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2021.12.22
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コメント
では添削いたします。
>東京大学 2007年度
>第3問
>設問A
(1)小売店は人が多いところに集まる。卸売業者は小売店へ商品を効率よく分配するため、人口が多い市により多く集約する。
なるほど、おもしろい文章ですね。「卸売業者は小売店で商品を効率よく分配する」という部分は十分に考えて書いたのではないでしょうか。とても工夫されていると思います。いいですね。
なぜ人口の大きな都市で卸売業が発達するのか、そのメカニズムを説明することが本問のポイントだったと思いますし、ゆうさんはそれが十分にできていますよ。
なお、私はこのように書いてみました。
「人口が多いほど卸売小売費の値が大きい。人口が大きい都市は商業や金融業が発達し、物流の拠点となりやすいからである。(56字)」
「金融業」や「物流の拠点」という言葉を用いています。
なお、本来は人口が大きいからといって決して卸売業が発達するわけではなく、人口が300万人を超える大都市である横浜市であっても、東京の郊外的な性格が強いため、人口当たりの卸売業販売額は小さいものとなっています。
一方で、福岡や札幌などの地方中枢都市は、人口規模に比して卸売業の発達する度合いが高く、三大都市圏に注ぐ卸売業の集積地になっています。
>(2)C群はベッドタウンで昼夜間人口比率が低い。C群の住民は昼間に、商業集積が進んだ都市圏で買い物を済ませやすいため。
なるほど、こちらもよく工夫していますね。ゆうさんはかなり長考派なのではないでしょうか。慎重に文章を作られている雰囲気がありますよ。とてもいいと思います。
「商業集積が進んだ都市圏」という言い方がいいですね。これはいわゆる東京、名古屋、京阪神の三大都市圏を指すのだということは十分にわかります。
なお私はこう書いてみました。
「C群は東京や大阪など大都市圏の郊外の都市で昼夜間人口比率が低い。商業集積する大都市圏の中心都市での買い物が多い。」(56字)
こういうことですよね。言われてみればとても簡単なことですよね。十分に解答可能な問題でしたよ。
なお、こういった郊外の都市は小売業以上に卸売業が未発達となります。表より、C群では小売はB群にくらべ3分の2程度(475、446に対し、338、286)ですが、卸売は大きく値が下がります(900、1331に対し、271、186)。
>(3)両群とも購買活動は変わらないが、E群は地場産業の製品や水産物を発送する生産地で、卸売業が盛んだから。
こちらもいいですね。十分に考えられた解答かと思います。
「E群は地場産業が発達した伝統工芸品の生産地あるいは漁港に接し水産物加工の盛んな都市など。それらの流通の起点となるから。」(59字)
私も書いてみました。似たような内容ですね。
>設問B
>(1)A−カリフォルニア州 B−テキサス州 C−ミシガン州 D−ワシントン州
正解です。
>(2)C州は自動車、D州は航空機の製造が盛んである。
いいですね。適切です。
>(3)デトロイトからやや離れているため、労働力の奪い合いにはなりにくい。一方で、デトロイト近くから部品を調達できる位置であり、アメリカ国土の中心近くなので出荷もしやすい。
これもうまいですね。とても工夫された文章です。
デトロイトに近接しながらも、決して競合しない距離というのが実は大事なんですよね。
・接している理由・・・部品の調達に便利。
・やや離れている理由・・・競合を避ける。
とくに自動車工業は「集積立地」であり、電子部品やタイヤ、ガラスのメーカーが集まることが立地の条件となります。これらの部品をいかに調達するかは非常に重要ですね。
私はこのように考えてみました。
「米国自動車工業の集積地デトロイトからやや離れており地元の自動車企業との競合は防がれる。しかし高速道路など交通アクセスはよく、部品供給には便利。やや南部に位置し、労働力は豊富で安い。(90字)」
90字ですので、3つのトピックを書くのが基本です。3つキーワードがありますので、それぞれについて1トピックとなります。
・デトロイト・・・米国自動車工業の中心で3大メーカーの本社。日系企業がこの地に直接進出することは米国企業との対立を招く。
・部品・・・自動車工業は集積立地。ゴム工業やガラス工業も必要。デトロイト方面に集まるこれらの工場から部品を供給してもらう必要がある。なお、「高速道路など交通アクセスが良く」は全くの想像ですが、とくに問題ないかと思います。自動車を用いた輸送は米国の貨物輸送の中心ですし、間違ってはいないでしょう。
・労働者・・・デトロイトのような北部は労働コストが高く、また組織化(労働組織)されているのでストライキなどの労働争議も頻発。南部はそういったことはなく、コストも安い。ケンタッキーは決して「南部」というわけではないが、デトロイトに比べれば安く、組織化されていない労働力が得られやすいだろう。
「組織化されていない労働者」にまで言及するのはさすがに厳しかったとは思いますが、予備知識として知っておくといいでしょう。
さらに演習を続けましょう。
- 2021.12.25 13:18
- たつじん
東京大学 2007年度
第3問
設問A
(1)小売店は人が多いところに集まる。卸売業者は小売店へ商品を効率よく分配するため、人口が多い市により多く集約する。
(2)C群はベッドタウンで昼夜間人口比率が低い。C群の住民は昼間に、商業集積が進んだ都市圏で買い物を済ませやすいため。
(3)両群とも購買活動は変わらないが、E群は地場産業の製品や水産物を発送する生産地で、卸売業が盛んだから。
設問B
(1)A−カリフォルニア州 B−テキサス州 C−ミシガン州 D−ワシントン州
(2)C州は自動車、D州は航空機の製造が盛んである。
(3)デトロイトからやや離れているため、労働力の奪い合いにはなりにくい。一方で、デトロイト近くから部品を調達できる位置であり、アメリカ国土の中心近くなので出荷もしやすい。
よろしくお願いいたします。
- 2021.12.22 17:24
- ゆう
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