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2021.11.21

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すでにお申し込みされている添削メンバーの方のみ投稿ください(メンバー募集は4月で終わっています。追加募集の予定はありません)。最低、月に1回の投稿がノルマです。これが無き場合は登録取り消しになりますので、ご注意ください。

コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性があります。その際は他のフォームに再投稿していただけますでしょうか。お手数ですが、よろしくお願いいたします。(従来のDMによるお問い合わせは取りやめといたしました。ご理解くださいませ)

コメント

では添削いたします。

>東大 2018年

>第3問

>設問A

>(1) A-沖縄県 B-東京都 C-埼玉県 D-福岡県

こういったグラフは現在の値から考えるのがコツです。現在の日本で特に人口増加率の高い県は東京都と沖縄県ですので、AとBのいずれかがこれに該当します。

東京都の場合は高度経済成長期からバブル期にかけて、地価の高騰などで人口(常住人口)が郊外へと流出しました。このため、人口増加率は低い値(もしくはマイナス)となっています。2000年代以降は再開発による住宅開発によって都心への人口回帰が生じ、人口増加率が上がりました。Bが東京都ですね。

一方、Aが沖縄県となります。こちらは一定の高い人口増加率をキープしています。沖縄県の人口増加は自然増加によるものですね(経済レベルが低い地域ですので、社会増加はマイナスとなりますが、それをはるかに上回る自然増加率の高さなのです)。沖縄県の自然増加率が高い主な理由は、戦争による当時の若い世代の死亡ですね。今なら高齢者となっているはずのこの世代が大きく欠けており、一貫して死亡率が低くなっているのです(すでに戦争によって死んでしまっているわけですから、人はこれ以上死にません)。死亡率が低い状態で、高い出生率が維持されたならば、図のような高い人口増加率が続くわけです。

CとDについては現在の人口増加率はさほど高くありません。過去に注目してみましょう。東京都との対比でわかると思います。高度経済成長期からバブル期にかけて都心部から人口が郊外に流出し、多くのニュータウンが建設されました。ドーナツ化現象という言い方も知られていますね。「郊外」型のキャラクターを持つ県で特に人口増加率が上がり、Cが埼玉県となります。地方中枢都市のキャラクターを持つ福岡県はさほど極端な値とはなりません。

>(2) 大都市の近「距離」だが「高速交通」網が未整備で、通勤・通学圏にはならず、転入が少ない。雇用が少なく、「工業化」も進まず、転出が多い。
(60字)

なるほど、よく整理された文ですね。前半で「転入」、後半で「転出」について述べています。良い組み立てだと思いますよ。

この問題は決して難しい内容を問うているわけではないのですが、字数制限がキツく、さらに使用語句の指定もあり、かなり書きにくい問題となっていますね。この手の問題がスムーズに書ければ、合格は近いですよ。じっくり取り組んでみましょう。

まず山梨県と和歌山県ですが、「周辺の都府県」と比べて、人口減少が顕著になっていますね。周辺とはもちろん東京大都市圏、大阪大都市圏に含まれる都府県です。東京や大阪といった巨大な都市に近接するという有利な条件がありながら、なぜかこの二つの県は人口が大きく減っています。

おそらくこれは山がちな地形であるという自然環境に由来するものではないでしょうか。「距離」は近いものの「移動」が困難な地形が多く、決してアクセスは良くない。こういったことを順を追って正しく述べていけばいいと思いますよ。

「両県とも大都市圏からの距離は近いが、山がちな地形であるため、大都市圏の都心部へのアクセスは悪く、人口が流出している。」(58字)

私は「大都市」ではなく、「大都市圏」という言葉を用い、さらに山梨や和歌山がこの「大都市圏」に含まれず、「都心部」である東京都区部や大阪市の通勤圏ではないことを説明しています。。

「距離」「地形」についても言及しています。工夫すれば「移動が困難」「高速交通が未整備」「東京や大阪など都市規模の大きな都市」のように他の言葉も使えたとは思いますが、これでもとくに問題なかったかと思います。参考にしてくださいね。

>(3) 三大都市圏から離れた「農村」は、「過疎化」が進行し、転出や出生率低下が生じる。同様に、地方ブロック内でも、中心都市から離れた地域は、雇用が多い「広域中心」都市を有する県や三大都市圏へ転出する。(90字)

なるほど、とてもわかりやすい文章になっています。字数が長い(90字)ので、余裕をもって答えられたのではないでしょうか。とてもいいと思いますよ。

私はこう書いてみました。

「①について。経済や産業の三大都市圏への集中が強まり、その周辺では人口の流出率が低い。②について。地方は大きく人口が減少しているが、広域中心都市では人口の流入がみられる。」(84字)

①の事例、②の事例、順を追って説明しています。簡単なことを、シンプルに解答(回答)するのが東大入試の特徴ですね。

>設問B 

(1) 鹿児島市は、台地の麓から、埋立地や台地上に都市域を拡大した。
(30字)
   広島市は、三角州から、干拓地や谷底平野に都市域を拡大した。
(29字)
   金沢市は、台地から、氾濫原や扇状地全域に都市域を拡大した。
(29字)

