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2021.11.30

600

すでにお申し込みされている添削メンバーの方のみ投稿ください(メンバー募集は4月で終わっています。追加募集の予定はありません)。最低、月に1回の投稿がノルマです。これが無き場合は登録取り消しになりますので、ご注意ください。

コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性があります。その際は他のフォームに再投稿していただけますでしょうか。お手数ですが、よろしくお願いいたします。(従来のDMによるお問い合わせは取りやめといたしました。ご理解くださいませ)

コメント

では添削いたします。

>たつじん先生今回も20点満点で点数付きで添削お願いします。

はい、わかりました。得点をつける都合上、添削コメントが厳しくなる部分もありますが、ご了解いただければと思います(粗探しのようなコメントもあるかと思います。気にしないでくださいね)

>2012 東大

>大問1
>設問A (1)
>ア-b イ-c ウ-a

比熱が大きく冬も冷めにくい海洋の空気が偏西風にもたらさせ西部の冬は比較的温暖。東部はシベリア高気圧が強く影響、冬極寒。(59字)

文字数制限が厳しいので、もっと要領よく文章をまとめる必要があります。前半と後半で30字ずつとするならば、前半の文がちょっと長いですね。例えば「比熱が大きく」や「冬も冷めにくい」は今回は不要だったと思いますよ。また、問題には3つの点が示されているのですから、それぞれ理由を挙げないといけません。

a・・・偏西風の影響で冬も温暖。
bとc・・・内陸部で寒冷。
c・・・高原であるので全体の気温が低い。

これらを説明してください。

aは偏西風の影響で冬も温暖。bとcは内陸部で寒冷となるが、特にcは高原であり全体の気温が低い。(47字)

やや字数が少ないので、肉付けをしていきます。

aは温暖な偏西風の影響で冬も気温が高い。bとcではシベリア高気圧の影響で寒冷となるが、特にcは高原で全体の気温が低い。(59字)

こういった形でしょうか。参考にしてください。

>(2)
>カZ キY クW ケX

羊がポイントになりますね。乾燥地域を多く含む国では羊の飼育が主となります。

>(3)
sは冷帯の世界最深の淡水湖で、製紙工場の排水で汚染が深刻。Tは乾燥気候の塩湖で過度な灌漑など人為的要因により湖が縮小。(59字)

本問の難しいところは書くべき内容に対して字数制限が短いことですね。端的に述べることが求められています。

「過度な灌漑など人為的要因」という部分がうまいと思いますよ。できれば「綿花」という言葉が入ればベストでしたね。

「sは深い淡水湖。周囲は冷帯林。製紙工業で水質汚濁。tは乾燥地域の浅い塩水湖。綿花栽培の為の過剰灌漑など人為的要因で縮小。」(60字)

余分なところを削りまくって、制限字数内に収めてみました。

>(4)
Wキリスト教 Z仏教

いいですね。適切です。

設問B
(1)a③ b④ c⑤ d② e①
②と①の判断が難しく半分感覚で解いてしまいました。
↓くらいの考えで良いのでしょうか?
人口が②の方が温暖で交通の便も良さそうなため多いのではないか。
また②の方がコーンベルト地帯に近いため、①と比べるととうもろこしの生産量も多そうだ。

いいですね。適切な考え方だと思いますよ。東大の問題は、一見難易度の高い知識を問う問題にみえても、実は思考によって解くことができるものが多いのですよね。

アメリカ合衆国の州については位置を一通り覚えてしまった方がいいかもしれません。名称と位置が一致すると、こうして過去問を解きながらその特徴がスムーズに頭に入るようになります。

aは人口でわかりますね。カリフォルニア州に次いで人口が多いのがテキサス州です。
bはコーンベルトに位置する州であることはわかるでしょう。人口が大きく、大都市であるシカゴを含むイリノイ州となります。
cも人口が多いことがポイントにあり、大都市デトロイトを含むミシガン州です。しかし農業はふるいませんね。
dは小麦の生産が際立って多くなっており、小麦地帯の①と②に絞られますが、とうもろこしの生産も比較的多く、寒冷な①は該当しません。②のカンザス州ですね。
eは逆にとうもろこしが少なく、こちらが①のノースダコタ州になります。

>(2)リーマンショックで全州失業率が上昇。不況の影響を受けやすい工業地域で失業率が大きく上昇し、農業地域では変化が少ない。(58字)

