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2024.09.07

1786

 2024年度たつじんオープン添削投稿フォームになります。第26回の分をこちらに投稿してください。

ハンドルネームは毎回固定にしてください。金曜日にお題発表し、翌週の木曜までに解答を投稿してください。夜は21時までを厳守です(21時を過ぎた分については添削しません)。遅くなってしまう場合は翌日の朝5時以降に投稿してください。
人数が増えるかもしれないので添削は簡易になります。ご了解ください。その代わり、みなさんの質問には答えますので、解答の後に「質問」がある場合はそれを添えてください。
対象は東大志望生以外でも構いません(ただし論述が問われる大学に限る)。東大以外の場合は志望校も書いておいてくださいね。参加資格は「最後まで投稿を継続すること」、この一点です。勉強を積み重ねていきましょう。

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ドゥーチェさんこんにちは。では添削いたします。


>‘18 第2問

設問A
(1)
工業製品輸出が、経済発展した中国の他港へ分散し、前者は相対的に低下。(34字)
後者は域内分業の進むASEANの中継貿易港の機能を維持。(26字)

いいですね。本問は「域内分業」がキーワードだったわけですが、その拠点としてのシンガポールの重要性を認識しましょう。前半は「相対的に低下」が効いていますが、ちょっと言葉が足りなかったかな。「相対的に地位が低下」ですよね。


>(3)
米国東部からばら積み船で穀物輸入、コンテナ船で工業製品輸出。(30字)
広大なアメリカ大陸で、海輸は陸上輸送に比べ商品あたり輸送費を抑えられるため陸輸は衰退も、船舶大型化で全体の輸送量は増加。(60字)

本問は難しかったですよね。意味はわかるのですが、それを言い尽くすには字数が足りません。ドゥーチェさんはよく工夫して回答をつくっていますね。及第点に思います。

>設問B
(1)
厳格なイスラム国家・イランは、イスラーム法に基づく政教一致の国で、宗教上の最高指導者が統治。(46字)A国は政教分離の民主主義国家。(14字)

ここは「民主主義」は使いにくいですね。「トルコ=民主主義」ならば「イランは民主主義ではない」と捉えられてしまいます。民主主義の反対語は専制国家、独裁国家です。イランはイスラームの指導者を中心とした民主国家であり、共和国です。

最初の「厳格なイスラム国家」を省いてしまい、後半を「A国は政教分離で大統領を中心とした政治」などにしてはどうでしょうか。エルドアン大統領の略歴など調べてみたらどうでしょう。エルドアンこそ経済的にはEUとの一体化を図り、国内ではイスラーム保守派の意見を取り込み、国際関係ではイスラエルやイランとの交渉を密にするなど、(善人とは言い難いですが、、、)国際舞台で立ち振る舞う偉人の1人かと思います。


>(2)
前者は天然ゴム、後者はさとうきびを、プランテーションで栽培し、共通の宗主国イギリスに輸出。(45字)
安価な労働力として印僑が移住。(15字)

とてもいいですね。南アフリカのさとうきびは難しかった(これについては言及できなくても問題ありません)と思いますが、全体的に過不足なくキーワードが使えており、いい回答に仕上がっています。

>(3)
工業化の進展で経済水準が上昇した前者は、人口増加で市場規模が拡大した後者へ、(38字)
労働集約型工業や、資源開発に対し投資を行う。(22字)

なるほど、こちらもいい回答ですね。特定の国や地域に関するものではなく、地理の一般的な原則論に則ったものになっていますね。

>【感想】
A…「国際海運」は馴染みのないトピックでしたが、問題文・図表に忠実に従えば、それらしい答案は作成できそうです。

たしかにそうですね。幅広いジャンルに備えておくことも大事ですが、逆に「知らない」ジャンルだからこそ、その場で「思考」によって解いてしまうというテクニックも大切ですよね。

>B⑴…「宗教にかかわる統治のあり方」も見慣れないトピックだったので面食らいました。【イスラム教=政教一致】はあまり意識したことがなかったのですが、なるほど、たつじん先生がセンター解説動画でやたら「トルコ=政教分離」を強調されていた理由が分かりました!

