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2021.12.22
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コメント
では添削いたします。
>東大 1993年
>第3問
>設問A
ア-小麦 イ-米 ウ-とうもろこし
これは問題ありませんね。簡単だったと思います。
>設問B
先進国では肉類の消費が多く、穀物は飼料として利用されるから。(30字)
いいですね。「飼料」という言葉さえ入っていれば合格圏と思います。
>設問C
主食は、キャッサバ・タロいもなどのいも類が中心であるから。(29字)
こちらもいいですね。具体的な作物名として「キャッサバ」が取り上げられているのが大変好ましいです。
>設問D
エ-エビ オ-サケ・マス
こちらもオッケイですね。なお、現在のサケ・マスの主な輸入先はチリであることも、是非確認しておきましょう。
>設問E
各国の「200海里漁業専管水域」の設定と燃料費の高騰により、遠洋漁業の漁獲高が激減し、輸入量が増加した。輸入の多くはエビ・マグロなどの高級魚で、「商社」が広く介入している。近年、国内の漁業は、海面「養殖」業や栽培漁業などの育てる漁業へと転換しつつある。(119字)
こちらもいいですね。日本の水産業に関する一般論としては大変適切だと思います。
ただし、問題文に「第2表を参考にして」という一文がありますので、これには留意しないといけません。第2表は、輸入水産物に関するものであり、そこにはエビやサケ・マス、ウナギなどが登場していますが、これらは主に養殖によるものです。「養殖」というキーワードは輸入水産物について使用するべきだったかと思います。
字数制限に余裕がある(120字)ですので、じっくり順を追って記述してみましょう。
「200海里漁業専管水域の設定により遠洋漁業が衰退し、やがて全体の漁獲量も減少した。商社の活動により水産物の輸入が増加した。エビやサケ・マスなど外国で養殖された水産物の輸入も多い。」(89字)
字数に余裕がありますので、もう少し説明を加えてみます。
1970年代の200海里漁業専管水域の設定により遠洋漁業が衰退し、1980年代には全体の漁獲量も減少。不足する供給を補うため、養殖業が発達し、商社の活動による水産物の輸入量が増加した。エビやサケ・マスなど外国で養殖された水産物の輸入も多い。(120字)
こういった感じでしょうか。シンプルな内容を書き連ねています。
今回の問題は、制限字数が短いもの(30字)と長いもの(120字)がいずれもみられ、それゆえの工夫が必要だったと思います。短い場合には。一つの事柄に集中し、それのみを確実に答えることが必要であり、一方、長い場合には多くのトピックを並列しながら記述することが求められます。さらに練習を重ねましょう。
- 2022.01.16 12:51
- たつじん
では添削いたします。
>東大 1993年
>第2問
>設問A
a-カラカス b-ブラジリア c-ブエノスアイレス
a-b:アマゾン川 b-c:ラプラタ川
いいですね。カラカスを除けばいずれも基本的な地名、都市名です。カラカスにしてもベネズエラの首都ですから、決してマイナーな都市ではありません。首都名は一覧にして覚えておくといいですね。
>設問B
アマゾン川流域は、「河川勾配」が緩やかで、「植生」はセルバと呼ばれる熱帯雨林である。伝統的な焼畑農業が行われる。近年、「林業」・牧畜の拡大による乱伐・裸地化の結果、「運搬土砂量」が増大する。ラプラタ川流域は、「河川勾配」 が緩やかで、「植生」はパンパと呼ばれる温帯草原である。小麦栽培や牧牛等の企業的な「農牧業」が行われる。(150字)
