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2021.12.03
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コメント
では添削いたします。
>東大 1994年
>第3問
>設問A
ラワンなどのフタバガキ科は、年中高温多雨を好む。よって、熱帯雨林地域で分布が多く、雨季と乾季が明瞭な地域で分布が少ない。
(60字)
本問はちょっと妙な印象を受けるんですよね。昔の問題だからでしょうか。図を見る限り、フタバガキ科はオーストラリアには全く分布しませんが、これは自然環境が原因というより、オーストラリア大陸が古い年代に他大陸から切り離され、氷河期にも陸続きにならなかったことで、固有種の地域となったことと関連ありそうな気がするのですが。つまり地形的な要因ですよね。
ただ、問題意図としてやはり気候をメインに述べるべきでしょうね。気温はオーストラリア北部も高いため、ポイントは降水量になります。とくに雨季と乾季の存在でしょうね。
「年中高温多雨の熱帯雨林気候地域を中心に分布。乾季が明瞭で明瞭な乾季がみられるサバナ気候区にはあまり分布しない。」(55字)
「熱帯雨林気候」、「サバナ気候」といった気候区分についてははっきりと示した方が良かったかと思いますよ。
ただ、東南アジアや南アジアのサバナ気候区には分布している(どころか種類が多い)のが気になるんですよね。
もしかしたら、上記の地形的要因を示した方がベターな解答だったのかも知れません。
「熱帯雨林気候やサバナ気候を好む。しかし古い年代に他大陸から離れ固有種が発達した豪州大陸へは伝播しなかった。」(53字)
どうも釈然としない問題ではあります。
>設問B
低日季に、オーストラリア大陸中部から、乾燥した強い熱風が吹く。雨季の降雨で表土が流出する。そのため、土壌の養分が乏しい。(60字)
これも変わった印象を受ける問題です。5月から9月に乾季がみられるのは、南半球の低緯度地域ですから、インドネシアでいえばジャワ島以南の地域です。米作が営まれる地域で乾季には作付けが不可能になります。オーストラリア北部の場合、先住民のアボリジニは狩猟採集民族であり、そもそも農牧業を行なっていません。これを述べるべきだったかと思います。
「東南アジアでは米作が営まれ乾季には作付されない。豪州では先住民アボリジニの居住地だが狩猟採集生活を営み農牧業を行わない。」(60字)
どうも、出題者の意図が読みにくい問題です。
>設問C
> 両者とも、流量の「季節変動」がある。勾配が穏やかで「流域面積」が広い前者は、高日季の多量の降雨で、徐々に「水位」が上昇する。勾配が急で「流域面積」が狭い後者は、降雨の変化が直ちに「水位」に反映される。(90字)
なるほど、これはおもしろいですね。「出水」という言い方が一般的ではないのですが、意味をきちんと捉えているようです。合格圏の解答と思います。「降雨の変化が直ちに水位に反映される」という部分は工夫された文章ですね。とてもうまいです。
>設問D
> 同緯度の他地域より「降水量」が多く、功罪がある。夏の高温と相まって自給的「稲作」農業が発展する。一方、太平洋側で、梅雨や台風による「洪水」を誘発する。また、冬期の日本海側で、「豪雪」の原因となる。(90字)
いいですね。本問はテーマがアバウトで何を書いていいやら悩むのですが、使用語句からみて「降水量」を中心に述べるべきであることがわかります。
・降水量が多いこと。
・豪雪に見舞われること。
・台風などの影響で洪水が発生すること。
・豊富な降水を利用して稲作が行われること(集約的(自給的)稲作農業)。
こういったことを軸に述べることが求められていました。一応、テーマは気候ですので。一言だけでも気温に言及する言葉として「夏の高温」というフレーズを用いている点も適切と思いますよ。
ちょっと変わった大問でしたね。しかしチョウセイさんはそれに十分対応して、適切な解答が仕上げられています。
- 2021.12.21 22:17
- たつじん
東大 1994年
第3問
設問A
ラワンなどのフタバガキ科は、年中高温多雨を好む。よって、熱帯雨林地域で分布が多く、雨季と乾季が明瞭な地域で分布が少ない。
(60字)
設問B
低日季に、オーストラリア大陸中部から、乾燥した強い熱風が吹く。雨季の降雨で表土が流出する。そのため、土壌の養分が乏しい。(60字)
設問C
両者とも、流量の「季節変動」がある。勾配が穏やかで「流域面積」が広い前者は、高日季の多量の降雨で、徐々に「水位」が上昇する。勾配が急で「流域面積」が狭い後者は、降雨の変化が直ちに「水位」に反映される。(90字)
設問D
同緯度の他地域より「降水量」が多く、功罪がある。夏の高温と相まって自給的「稲作」農業が発展する。一方、太平洋側で、梅雨や台風による「洪水」を誘発する。また、冬期の日本海側で、「豪雪」の原因となる。(90字)
- 2021.12.13 20:11
- チョウセイ
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