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2021.12.22
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コメント
空コメントいれておきます。
- 2022.01.18 09:24
- たつじん
では添削いたします。
>東大 1995年
>第2問
>設問A
ア-豚肉 イ-牛肉 ウ-とり肉
ちょっと変わった「変化球」的な問題でしたね。アは中国で多いので「豚」は簡単として、残る2つは難問かも知れません。サウジなどイスラームの乾燥国で値が大きく、ウが「羊」。イは実はインドでよく食べられている「鶏」なんですよね。タンドリーチキンなどの料理は聞いたことがあると思います。牛や豚の肉が避けられるインドでは、鶏肉の人気が高まっています。「ピンクの革命」により鶏肉生産が拡大しています。
>設問B
インド-水牛肉 サウジアラビア-羊肉 オーストラリア-羊肉
水牛はインドに集中的に分布する家畜です。サウジは乾燥国であるため、乾燥した気候に適応する家畜を選びましょう。オーストラリアは牛肉の世界的な輸出国であることと関連させて考えてください。
>設問C
インドでは、牛を神聖視するヒンズー教徒や菜食主義者が多いため、中国に比べて肉類生産が少ない。その代わりとして、牛乳やバターなどの乳製品が、重要な動物性蛋白質の供給源になっている。(89字)
いいですね。「菜食主義」は必須ワードと思いますし、「ヒンドゥー教=牛を神聖視」も述べておかないといけません。本来なら「牛を食べない」ことは、「肉類の消費(供給)が少ない」ことと直接的には結びつかない(他の肉を食べればいいわけですからね)ので、これだけを理由とすると弱いのですが、ここではしっかり「菜食主義」も述べられています。文字数が多ければ「殺生を嫌う文化」という言葉も入れていいいかもしれませんね。
余談ですが、インドの長い歴史の中ではヒンドゥー教はむしろ新参者です。それよりはるか昔から、牛を神聖視する考え方やカースト制度による身分差別(職業区分)はありました。ですので、「ヒンドゥー教によって牛が神聖視される」や「ヒンドゥー教によってカースト制度が定められた」などは本来不正確です。とはいえ、インドの社会文化を語るうえで次ヒンドゥー教に触れないわけには行きませんので、「インドでは伝統的な考え方やヒンドゥー教によって、牛が神聖視されカースト制度による身分差別がみられる」のように、やや内容を曖昧な形にして記述する形が教科書などではよく見られます。ヒンドゥー教より大きく彼らの考え方に影響を与えているのは、伝統的な生活文化なのです。
また、農村の乳牛飼育を組織化し、保存や輸送などの技術の向上によって、流通経路が整備されたことで生産が拡大しました。これを「白い革命」と言いますね。この言葉を解答の何処かに入れても良かったでしょう。インドの主な動物性タンパク源が家畜(牛や水牛)の乳であることは重要ですね。
>設問D
日本では、伝統的に魚介類の消費量が多い。その上、農畜産物の輸入自由化に伴い、大量の肉・肉加工品を国外から輸入している。(59字)
いいですね。2つの側面から説明されています。適切です。
※ 『国内消費量(供給量)=国内生産量+{輸入量-輸出量}』
この考え方は、 1997年第2問設問C(2)/1993年第3問設問E でも出題されていましたね。
そうでしたか、私も確認してみますね。
>設問E
中西部のコーンベルトでは、とうもろこしや大豆等を栽培し、これらを飼料として豚や牛肉を肥育する、商業的混合農業が大規模に行われている。飼料・畜産物を輸出するアグリビジネスも発達する。(90字)
いいですね。全く問題ないでしょう。ホイットルセー農牧業区分については教科書などを参考に、30字あるいは60字で書く練習をしておいてください。こうした「アイテム」をたくさん蓄えておいて、適宜使っていけば、論述力がアップしますよ。ケッペンの気候区分、ホイットルセー農牧業区分、これらはマストアイテムです。
とくに「肉牛」や「商業的混合農業」とした点が素晴らしいと思いますよ。
・北ドイツ平原やポーランドは「豚」だけで構わないのですが、米国コーンベルトの場合は「豚と肉牛」とするべきですね。
・混合農業には厳密には「商業的混合農業」と「自給的混合農業」があります。前者が一般的な混合農業で、ドイツ〜ポーランド〜ベラルーシ、米国コーンベルト、ニュージーランド・カンタベリー平原などでみられます。「穀物・飼料作物」<「家畜」のバランスです。逆に穀物や飼料作物の生産が中心になるのが自給的混合農業で、これはロシアです。ただし、後者はほとんど話題になりません。センター(共通テスト)レベルでは無視して構いません。ただ、国公立二次ではこの二つの混合農業について理解しておいてもいいかなと思います。「商業的混合農業」が適切です。
「肥育」についても簡単に触れられていますが、最後のアグリビジネスの説明の部分はフィードロットの説明に入れ替えても良かったと思いますよ。肥育についてより詳しく述べることができたと思います。
