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2022.01.27

698

コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性があります。その際は他のフォームに再投稿していただけますでしょうか。お手数ですが、よろしくお願いいたします。(従来のDMによるお問い合わせは取りやめといたしました。ご理解くださいませ)

コメント

では添削いたします。

>東大1999年度第2問
>設問A
>(2) 原油輸出で国家財政が潤い、建築工事等が盛んに行われる。しかし人口規模が少ないので、労働力不足を外国人労働者で賄っている。

いいですね。「人口規模が少ない」ことに言及できている点がとくにいいかと思いますよ。

私はこう書いてみました。

「1970年代以降豊富な石油収入により社会資本などの建設が盛んに。自国の人口は少なく、南アジアなどから安価な労働力を迎え入れた。」(60字)

時代に関しても説明してみました。

>(3) 低賃金の外国人労働者に対する社会保険制度の負担が増加。文化摩擦や移民排斥運動が起こる。増加し続ける外国人労働者への差別を撤廃し、社会保障や雇用における権利を保障する必要がある。

ちょっと解釈の難しい問題なんですよ。「社会制度の課題」ですよね。ですので「文化摩擦や移民排斥運動が起こる」では回答になっていないのですよ。それらが生じるから、社会制度を整備しないといけない、といった論調にするべきでした。

例えばこういった形です。

「移民の増加でドイツ人の雇用が減少することから、失業者対策や職業訓練制度の充実が必要。言語の多様性から、教育制度の整備など。貧困層の拡大も考えら、社会保障や医療制度の拡充も。」(86字)

いかがでしょうか。この問題は他の生徒も誤った回答(解答)をしていました。慎重さが必要な問題でしたね。

>設問B
>(1) 石炭産業の衰退で雇用機会が減少し、男性の労働力が流出した。

北海道ですね。石炭に言及できた点が適切です。

>(2) 自動車産業や石油化学工業など、男性の労働力を多く必要とする重化学工業が発達したので、男性が雇用機会を求めて多く流入した。

合格圏の解答かと思います。本問で難しいのは「共通の理由」です。dとeは愛知県と千葉県のいずれかですが、両県の条件は全く異なります。

<千葉県>
(1)東京大都市圏の郊外に位置し、都心部(東京)へと通勤する人々が流入。サラリーマンには男性が多い。
(2)京浜工業地帯に接する優位性から、京葉工業地域が誕生。臨海部に石油化学工業と鉄鋼業が発達(日本の工業地帯・地域で唯一、機械工業ではなく化学工業の出荷額が最大となっている)。

<愛知県>
(1)名古屋大都市圏を含み、多くの人口が流入。サラリーマンには男性が多い。
(2)工業については日本最大の出荷額。内陸部の豊田市を中心に自動車工業、さらにその周辺では自動車部品の生産など(それらは港湾から輸出もされる)。臨海部では鉄鋼業。

(1)の条件については「千葉県=郊外」「愛知県=都心部(郊外も含む)」であるため、異なっています。これについて言及するのは難しそうです。

(2)が中心になりますね。ただし、両者の状況は全くことなっています。千葉県が臨海部の資本集約型工業ならば、愛知県は内陸部に位置する労働集約型工業です。

つまり、いずれも詳細に書こうとすると必ず矛盾が生じます。むしろ、要点はぼかしつつ、曖昧に答えることがポイントとなるでしょう。

「ともに高度経済成長期以降、急速に工業化が進んだ県。鉄鋼業や自動車工業での労働者が流入するが、彼らは主に男性であるため。」(59字)

こういった形でしょうか。

>東大1997年度第1問
>設問A
>(2) 河川の氾濫が起こらなくなり肥沃な土壌の提供がなくなったので地力が低下。下流部に運搬される土砂の量が減り、海岸侵食が進む。

いいですね。与えられた字数制限に対し、明らかに書くべき内容が多いので、シンプルに記述する必要があります。

私はこう書いてみました。

「洪水による沿岸耕地への肥沃土の供給が減少した。河口三角州の縮小。地中海東部の漁獲量減少。灌漑農業による塩害発生。」(56字)

箇条書きスタイルを意識し、できるだけ多くのトピックを挙げてみました。

>設問B
>(2) 熱帯雨林や草木灰などの再利用可能な自然資源を利用し、高度な技術や高額の資金が不要。しかし土壌が不毛で土地生産性が低い。耕地を拡大するため焼畑耕地が短縮され、熱帯雨林の伐採が進む。

