷とリアス海岸の意味の違いをはっきしておきましょう。
山地が沈降して形成された入江を「溺れ谷」というのですが、これが連続してみられる海岸を「リアス海岸」といいます。
チェサピーク湾は深い入江が一つみられるのみです。単独であるので「溺れ谷」となります。繰り返しますが、これがたくさん連続して「ノコギリの歯」のようになっているとリアス海岸なのです。
>(2) 平地である図1―6 では河川による「土砂」の堆積作用が強いが、山岳地域であった図1―7は「河谷」が沈水してできた地形であるため。(59字)
なるほど、悪くありませんが、こういった問題では「文を二つに切る」ことを徹底してみませんか。東大の論述問題は30字、60字、90字という30字単位となっているのですが、「30字=1文=1トピック」であるため、例えば本問のような60字制限ならば「2つの文で表現してください」というメッセージが含まれているのです。
とくに本問は図1−6と図1−7の2つの事例について記述することが求められています。まさに「30字×2」で記述するべき内容なのです。
図1−6は三角州ですね。河口付近に土砂が堆積し形成された低湿な地形です。図1−7は溺れ谷です。河川の侵食谷が沈水し形成された複雑な入江です。
「1−6は平坦な地形。河川が運搬した土砂が浅海底に堆積し低湿地が形成。1−6は河川による侵食谷。沈水により深い入江が形成。」(60字)
「浅海底に堆積」や「深い入江」などのキーワードも含まれています。文章を整理することで無駄な部分が削られ、このように多くのキーワードを文章に入れることができるわけです。
>(3) 養殖。 海岸線が複雑なため内海では波が穏やかになるが、都市化による人口の増加で生活用水などが流入し富栄養化が生じやすい。(59字)
これも同様です。「発達した理由」と「環境問題」を別の文に分ければいいのです。
「養殖業。波が静かな入江で、河川から有機養分の供給がみられる。環境問題は赤潮。生活排水の流入で湾内が富栄養化する。」(56字)
どうでしょうか。もはや箇条書きともいえるスタイルですが、わかりやすいと思います。参考にしてくださいね。
A(1)ではうまく書けていたのですが、他の問題については一文が長いですね。東大の論述問題は「30字」が一つの単位になっているのです。これを踏まえて、文章構成を考えてみてください。このテクニックを身につけるだけでチョウセイさんの解答作成能力は格段にアップするはずですよ。
- 2021.08.31 23:14
- たつじん
東大 2021年
第1問
設問A
(1) 氷山が溶け、北極海「航路」を利用できれば輸送距離を短縮できるが、水質の変化等で「生態系」が脅かされる。陸地の凍土が溶け、石油や天然ガス等の「資源」開発が進むが、「地盤」が緩み建物が倒壊する。(87字)
(2) 減少―D 増加―B
(3) 乾燥が進行することにより、干ばつや森林火災が多く発生する。(29字)
(4) a―EU b―インド c―ロシア d―日本
(5) 中国は石炭の利用が多かったが、工業化による「需要」増大を「太陽光発電」などの再生可能エネルギーで補い、アメリカ合衆国は石油や天然ガスの「需要」が高く、自給用に「シェール」ガス開発を進めている。(88字)
設問B
(1) 図1―6 三角州 図1―7 おぼれ谷
(2) 平地である図1―6 では河川による「土砂」の堆積作用が強いが、山岳地域であった図1―7は「河谷」が沈水してできた地形であるため。(59字)
(3) 養殖。 海岸線が複雑なため内海では波が穏やかになるが、都市化による人口の増加で生活用水などが流入し富栄養化が生じやすい。(59字)
- 2021.08.31 19:51
- チョウセイ
- 499
- main
- 501