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2024.10.04
1830
2024年度たつじんオープン添削投稿フォームになります。第30回の分をこちらに投稿してください。
コメント
かるがもさんこんにちは、では添削いたします。
>2003年 第3問
>B(1)オイルショック後、アメリカ合衆国等で高性能な日本車の人気が高まった。
輸出が増加したが、貿易摩擦が発生した。
解決のため欧米市場向けの現地生産が開始され、日本の輸出が減少。
いいですね、本問のポイントは「増えた」ことと「減った」ことをそれぞれ別個に説明することにありました。2トピックを徹底する、いかにも東大らしい問題ですよね。構成が全てだったと思います。
>(2)日本国内での賃金が上昇、円高により生産費が割高になったため、安価な労働力を求めてASEAN諸国に工場が進出。国内での生産が減少し、日系企業の海外製品の輸入が増加した。
なるほど、円高の使い方がうまいですね。ただ、円高になると輸入に有利となり、海外からの資源輸入のコストが相対的に安くなるので、直接的には「生産費が割高」にならないのですよ。もちろん円高で賃金水準が上がったことで「労働コスト」は上がるのですが、それについてはすでにその前に説明していますよね(「日本国内での賃金が上昇」という箇所です)。
私はこういった問題では「円高」って言葉、使わないのですよ。円高はどうも地理っぽい言葉じゃないように思うんですよね(苦笑)。日本史でしたらプラザ合意とセットで登場する言葉ですが、プラザ合意のように人為的に貨幣の価値を決めてしまうのは、あくまで「理論」を重視する地理とは考え方が合わないと常々思っているのです。実際、地理で「プラザ合意」が問われることはありません。
ですのでここは「賃金の上昇」に話を絞ってしまっていいと思いますよ。賃金水準の上昇によって「国際競争力が低下し」や「製造コストが高くなり」など説明してみてはどうだったでしょう。その方が理論的なつながりが見え、「地理的」だと思います(円高って言い切っちゃうのは地理的と思わないんですよね)
>A(3)重化学工業から機械工業や知識集約型産業へ産業構造が転換し、水の使用量が減った。工業用水の循環利用技術が発達した。
いいですね。これは2つのキーワードをそのまま使う問題でした。シンプルだからこそ確実に記述することが述べられています。
>感想:
「資源多消費型工業」、「知識集約型産業」などの単語、「産業構造が転換」「産業構造の高度化」「国際競争力が低下」などの決まり文句がぱっと出てくるための「暗記」が大事なのですね。まだ「安価な労働力」くらいしかぱっと出てきません。頑張ります。
そうなんですよ!そこなんです!定型文(決まり文句)をいくつ覚えておくかということなのです。ただ、それは決して多くありませんし、意味もさほど難しくありません。使い方を覚えるだけなんですよ。私など地理の知識は浅いものですが、こういった言葉の使い方をいくつか覚えていることが、まがりなりにも地理の指導ができている要因だと思っています。今回の問題でも「円高」や「プラザ合意」は不要なのですよ。それより「安価な労働力」や「国際競争力の低下」などが重要なのです。カタカナ言葉や地名ではなく、こういった「日本語」が大切なんですよね。
- 2024.10.20 14:19
- たつじん
2003年 第3問
B(1)オイルショック後、アメリカ合衆国等で高性能な日本車の人気が高まった。
輸出が増加したが、貿易摩擦が発生した。
解決のため欧米市場向けの現地生産が開始され、日本の輸出が減少。
(2)日本国内での賃金が上昇、円高により生産費が割高になったため、安価な労働力を求めてASEAN諸国に工場が進出。国内での生産が減少し、日系企業の海外製品の輸入が増加した。
A(3)重化学工業から機械工業や知識集約型産業へ産業構造が転換し、水の使用量が減った。工業用水の循環利用技術が発達した。
感想:
「資源多消費型工業」、「知識集約型産業」などの単語、「産業構造が転換」「産業構造の高度化」「国際競争力が低下」などの決まり文句がぱっと出てくるための「暗記」が大事なのですね。まだ「安価な労働力」くらいしかぱっと出てきません。頑張ります。
今週もよろしくお願いします。
- 2024.10.05 17:23
- かるがも
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