いいですね。ブラジルは北部と南部をしっかり分けることが大切です。アマゾン川流域はあくまで北部であり、アマゾン川流域の熱帯雨林(セルバ)です。ケッペンの気候区分としては実はサバナや熱帯モンスーンが広い範囲を占めるのですが、それらは無視したらいいですね。
カンボセラードやコーヒー栽培などブラジル高原のキーワードを挙げてしまう人もいるのですが、チョウセイさんはその点は問題ありませんね。
後半も問題ないかと思います。ラブラタ川はあくまで河口付近ので呼称であり、上流側は他の名称(パラナ川など)となっているのも確認してくださいね。
パンパについて論述しようとするといくら字数があっても足りませんので、この程度の記述で十分だったでしょう。
パンパは西部の乾燥バンパ、東部の湿潤パンパに分かれます。境界部の年降水量550ミリの一帯も含め、それぞれに特徴的な農牧業がみられます。
ちょっとわかりにくい表かもしれませんが、整理してみましたので参考にしてみてください。
<乾燥パンパ> 企業的牧畜 羊 アルゼンチン西部
<境界部(年降水量550ミリ)> 企業的穀物農業 小麦 バイアブランカ周辺
<湿潤パンパ> 混合農業 米・大豆・トウモロコシ・牛(牧場での放牧) ウルグアイ・アルゼンチン東部
>設問C
西麓では地中海性気候・ステップ気候、東麓ではステップ気候・砂漠気候が分布し、ともに乾燥地であり、穀物栽培には適さない。そのため、アンデス山脈の「氷雪」の融雪水が流れる「外来河川」の水を灌漑に利用し、ブドウ等の耐乾性「農作物」を栽培する商業的農業を行う。(120字)
ケッペンの気候区分を明確しているのが適切です。まず最初に気候区分を明確にしていますね。わかりやすい文章構成です。
さらにブドウが乾燥地域で栽培されやすい作物である点にもしっかり言及できており、この点も好ましいと思います。
「外来河川」が難しかったかも知れませんが、そのような書き方しかありませんもんね。うまくクリアしています。
私はこう書いてみました。
「チリ中部は寒流の影響により、アルゼンチン西部では偏西風の風下側斜面であることにより、それぞれ比較的乾燥した気候がみられる。アンデス山脈の氷雪の融氷水、融雪水を水源とする外来河川によって灌漑がなされ、ブドウなど耐乾性の農作物の栽培が行われる。」(120字)
ケッペンの気候区分を用いないパターンです。気候の成因(寒流、風下斜面)について説明しています。
やはり「外来河川」が難しかったですね。「湿潤地域を水源とする」河川であるため、その点を強調して説明してみました。
- 2022.01.16 12:51
- たつじん
では添削いたします。
>東大 1993年
>第1問
>設問A
>(1) 三大都市圏への人口集中が依然続いた。ところが、地価の高騰や大気汚染・騒音等の居住環境悪化に伴い、住民が郊外に流出した。(59字)
「都市圏」の概念(都心部と郊外から構成される)を的確に捉え、そのうえで「郊外」への人口流出を説明している点が高評価です。
ただ、やや内容が薄いような気がしますね。「ところが、」のように接続表現で5文字を消費するならば、内容をもっと凝縮して伝えることもできたかと思います。
具体的には「なぜ郊外の人口が増えたのか」と言うことです。例えば交通手段発達による都市圏(通勤圏)の拡大が背景にあるはずですよね。
「三大都市圏の人口が急増。都心部では地価高騰や大気汚染・騒音等居住環境の悪化がみ生じ、交通機関発達を背景に郊外へ人口が流出。」(60字)
都心部の状況、郊外の状況を、それぞれ視点を変えて論述するのがコツです。
>(2) a-建設業 b-鉱業
いいですね。適切です。
>(3) 石炭から石油へエネルギー革命が進行した。安価な輸入石炭の増加もあり、石炭産業が衰退した。炭鉱閉山に伴い、人口が流出した。(60字)
いいですね。チョウセイさんはこうした「時系列」に沿って説明するのが上手いですね。とてもわかりやすいです。こちらは60字に3つのトピックを詰め込み、密度の高い文章になっています。
>設問B