例えば私はこのように書いてみました。
「五大湖の南のコーンベルトでは大豆ととうもろこしの輪作が行われ、それを飼料として豚や肉牛を飼育する商業的混合農業がみられる。フィードロットで農耕飼料により肉牛の肥育も行われる。」(87/90字)
良かったら参考にしてください。
- 2022.01.18 09:23
- たつじん
では添削いたします。
>東大 1995年
>第1問
>設問A
>(1) ヴォルガ川
正解です。ヴォルガ川はヨーロッパ最長の河川ですので、地図帳でチェックしておくといいですね。モスクワを中心としたロシア平原を流域に収め、カスピ海へと流れ込みます。カスピ海のような外海へと流出河川のない湖を「内陸湖」と言い、内陸湖に注ぐ河川を「内陸河川」と言います。ヴォルガ川はその典型例ですね。カスピ海周辺地域(同時にヴォルガ川の河口付近でもあります)の乾燥がいかに激しいかが想像できます。
>(2) 地形は、安定陸塊のロシア卓上地が流域全体に卓越しており、低平な大平原をなす。気候は、上・中流域では気温の年較差が大きい冷帯湿潤気候、下流域では乾燥するステップ気候が広がっている。(89字)
いいですね。前半を地形、後半を気候と明確に分けている点が好ましいです。適切な組み立てです。
地形についてはまさにその通りです。ロシアのウラル山脈以東の地域は「東ヨーロッパ平原」という構造平野ではあるのですが、これについては「ロシア卓状地」という言い方をしても構いません。
安定陸塊のうち、古代の岩盤がそのまま露出したものが「楯状地」、それに地層が重なった後に侵食を受け、平坦な地形になったものが「卓状地」です。なお、安定陸塊については「構造平野」という地形もありますが、長期間の侵食によって平坦化された平原のことを指すと考えてください。
細かい話をしていきますと、楯状地や卓状地はその形から生まれた名称であり、構造平野はその成因(この場合の「構造」とは地層のことです。地層が侵食され平坦化した地形なのです)から生まれた名称です。上記の説明からわかると思いますが、卓状地と構造平野や同じです。つまり「東ヨーロッパ平原(構造平野)」と「ロシア楯状地」は完全に重なるんですよね。大地形に関するキーワードは定義しにくいものが多く、注意が必要です。
ただし、楯状地だけは明確で、楯状地の主なものとして、スウェーデンとフィンランドの「バルト楯状地」、ラブラドル半島の「カナダ楯状地」を知っておきましょう。
ロシアのウラル山脈以東の地域(つまりヴォルガ川の流域ですね)は、東ヨーロッパ平原です。この地形については古い岩盤の上に地層が堆積し(つまり一旦海底になっているのですね)、それが隆起した後、侵食を受け、平坦な地形となりました。形状としては「卓状地」であり、形成のされ方としては「構造平野」となります(ただ、こういった細かいことは考えなくていいです)。
ですので「安定陸塊」「ロシア卓状地」「大平原」は全て正しいです。ロシア卓状地を「東ヨーロッパ平原」にして「構造平野」としても正しくなります。いずれにせよ、厳格な定義がされているわけでもなく、どちらを使っても問題ないはずです。
さらに気候ですが、これについてはケッペンの気候区分でシンプルに記述しているのがベストです。共通テストでは話題とならないケッペン気候区分ですが、むしろ国公立二次では必須アイテムであり、気候と問われれば必ずこれについて言及することが肝となります。
私はこう書いてみました。
「地形は先カンブリア代に造陸運動を受けた安定陸塊。ロシア卓状地の低平な地形。気候は上中流域で冷帯湿潤気候。土壌は灰白色のポドゾル。下流はステップ気候。黒土のチェルノーゼムが分布。(88字)
箇条書きスタイルを徹底し、中身の濃い文章にしました。
>(3) 流入水量の大部分を占める「アムダリア・シルダリア川」の水を、綿花栽培が中心の「農業」用水として大量に取水したため、湖面面積が縮小した。湖面の縮小は、蒸発量を減少させ、湖面「降水量」も減少させた。その結果、湖面面積がさらに縮小し、湖水位も大幅に低下した。(120字)
なるほど、わかりやすいですね。時系列に沿って文章が組み立てられています。「降水量」の使い方に苦労したとは思いますが、無難に(これは褒め言葉です。論述問題ではキーワードを無難に用いることが求められています)キーワードを使えています。
私はこのように考えてみました。
「ソ連時代に中央アジアの綿花栽培地域の拡大がなされ、農業用の灌漑用水としてアムダリア・シルダリア川からの取水が行われたが、過剰であったため、アラル海への河川流入量が激減し、湖面面積が縮小した。湖面面積の縮小の度合いに伴って、湖面降水量も減少しているが、湖面縮小の直接的な原因ではない。」(141字)
これを制限字数以内に縮めるわけですが、
「ソ連時代に中央アジアの綿花栽培のため、農業用の灌漑用水としてアムダリア・シルダリア川からの取水が行われた。過剰であったため、アラル海への河川流入量が激減し、湖面面積が縮小。湖面降水量は、湖面縮小に伴いその分だけ減少している。」(112字)