適切な解答に思います。ただ、せっかく図が与えられている問題なのですから、具体的に工業地域はどこなのか、農業地域とはどの地域を指しているのか、そういったことまで言及できればベストでした。

具体的にみていきましょう。

失業率は全体に上昇していますが、その度合には地域ごとの違いも現れています。上昇率の高低で州を分けてみます。

(高)ミシガン・オハイオ・ケンタッキー・テネシー・イリノイ・インディアナ

(中)ペンシルベニア

(低)テキサス・カンザス・ノースダコタ

こういった感じでしょうか。

「五大湖沿岸では失業率の上昇が顕著。重工業の衰退による。農業を基盤とする小麦地帯に位置する州では失業率の上昇は緩やか。」(58字)

「地域的特徴」を明確にしています。五大湖沿岸の工業地帯と、小麦を中心とした農業地帯。また、リーマンショックを取り上げてしまうと、製造業のみでなく商業やサービス業を含めたアメリカ合衆国全体の産業への影響を論じることになり、今回は無理に登場させる言葉でもなかったような気がします。

「金融」についても触れていませんが、メガロポリスを構成するフィラデルフィアを含むペンシルバニア州で失業率がさほど上昇していないことを考えると、やはり「金融」ではなく、自動車を中心とした「重工業」にターゲットを絞ってしまって良かったように思います。ミシガン州にはデトロイトが位置し、さらにオハイオ州も日系の自動車工場が多く進出しています。

工業地域と農業地域との対比が本問の最大のポイントだったのではないでしょうか。

参考までに、リーマンショックを含めると以下のような解答になります。

「リーマンショックの影響で重工業地域である五大湖沿岸失業率の上昇が顕著。農業が基盤の小麦地帯の州では失業率の上昇は緩やか。」(60字)

参考にしてくださいね。

>(3)第1期ではスノーベルトの衰退によりサンベルト地帯へ製造業の中心がうつった。第2期では、製造業の衰退と第三次産業の成長により、全州的に製造業の雇用者がサービス業へ移った。(87字)

こちらも良問ですね。やはり統計を分析する力が求められています。

まず第1期。
A(変化なし)
B(低下)
C(やや低下)
D(変化なし)
E(やや上昇)
F(変化なし)
G(やや上昇)
H(変化なし)
I(やや上昇)

こういった形でしょうか。BとCでの低下、E、G、Iでの上昇が明確です。

北東部や五大湖沿岸の旧来の工業地域(鉄鋼業や自動車工業など重工業が発達)で低下しています。サンベルトである南部、そして太平洋岸で上昇しており、こちらは知識産業の発達が見られる地域です。

では第2期について見てみましょう。

A(やや低下)
B(低下)
C(変化なし)
D(やや上昇)
E(変化なし)
F(変化なし)
G(やや上昇)
H(やや上昇)
I(変化なし)

なるほど、Iにおける上昇の度合いが低下した程度でしょうか。あまり第1期と大きな違いはないようです。

よって、こちらは「実数」に注目しましょう。アメリカ合衆国は比較的人口増加率の高い国であり、労働者の数も増えているはずです。しかし、第2期は「18950」から「12781」へと極端に数が減っています。こちらについて論じたらいいのではないでしょうか。

与えられている文字数制限は90字です。二つのトピックについて書くのですから、45×2が目安ですね。

「第1期。重工業の衰退により北東部や五大湖沿岸で数値が低下。知識産業の発展によりサンベルトや太平洋側で数値が上昇。第2期。製造業被雇用者数が大きく減少。産業構造の変化が顕著。」(86字)

このような文章にしてみました。第1期では製造業の範囲内における業種変化(重工業→知識産業)を、地域の違い(北東部など、サンベルトなど)に関連付けて論じました。第2期では全体の被雇用者数について言及しています。文字数が限られているため。「産業構造の変化」という言葉のみで片付けています。

