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2021.12.06
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コメント
では添削いたします。
>東大 1997年
>第1問
>設問A
>(1) イ-サバナ ロ-砂漠 ハ-綿花
いいですね。適切です。
せっかくの機会ですので、地図帳でケッペンの気候区分の分布を確認しておきましょう。まずイですが、熱帯雨林気候(A f)は毎月60ミリ以上の降水があることが条件なのですが、実はこの範囲はかなり限定されています。東南アジアにはA f気候の範囲が広いのですが、アフリカや南アメリカでは意外なほど狭い範囲に限定されています。コンゴ盆地、アマゾン低地の一部です。ですので、ビクトリア湖の位置する東アフリカ一帯は、熱帯気候であることには間違いないのですが(そもそも乾燥気候ならば大河川の水源となることはありえません)、降水量の少ない時期もあることからサバナ(A w)とみることが妥当でしょう。
さらにナイル川の流域ですが、例えばエジプトについては「全域がBW(砂漠気候)である」と丸覚えしてしまっていいと思います。イメージ通りだと思いますよ。ですので、ロは砂漠気候になりますね。
綿花については「商品作物」という言葉がキーワードになっていますね。エジプトでは長繊維の高級種が栽培されているようです。
>(2) 下流域で、土砂堆積の減少による土壌肥沃度の低下と海岸浸食、さらに漁業不振が起きた。上流域で、灌漑による塩類土化が起きた。(60字)
いいですね。与えられた字数制限に対し、明らかに書くべき内容が多いので、箇条書きスタイルが適切です。一つ一つのトピックについての説明を最小限としキーワードを書き並べると、高得点が狙えると思います。適切な解答になっています。
私も書いてみました。
「耕地への肥沃土の供給が減少した。河口三角州の縮小。地中海東部の漁獲量減少。灌漑農業による塩害発生。」(56字)
「箇条書き」スタイルですね。
>設問B
>(1) ニ-コンゴ ホ-コンゴ ヘ-焼畑農業
いいですね。コンゴ川はアフリカ最大の流域面積を誇り、熱帯雨林であるコンゴ盆地を流下します。東大地理はこのようなメジャーな地名ばかりが出ますので、特別な対策は不要ですね。
>(2) 火入れをして農地とする熱帯「雨林」は豊富にあり、数年で知力が低下しても場所を移して耕作ができる、という利点がある。熱帯「雨林」の裸地は「土壌」侵食が激しく、土地「生産性」が低い、という欠点がある。(89字)
問題では利点と欠点をそれぞれ整理して述べることが求められています。「利点」、「欠点」という言葉をそれぞれ用い、とてもわかりやすい組み立てになっています。内容的にも適切に思います。
ただ、後半についてはもうちょっと工夫できたかと思いますよ。土地生産性が低いことはそもそも熱帯の土壌の特徴です。焼畑の影響としては、それが過度に行われることで熱帯林の減少や裸地化(そしてそれに伴う土壌侵食や土壌流出)を招いてしまうことです。
下のように整理してみましょう。
(利点)伝統的な農法であるため、特別な技術や資本投下が必要ではない。
(欠点)森林の再生能力を超えて行われた場合、熱帯林減少の原因となる、
利点については、焼畑農業の特徴を他の農業形態と比較して考えることが大事だと思います。例えば新大陸の企業的な農業と比べてみて、技術も資本も必要としないことは明確ですね。
欠点については、しばしば短絡的に「熱帯林の減少」と結び付けられることも多いのですが、これだけでは不足です。「過度」に焼畑が行われた場合こそ森林は失われるのみですが、再生能力とのバランスを考えて行われるならば、むしろ老木を退け若木の生育を促すことで森林の更新がなされることになります。実は「環境に優しい」農業形態でもあるのですね。
これらのことを整理して記述してみましょう。
>設問C
内陸の乾燥「気候」区ではダイヤモンドや金がとれる。南東部では石炭「鉱山」がある。南東部のハイベルトでは、牧羊やとうもろこし栽培が行われる。南西部の地中海性「気候」区では、「ぶどう」栽培が行われる。(90字)
いいですね。「気候」、「農業」、「鉱業」、「産業」が効率よく配置されています。とくにハイベルトについて言及している点が好ましいと思います。新大陸以外で企業的牧畜が行われる希少な地域で、牧羊とトウモロコシ栽培が行われます。特徴的な地域ですね。
もう少し説明していきます。
まず気候と農業ですが、南アフリカ共和国で広い面積を占めるのはステップ気候です。内陸部の高原地帯は「ハイベルト」と呼ばれ、旧大陸(ユーラシアとアフリカ)で唯一の「企業的牧畜」地域となっています。羊の放牧のほか、トウモロコシの栽培も行われます。
(南部ではなく)南西部の地中海性気候ももちろん重要で、こちらは地中海式によるブドウの栽培ですね。
鉱業についてはやはり金(金鉱)が最も重要です。ダイヤモンド鉱や石炭、鉄鉱石もアフリカ有数の産出国となっています。著名な鉱山は内陸部にありますので、確認しておくといいでしょう。鉱業都市はヨハネスバーグ(金鉱)、キンバリー(ダイヤモンド)など。
もちろんレアメタルとして、マンガンとクロムの産出がとくに多くなっていますね。さらに輸出品目の上位に白金があり、これもハイテク産業には必須の金属資源です。
産業については基本的には上記の鉱業について書けばいいとは思いますが、もちろん機械工業について述べるのも適切です。ドイツから工場が進出し、一部では高級車の生産もみられるそうです。
「南西部の地中海性気候地域ではブドウの栽培、内陸部のステップ地域では企業的牧畜による羊の飼育。内陸部には金やレアメタルの鉱山。南東部では石炭の産出も。鉄鋼業や自動車工場も発達。」(87字)
こういった形になります。参考にしてみてくださいね。
- 2021.12.20 19:01
- たつじん
東大 1997年
第1問
設問A
(1) イ-サバナ ロ-砂漠 ハ-綿花
(2) 下流域で、土砂堆積の減少による土壌肥沃度の低下と海岸浸食、さらに漁業不振が起きた。上流域で、灌漑による塩類土化が起きた。(60字)
設問B
(1) ニ-コンゴ ホ-コンゴ ヘ-焼畑農業
(2) 火入れをして農地とする熱帯「雨林」は豊富にあり、数年で知力が低下しても場所を移して耕作ができる、という利点がある。熱帯「雨林」の裸地は「土壌」侵食が激しく、土地「生産性」が低い、という欠点がある。(89字)
設問C
内陸の乾燥「気候」区ではダイヤモンドや金がとれる。南東部では石炭「鉱山」がある。南東部のハイベルトでは、牧羊やとうもろこし栽培が行われる。南西部の地中海性「気候」区では、「ぶどう」栽培が行われる。(90字)
- 2021.12.12 12:56
- チョウセイ
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