いかがでしょうか。チョウセイさんの場合は最初の文で「灌漑のための取水→湖面縮小」を一気に言い切っていますが、私は「灌漑のための取水」と「湖面縮小」を2つの文に分けています。時系列に沿って説明した場合、こういった書き方もあることを認識しておきましょう。
>設問B
>(1) 自動車の排気ガス。二酸化窒素は、主に自動車の排気ガスに含まれる。モータリゼーションの進展とともに、ロの数値も大きくなる。(60字)
いいですね。「石炭=硫黄酸化物」、「エンジン=窒素酸化物」ですね。
エンジン車はエンジン内で高温高圧により酸素を酸化させるため、どうしても窒素酸化物(二酸化窒素)が排出されます。このことがきちんと理解されていますね。おそらく自動車の通行量の多い路肩に設置された観測装置なのでしょう。「自動車の排ガス=窒素酸化物、化石燃料の燃焼=硫黄酸化物」ですね。
>(2) 「産業構造」の高度化・脱工業化や法規制により、工場等「固定発生源」からの汚染物質の排出は減った。一方、「物流」の中心となった自動車が増え、その排気ガスによる「人口集中」地区の汚染が深刻化している。(90字)
いいですね。前半と後半とで別の内容を説明できています。これは東大の問題によくあるパターンですね。
誤りとは言えませんが「産業構造の高度化」はちょっと気になりますね。産業構造の高度化といった場合には、第1次産業から第2次産業、第3次産業へと産業が高次化することであり、重厚長大産業からの脱却については「産業構造の変化」と言った方が適切です。
私はこのように書いてみました。
「規制の強化や技術の向上により二酸化硫黄の固定発生源であった工場からの排出は減少。一方、産業構造の変化や物流の活発化によって交通量が増し、人口集中地域である都市部からの二酸化窒素の排出は増加した。」(97字)
ちょっと字数がオーバーしましたね。調整してみましょう。
「規制の強化や技術の向上で二酸化硫黄の固定発生源である工場からの排出は減少。産業構造の変化や物流の活発化によって交通量が増し、人口集中地域である都市部からの二酸化窒素の排出は増加。」(89字)
このような形にはなると思います。本問は「石炭の燃焼→二酸化硫黄」「自動車の排ガス→二酸化窒素」という組み合わせがわかっているかどうかが解答のポイントだと思います。前者は法律の整備、脱硫装置の設置などにより克服されましたが、後者は自動車が増加していることもあり有効な対策がありません。今後は電気自動車の普及で状況が変わるのかもしれませんが。
- 2022.01.18 09:23
- たつじん
★投稿数を奇数にするため、空コメントを入れさせて頂きます。御了承下さい。
- 2022.01.10 12:28
- チョウセイ
東大 1995年
第1問
設問A
(1) ヴォルガ川
(2) 地形は、安定陸塊のロシア卓上地が流域全体に卓越しており、低平な大平原をなす。気候は、上・中流域では気温の年較差が大きい冷帯湿潤気候、下流域では乾燥するステップ気候が広がっている。(89字)
(3) 流入水量の大部分を占める「アムダリア・シルダリア川」の水を、綿花栽培が中心の「農業」用水として大量に取水したため、湖面面積が縮小した。湖面の縮小は、蒸発量を減少させ、湖面「降水量」も減少させた。その結果、湖面面積がさらに縮小し、湖水位も大幅に低下した。(120字)
設問B
(1) 自動車の排気ガス。二酸化窒素は、主に自動車の排気ガスに含まれる。モータリゼーションの進展とともに、ロの数値も大きくなる。(60字)
(2) 「産業構造」の高度化・脱工業化や法規制により、工場等「固定発生源」からの汚染物質の排出は減った。一方、「物流」の中心となった自動車が増え、その排気ガスによる「人口集中」地区の汚染が深刻化している。(90字)
- 2022.01.10 12:25
- チョウセイ
東大 1995年
第2問
設問A
ア-豚肉 イ-牛肉 ウ-とり肉
設問B
インド-水牛肉 サウジアラビア-羊肉 オーストラリア-羊肉
設問C
インドでは、牛を神聖視するヒンズー教徒や菜食主義者が多いため、中国に比べて肉類生産が少ない。その代わりとして、牛乳やバターなどの乳製品が、重要な動物性蛋白質の供給源になっている。(89字)
設問D
日本では、伝統的に魚介類の消費量が多い。その上、農畜産物の輸入自由化に伴い、大量の肉・肉加工品を国外から輸入している。(59字)
※ 『国内消費量(供給量)=国内生産量+{輸入量-輸出量}』
この考え方は、 1997年第2問設問C(2)/1993年第3問設問E でも出題されていましたね。
設問E
中西部のコーンベルトでは、とうもろこしや大豆等を栽培し、これらを飼料として豚や牛肉を肥育する、商業的混合農業が大規模に行われている。飼料・畜産物を輸出するアグリビジネスも発達する。(90字)
- 2022.01.09 20:40
- チョウセイ
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