この問題はなかなか手強かったと思います。私ならどうやって書くかな、と。ちょっと挑戦してみました。

鹿児島;山地に接した狭隘な平野から海岸に沿って拡大。
広島;三角州から沿岸部へ。内陸の扇状地や谷底平野へも拡大。
金沢;内陸部の扇状地から沿岸部へ。海岸沿いにも拡大。

金沢や広島は河川沿いということは分かるのですが、扇状地や三角州の判定が困難です。鹿児島にしても、もともとの市街地の範囲が分かりにくいです。丘陵に接しているのでしょうか。曖昧すぎますよね。いずれにせよ、解答困難な問題だったと思います。なんとかやりくりして書くしかないでしょうか。

>(2) 山間部の台地や傾斜地における、豪雨時の土砂災害。海岸部低地における、台風時の高潮による浸水や、地震による津波・液状化現象。(59字)

いいですね。前半と後半に分けて、それぞれ別の内容を述べています。また事例についても詳しく説明はせず、言葉のみを箇条書きで並べています。東大のスタンダードな問題に思います。こういった問題をスムーズに書けるようになると、合格率は上がりますね。

>設問C 

>(1) 「地価」が高い都心では、オフィス・官庁街の「中心業務地区」や、高級な買回り品を扱うデパート・専門店が立地する。「地価」が安い郊外では、住宅団地や、「生鮮食品」等の最寄り品を扱うスーパーが立地する。(90字)

いいですね。適切な解答です要するに、土地利用としては「都心部=業務地区および買い回り品を扱う店舗、郊外=生活圏および最寄品を扱う店舗」ということを説明すればよかったのだと思います。これが出題者の意図でしょう。

私もこのように書いてみました。

「大都市では、地価の高い都心部は中心業務地区であり買回り品を扱う商業施設も集まる。地価の安い郊外は生鮮食料品など最寄り品を扱う店舗が多く、都心部へと通う人々の生活圏となっている。」(88字)

「都心」ではなく「都心部」としています。どちらでも構わないとは思いますが、「都心部」の方がより正確でしょう。

>(2) ニュータウンでは、若年層の流出による人口減少、住民の高齢化と施設の老朽化が進んだ。購買力が低下した結果、商店が撤退した。(60字)

これ、どうなんでしょう?いわゆる「フードデザート」を取り上げた問題だと思いますよ。購買活動の「利便性」がある地域は都心部ですよね。しかし、その都心部で現在、日用品に購入に不便や困難が生じるようになっています。

この場合のデザートは「砂漠」ですね。都心部は飲食店など外食産業は豊富で、コンビニも多いので出来合いのものを食べる機会が多いものの、一方でスーパーマーケットなど生鮮食料品を扱う店が少なく、自宅での調理が限られるため、栄養状態が悪化することが多々あります。塩分過多や油脂過多の生活を送っていれば健康状態に影響があります。実際、イギリスでは都心部の住民の方が平均寿命が短いというデータが出ているようです。

このフードデザートは比較的新しい話題なのですが、それを本問は取り上げているのでしょう。

「都心部である。高地価により常住人口が減少し、生鮮食料品など最寄品を扱う店舗が減少。利便性の高い商業施設は郊外に多い。」(58字)

こういった感じでしょうか。知らない話題が登場したら解答できなくても仕方ありません。よかったらこの事例も知っておいてくださいね。

さらに演習を続けましょう。

  • 2021.12.05 09:51
  • たつじん

東大 2018年



第3問


設問A

(1) A-沖縄県 B-東京都 C-埼玉県 D-福岡県

(2) 大都市の近「距離」だが「高速交通」網が未整備で、通勤・通学圏にはならず、転入が少ない。雇用が少なく、「工業化」も進まず、転出が多い。
(60字)

(3) 三大都市圏から離れた「農村」は、「過疎化」が進行し、転出や出生率低下が生じる。同様に、地方ブロック内でも、中心都市から離れた地域は、雇用が多い「広域中心」都市を有する県や三大都市圏へ転出する。(90字)


設問B 

(1) 鹿児島市は、台地の麓から、埋立地や台地上に都市域を拡大した。
(30字)
   広島市は、三角州から、干拓地や谷底平野に都市域を拡大した。
(29字)
   金沢市は、台地から、氾濫原や扇状地全域に都市域を拡大した。
(29字)

(2) 山間部の台地や傾斜地における、豪雨時の土砂災害。海岸部低地における、台風時の高潮による浸水や、地震による津波・液状化現象。(59字)


設問C 

(1) 「地価」が高い都心では、オフィス・官庁街の「中心業務地区」や、高級な買回り品を扱うデパート・専門店が立地する。「地価」が安い郊外では、住宅団地や、「生鮮食品」等の最寄り品を扱うスーパーが立地する。(90字)

(2) ニュータウンでは、若年層の流出による人口減少、住民の高齢化と施設の老朽化が進んだ。購買力が低下した結果、商店が撤退した。(60字)

  • 2021.11.30 18:19
  • チョウセイ

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