ここが難しいんですよね。イスラームは差別のない宗教です。コーランのもとに人々はみな平等です。男女差別もありません。ただ、現在は「女性保護=家庭の中で守られ、過剰な労働から免れている」がねじ曲がって解釈され、「社会進出」が許されません(一方で、イスラーム地域ではインドなどのように女性が学校に通えないとか、字が読めないってことはないんですよね。教育はしっかり行われています。そもそも勉強しないとコーランは読めません)。身分差別も存在せず、王侯貴族の存在も許されないのです。しかし、サウジアラビアなど西アジアの国は「君主制」の国が多いですよね。日本も同じく君主制の国ですが、日本の場合は立憲君主制であり、王侯(天皇家)に実権はありませんが、西アジア諸国には王侯が政治的な権力wも有する「専制君主制」の国が多いですよね。これ、本来のイスラームの理念とは逆行するものなのです。

一方で、イランは王政を打倒し(かつてイランの王家はアメリカの石油メジャーと結ばれていました)、イスラーム指導者を中心とする「イスラム共和国」をつくりました。イスラームの考え方に沿った国づくりがなされているのですね。世界で最も厳格なイスラーム国家と呼ばれています。

トルコはそんな西アジアの国の中ではちょっと変わっていて、むしろ政治的にはイスラームからの脱却が進められています。エルドアン大統領の脱イスラームの動きは、しかし若者(若い世代に熱心はイスラーム京都が多いのです。我々のイメージとはちょっと逆ですよね)はその政策に反対し、より厳格なイスラーム国家を目指す動きもあるのですね。エルドアンの脱イスラームはつまり親EUということでもあるのですよ。トルコはすでに死刑制度は廃止されています。EUの国の全てが死刑を廃止していることに倣っているのです。実は私は、日本の死刑制度は廃止するべきだと思っているのですが、それは感情的な議論ではなく、単に将来「日本のEU加盟」という可能性が生じた時に(これ、十分に考えられますよ)もしかして死刑制度の存在がその障害になってしまうんじゃないかとも懸念しているのです。

ドゥーチェさんもこういったことについてぜひ考えてみてくださいね。

>【余談】
実は今週、呼吸器系の病気で入院していました(現在進行形)。

そうだったのですか! 無理をしないでお大事にしてくださいね。今のうちにしっかり休んでおいて、冬以降のラストスパートに備えておきましょう。

>国数英を勉強する気になれなかったので、今回以降のオープン添削の答案を、何回分か先取り作成していたのですが、第31回(1998年度第1問)の問題が、最新版の赤本(教学社・駿台両方)に掲載されていなかったことだけここでお伝えします。

それは気づきませんでした。では31回についてはカットしておかないといけませんね。ありがとうございます。

現在、11月まではStSpの撮影でちょっと動きにくいのですが、それが終わればフリーになり、より受験対策に専念できます。現在たつじんオープン添削は40回分(第31回を除けば39回分)ありますが、おそらく12月までには終了してしまうでしょう。その後、新規に第41回以降も解説動画をつくろうと思いますが、その際にはより新しい年度(過去問で入手しやすいもの)をお題に採用したいと思っています。

  • 2024.09.12 16:51
  • たつじん

‘18 第2問

設問A
(1)
工業製品輸出が、経済発展した中国の他港へ分散し、前者は相対的に低下。(34字)
後者は域内分業の進むASEANの中継貿易港の機能を維持。(26字)

(3)
米国東部からばら積み船で穀物輸入、コンテナ船で工業製品輸出。(30字)
広大なアメリカ大陸で、海輸は陸上輸送に比べ商品あたり輸送費を抑えられるため陸輸は衰退も、船舶大型化で全体の輸送量は増加。(60字)

設問B
(1)
厳格なイスラム国家・イランは、イスラーム法に基づく政教一致の国で、宗教上の最高指導者が統治。(46字)
A国は政教分離の民主主義国家。(14字)

(2)
前者は天然ゴム、後者はさとうきびを、プランテーションで栽培し、共通の宗主国イギリスに輸出。(45字)
安価な労働力として印僑が移住。(15字)

(3)
工業化の進展で経済水準が上昇した前者は、人口増加で市場規模が拡大した後者へ、(38字)
労働集約型工業や、資源開発に対し投資を行う。(22字)

【感想】
A…「国際海運」は馴染みのないトピックでしたが、問題文・図表に忠実に従えば、それらしい答案は作成できそうです。
B⑴…「宗教にかかわる統治のあり方」も見慣れないトピックだったので面食らいました。【イスラム教=政教一致】はあまり意識したことがなかったのですが、なるほど、たつじん先生がセンター解説動画でやたら「トルコ=政教分離」を強調されていた理由が分かりました!

【余談】
実は今週、呼吸器系の病気で入院していました(現在進行形)。国数英を勉強する気になれなかったので、今回以降のオープン添削の答案を、何回分か先取り作成していたのですが、第31回(1998年度第1問)の問題が、最新版の赤本(教学社・駿台両方)に掲載されていなかったことだけここでお伝えします。

今週もよろしくお願いいたします。

  • 2024.09.07 12:00
  • ドゥーチェ

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