札幌・福岡は、地方中枢都市として官庁や企業の支社等が集中し、本社がある首都東京との連絡が多い。東京から遠距離にある両市との往来においては、新幹線・高速道路と比べると、運賃差が小さくて時間距離を短縮する効果が大きいため、航空機利用が多くなる。(120字)
こちらもうまいですね。120字という長文論述を書くテクニックも身についたのではないですか。東大論述で、根拠なく字数制限が与えられているケースはありません。かならず字数に意味があります。本問の120字については、「60字×2」であることを理解し、それにそって、2つの文を書き切ることが必要だったわけです。
一つは札幌と福岡が地方中枢都市として重要である点。一つは時間距離を考えた場合航空交通を利用することが適切である点。この2つの「全く異なる内容の文」を並べることが重要でした。
私も書いてみました。
「札幌と福岡はそれぞれ北海道と九州の地方中枢都市であり、経済や文化、地域行政の拠点となっている。それゆえ東京との人的な交流が大きい。しかし距離が遠いため、新幹線など鉄道を利用するより、航空機を利用した方が時間も短縮できコストも安い場合がある。」(120字)
こういった形でしょうか。航空機の運賃については微妙なのですが、とりあえず「安い場合もある」としてみました。
- 2022.01.16 12:47
- たつじん
東大 1993年
第1問
設問A
(1) 三大都市圏への人口集中が依然続いた。ところが、地価の高騰や大気汚染・騒音等の居住環境悪化に伴い、住民が郊外に流出した。(59字)
(2) a-建設業 b-鉱業
(3) 石炭から石油へエネルギー革命が進行した。安価な輸入石炭の増加もあり、石炭産業が衰退した。炭鉱閉山に伴い、人口が流出した。(60字)
設問B
札幌・福岡は、地方中枢都市として官庁や企業の支社等が集中し、本社がある首都東京との連絡が多い。東京から遠距離にある両市との往来においては、新幹線・高速道路と比べると、運賃差が小さくて時間距離を短縮する効果が大きいため、航空機利用が多くなる。(120字)
- 2022.01.09 19:08
- チョウセイ
東大 1993年
第2問
設問A
a-カラカス b-ブラジリア c-ブエノスアイレス
a-b:アマゾン川 b-c:ラプラタ川
設問B
アマゾン川流域は、「河川勾配」が緩やかで、「植生」はセルバと呼ばれる熱帯雨林である。伝統的な焼畑農業が行われる。近年、「林業」・牧畜の拡大による乱伐・裸地化の結果、「運搬土砂量」が増大する。ラプラタ川流域は、「河川勾配」 が緩やかで、「植生」はパンパと呼ばれる温帯草原である。小麦栽培や牧牛等の企業的な「農牧業」が行われる。(150字)
設問C
西麓では地中海性気候・ステップ気候、東麓ではステップ気候・砂漠気候が分布し、ともに乾燥地であり、穀物栽培には適さない。そのため、アンデス山脈の「氷雪」の融雪水が流れる「外来河川」の水を灌漑に利用し、ブドウ等の耐乾性「農作物」を栽培する商業的農業を行う。(120字)
- 2022.01.09 17:59
- チョウセイ
東大 1993年
第3問
設問A
ア-小麦 イ-米 ウ-とうもろこし
設問B
先進国では肉類の消費が多く、穀物は飼料として利用されるから。(30字)
設問C
主食は、キャッサバ・タロいもなどのいも類が中心であるから。(29字)
設問D
エ-エビ オ-サケ・マス
設問E
各国の「200海里漁業専管水域」の設定と燃料費の高騰により、遠洋漁業の漁獲高が激減し、輸入量が増加した。輸入の多くはエビ・マグロなどの高級魚で、「商社」が広く介入している。近年、国内の漁業は、海面「養殖」業や栽培漁業などの育てる漁業へと転換しつつある。(119字)
- 2022.01.09 16:07
- チョウセイ
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