ブログ

では添削いたします。

＞東大 2011年度 第2問
＞設問B
＞(1) 資源分布の偏りにより、輸入国はレアメタルの安定確保が困難。生産国は資源の価格変動に経済が左右されやすく不安定である。

なるほど、供給側の輸出国と消費側の輸入国尾の立場をそれぞれ述べていますね。いい組み立てだと思いますよ。うまい文章です。

＞(2) 政情不安などで突然資源供給が停止する場合に備え、一定量を予め備蓄する。廃棄された機器からレアメタルを抽出し再利用する。

これもいいですね。後半は「都市鉱山」の話ですが、無理にこの言葉を使う必要もなかったと思います（概念そのものを示す言葉であり、なかなか文章中で用いることが難しい言葉かと思います）。

＞2014年度　第3問

＞設問A
(1) 家族で経営している中小企業が分業体制を整えて集積している。デザインやブランド化などで付加価値を高めて生産する。

サードイタリーについては「中小企業のネットワーク」という言葉がよく使われますので、これをどこかに利用して欲しかったところですね。

また「デザインやブランド化」はいいのですが、具体的に何を作っているかが述べられていませんよね。「衣類」や「皮革製品」など挙げて欲しかったところです。

「中小企業のネットワークを生かした生産体制。伝統技術が生かされたデザイン性の高い衣類や皮革製品などの生産。」（52字）

こういう感じでしょうか。

＞(2) 人口が少ないので経済規模は小さい。それでも国際競争力を維持しようと、高度人材を育成する教育が盛んに行われているため。

なるほど、「人口」の使い方が工夫されていますね。悪くないと思いますよ。

人口の少なさが経済規模の小ささ（ＧＤＰの小ささ）になり、つまり「ＧＤＰに占める〜」の値の低さにつながることを説明するのが一般的な解答だったと思います。

なお、私はこう書いてみました。

「経済レベルが高く教育水準も高いため高度人材の育成に優れる。人口が少なくGDPが小さいこともGDPに占める研究開発費が高い要因。」（59字）

「経済レベル」とはすなわち「1人当たりGNI」「1人当たりGDP」のことなのですが、文章のバランスを考えこの言葉を用いています。「教育」と「高度人材」がここで使えますね。

また「人口」というキーワードがあるので「人口が小さい＝GDPが小さい」ことから相対的に割合が上がることにも言及できます。

なお、「人口」は実数ですので「少なさ」という表現で妥当です。同じように「GDP」も実数ですので（経済規模の大きさを表します）、こちらも「小さい」とするべきです。「低い」とは割合の時に使う言葉ですね。

人口、GDP（GNI）・・・実数（大きい・小さい）（多い・少ない）
1人当たりGNI（1人当たりGDP）、GDPに占める研究開発費・・・割合（高い・低い）

実数と割合を使いこなしてください。地理は統計学です。

＞設問B
(1) 関税が撤廃されたEU域内では分業体制が採られる。所得水準が低い東欧で生産された部品を輸入し組み立てて域外に輸出するため。

「国際分業」という言い方はとてもいいと思います。教科書などでも意味をしっかり確認しておいてくださいね。

ただ、本問はフランスについての問いですので「航空機」は挙げるべきだったと思いましよ。

私はこう書いてみました。

「国内に航空機の組立工場が立地。EU域内から部品を輸入するため輸入超となる。完成品を域外へ輸出するため輸出超となる。」（57字）

どうでしょうか。「輸入超」と「輸出超」という言葉を対比的に用いている点にも注目してください。

＞(2) スペインはEU域内で関税が撤廃され労働賃金も比較的安い。そこでドイツやアメリカの自動車メーカーが工場をスペインに移転させ、EU市場向けの自動車を生産しEU域内に輸出しているため。（89字）

いいですね。本問は簡単な内容だったのですが、それをいかに「90字に膨らませるか」が課題だったと思います。

スペインに主に進出しているのは同じEU圏内のドイツやフランスのメーカーですので、自由貿易であるメリットが生かされていますことに注目しましょう。

「９０字＝３トピック（３文）」と考え、組み立てを考えてみます。

（１）スペインは賃金が低い。
（２）外国（ＥＵ内のドイツやフランス）から自動車工場が進出。
（３）組み立てられた自動車はＥＵ域内に輸出される。

これらを一つずつ記述してみましょう。

例えばこうなります。

「スペインは人口が比較的多く経済レベルが低い。安価で豊富な労働力を求め周辺国から自動車の生産拠点が進出する。EU加盟国であり域内貿易が自由化されているため、部品や製品の輸出入が活発。」（89字）

良かったら参考にしてくださいね。

＞(3) 中国からは労働集約型の日用品、ロシアからは石油や天然ガス、日本からは知識集約型の電子機器や自動車を多く輸入しているため。

いいですね。問題ないでしょう。

東大 2011年度 第2問
設問B
(1) 資源分布の偏りにより、輸入国はレアメタルの安定確保が困難。生産国は資源の価格変動に経済が左右されやすく不安定である。
(2) 政情不安などで突然資源供給が停止する場合に備え、一定量を予め備蓄する。廃棄された機器からレアメタルを抽出し再利用する。

2014年度　第3問
設問A
(1) 家族で経営している中小企業が分業体制を整えて集積している。デザインやブランド化などで付加価値を高めて生産する。
(2) 人口が少ないので経済規模は小さい。それでも国際競争力を維持しようと、高度人材を育成する教育が盛んに行われているため。
設問B
(1) 関税が撤廃されたEU域内では分業体制が採られる。所得水準が低い東欧で生産された部品を輸入し組み立てて域外に輸出するため。
(2) スペインはEU域内で関税が撤廃され労働賃金も比較的安い。そこでドイツやアメリカの自動車メーカーが工場をスペインに移転させ、EU市場向けの自動車を生産しEU域内に輸出しているため。
(3) 中国からは労働集約型の日用品、ロシアからは石油や天然ガス、日本からは知識集約型の電子機器や自動車を多く輸入しているため。