いいですね。ただ、「焼畑周期の短縮」の方が適切だったでしょうね。「資金」も「資本」にしてみてはどうだったでしょう。

この問題では問題では利点と欠点をそれぞれ整理して述べることが求められています。下のように整理してみました。

(利点)伝統的な農法であるため、特別な技術や資本投下が必要ではない。
(欠点)森林の再生能力を超えて行われた場合、熱帯林減少の原因となる、

利点については、焼畑農業の特徴を他の農業形態と比較して考えることが大事だと思います。例えば新大陸の企業的な農業と比べてみて、技術も資本も必要としないことは明確ですね。

欠点については、しばしば短絡的に「熱帯林の減少」と結び付けられることも多いのですが、これだけでは不足です。「過度」に焼畑が行われた場合こそ森林は失われるのみですが、再生能力とのバランスを考えて行われるならば、むしろ老木を退け若木の生育を促すことで森林の更新がなされることになります。実は「環境に優しい」農業形態でもあるのですね。


>設問C
>内陸部の乾燥気候下では企業的牧畜、温帯の沿岸部の地中海性気候下ではぶどうやオリーブ、小麦の栽培が盛ん。レアメタルや金、ダイヤモンドなど豊富な鉱山資源を生かした重化学工業が盛ん。

いいですね。「気候」、「農業」、「鉱業」、「産業」が効率よく配置されています。とくにハイベルトについて言及している点が好ましいと思います。新大陸以外で企業的牧畜が行われる希少な地域で、牧羊とトウモロコシ栽培が行われます。特徴的な地域ですね。

ただ「重化学工業」は気になります。資源は輸出されていますので、国内でそれを加工する産業は発達していません。南アフリカは低賃金を利用して、ドイツから自動車工場が進出しています。自動車の輸出が多いことも確認しておきましょう。

もう少し説明していきます。

まず気候と農業ですが、南アフリカ共和国で広い面積を占めるのはステップ気候です。内陸部の高原地帯は「ハイベルト」と呼ばれ、旧大陸(ユーラシアとアフリカ)で唯一の「企業的牧畜」地域となっています。羊の放牧のほか、トウモロコシの栽培も行われます。
(南部ではなく)南西部の地中海性気候ももちろん重要で、こちらは地中海式によるブドウの栽培ですね。
鉱業についてはやはり金(金鉱)が最も重要です。ダイヤモンド鉱や石炭、鉄鉱石もアフリカ有数の産出国となっています。著名な鉱山は内陸部にありますので、確認しておくといいでしょう。鉱業都市はヨハネスバーグ(金鉱)、キンバリー(ダイヤモンド)など。
もちろんレアメタルとして、マンガンとクロムの産出がとくに多くなっていますね。さらに輸出品目の上位に白金があり、これもハイテク産業には必須の金属資源です。
産業については基本的には上記の鉱業について書けばいいとは思いますが、もちろん機械工業について述べるのも適切です。ドイツから工場が進出し、一部では高級車の生産もみられるそうです。

「南西部の地中海性気候地域ではブドウの栽培、内陸部のステップ地域では企業的牧畜による羊の飼育。内陸部には金やレアメタルの鉱山。南東部では石炭の産出も。鉄鋼業や自動車工場も発達。」(87字)

こういった形になります。参考にしてみてくださいね。





  • 2022.02.16 11:20
  • たつじん

東大1999年度第2問
設問A
(2) 原油輸出で国家財政が潤い、建築工事等が盛んに行われる。しかし人口規模が少ないので、労働力不足を外国人労働者で賄っている。
(3) 低賃金の外国人労働者に対する社会保険制度の負担が増加。文化摩擦や移民排斥運動が起こる。増加し続ける外国人労働者への差別を撤廃し、社会保障や雇用における権利を保障する必要がある。
設問B
(1) 石炭産業の衰退で雇用機会が減少し、男性の労働力が流出した。
(2) 自動車産業や石油化学工業など、男性の労働力を多く必要とする重化学工業が発達したので、男性が雇用機会を求めて多く流入した。

東大1997年度第1問
設問A
(2) 河川の氾濫が起こらなくなり肥沃な土壌の提供がなくなったので地力が低下。下流部に運搬される土砂の量が減り、海岸侵食が進む。
設問B
(2) 熱帯雨林や草木灰などの再利用可能な自然資源を利用し、高度な技術や高額の資金が不要。しかし土壌が不毛で土地生産性が低い。耕地を拡大するため焼畑耕地が短縮され、熱帯雨林の伐採が進む。
設問C
内陸部の乾燥気候下では企業的牧畜、温帯の沿岸部の地中海性気候下ではぶどうやオリーブ、小麦の栽培が盛ん。レアメタルや金、ダイヤモンドなど豊富な鉱山資源を生かした重化学工業が盛ん。

  • 2022.02.09 12:08
  • いぇい

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