アマガエルさんの





>第1期ではスノーベルトの衰退によりサンベルト地帯へ製造業の中心がうつった。

ちょっと気になる部分です。「スノーベルトの衰退」→「サンベルトの発展」という因果関係が見えないのです。スノーベルトの衰退は、オイルショックに痰を発する資源多消費型の重工業の不振や、重工業部門における国際競争力の低下(とくにアジア地域で鉄鋼や自動車の生産が拡大した)ことです。サンベルト発展の背景は、安価な労働力(さらに労働組合が強くストライキが頻繁に起こる北部に対し、南部の労働者は組織化されておらず、経営者にとって扱いやすかったのです)、広い土地、温暖な気候、豊富な資源などがありますよね。決して「スノーベルトが衰退したからサンベルトが発展した」わけではないのです。アマガエルさんもその点は理解していると思いますが、この書き方では誤解を与えかねません。

私の解答にあるように、スノーベルト(北東部)の衰退とサンベルトの発展を別々に説明した方が良かったと思います。文字数が90字ありますので、原則として「3つのトピック」ですよね。「1文=30字=1トピック」を3つ繋げて、90字の解答とするのです。1つ目が第1期におけるスノーベルトの衰退、2つ目が同じく第1期におけるサンベルトの発展、3つ目が第2期の変化。こういった組み立てがわかりやすかったと思います。字数制限に余裕があるので、一気に言い切らなくても十分です。

>第2期では、製造業の衰退と第三次産業の成長により、

この部分は良かったと思いますよ。

>全州的に製造業の雇用者がサービス業へ移った。

「第3次産業=サービス業」では必ずしもありませんので、注意してください。むしろ第3次産業で最も就業者が多い業種は「卸売・小売業」です。もちろん第3次産業には「金融業」なども含まれています。

よってここは「サービス業」と断言しない方が良かったかと思います。「産業構造の高度化」、「産業構造の変化」程度の書き方で良かったと思います。


(得点)

大問1
設問A (1)ア-b イ-c ウ-a (1/1点)

比熱が大きく冬も冷めにくい海洋の空気が偏西風にもたらさせ西部の冬は比較的温暖。東部はシベリア高気圧が強く影響、冬極寒。(59字)(1/3点)

(2)カZ キY クW ケX (2/2点)

(3)sは冷帯の世界最深の淡水湖で、製紙工場の排水で汚染が深刻。Tは乾燥気候の塩湖で過度な灌漑など人為的要因により湖が縮小。(59字) (2/3点)

(4)Wキリスト教 Z仏教 (1/1点)


設問B
(1)a③ b④ c⑤ d② e① (2/2点)

(2)リーマンショックで全州失業率が上昇。不況の影響を受けやすい工業地域で失業率が大きく上昇し、農業地域では変化が少ない。(58字) (2/4点)

(3)第1期ではスノーベルトの衰退によりサンベルト地帯へ製造業の中心がうつった。第2期では、製造業の衰退と第三次産業の成長により、全州的に製造業の雇用者がサービス業へ移った。(87字)(2/4点)

合計;13/20点

最初にも言ったように、あえて厳しい採点にしている部分もあります。細かいところは気にせず、さらに演習を続けていきましょう。

  • 2021.12.05 16:15
  • たつじん

たつじん先生今回も20点満点で点数付きで添削お願いします。
2012 東大

大問1
設問A (1)
ア-b イ-c ウ-a
比熱が大きく冬も冷めにくい海洋の空気が偏西風にもたらさせ西部の冬は比較的温暖。東部はシベリア高気圧が強く影響、冬極寒。(59字)
(2)
カZ キY クW ケX
(3)
sは冷帯の世界最深の淡水湖で、製紙工場の排水で汚染が深刻。Tは乾燥気候の塩湖で過度な灌漑など人為的要因により湖が縮小。(59字)
(4)
Wキリスト教 Z仏教

設問B
(1)a③ b④ c⑤ d② e①
②と①の判断が難しく半分感覚で解いてしまいました。
↓くらいの考えで良いのでしょうか?
人口が②の方が温暖で交通の便も良さそうなため多いのではないか。
また②の方がコーンベルト地帯に近いため、①と比べるととうもろこしの生産量も多そうだ。
(2)リーマンショックで全州失業率が上昇。不況の影響を受けやすい工業地域で失業率が大きく上昇し、農業地域では変化が少ない。(58字)
(3)第1期ではスノーベルトの衰退によりサンベルト地帯へ製造業の中心がうつった。第2期では、製造業の衰退と第三次産業の成長により、全州的に製造業の雇用者がサービス業へ移った。(87字)

  • 2021.11.30 17:48
  • アマガエル

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