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2024.10.19
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2024年度たつじんオープン添削投稿フォームになります。第33回の分をこちらに投稿してください。
コメント
ハッピーさんこんにちは。では添削いたします。
>2001 1
B
(2)灌漑の整備により従来農業が不能であった乾季も作物栽培が可能となった。灌漑が整備された地域は高収量品種や化学肥料の導入による緑の革命が進展し、農業生産性が上昇した。
とてもいいですね。2つの文に分けた上で、それぞれの文の内容がとても「濃い」ものとなっています。地理用語にあふれており、とても無題のない解答に思いました。満点回答ですよ。
>C
(3)経済の自由化と外資の導入により重化学工業やICT産業が発達し工業化が進んだ。このため、カーストにとらわれない職業の出現や中間層の拡大で購買力が上昇し経済成長が促進された。
こちらもいいですね。やはり2つの文による組み立てが重要な問題ですが、このように時系列に沿って並べることで、わかりやすい文章になっています。「カーストにとらわれない職業の出現」という言い方は便利ですので、いろいろと使ってみてくださいね。
>質問
「経済水準」と「所得水準」、「生活水準」の違いを教えてください。
とてもいい視点ですね。あくまで私の見解になりますが、違いをお伝えしたいと思います。
>個人的には、後者2つは同義で、C(3)で「中間層の拡大」という表現を用いましたが、これは所得水準の向上の側面が大きいような気がします。一般的に「経済」というと国全体を指し、これは必ずしも個人所得の増加を意味していない様に感じます。経済水準が上がって初めて所得や生活水準も上昇する思います。つまり、経済成長→所得上昇の流れ方を考えてます。この考え方はどうでしょうか?
なるほど、「経済水準」は国全体を一般化した言い方であり、それを個人レベルに落とし込んだものが「所得水準」「生活水準」ですね。「経済水準=マクロ」、「所得水準・生活水準=ミクロ」といったところでしょうか。とてもいい視点だと思います。そういった考え方でもちろん正解ですよ。
私は以下のように区別していますので、よかったら参考にしてください。なお、ハッピーさんが指摘した以外に「賃金水準」って言い方もありますよね(というか、私はこの言い方をとてもよく使います)。
まずけ「経済水準」ですが、「1人当たりGNI」と同義です。文章の中で、1人当たりGNIという言葉が登場した場合、それをそのまま経済水準という言い方に置き換えることができます。
例)ヨーロッパでは北部で1人当たりGNIが高く、南部でやや低く、東部でとくに低くなる。
ヨーロッパでは北部で経済水準が高く、南部でやや低く、東部で特に高くなる。
1人当たりGNIという言葉は地理を学習する際にいろいろなところで使えますよね。ですので、「経済水準」についても、どこでも使えるような使い勝手のいい言葉だと思います。
一方、賃金水準はあくまで「工業」ジャンルに限定して私は使います。
例)チェコは賃金水準が低く、ドイツから工場が多く進出している。
ただ、この場合でも「経済水準」という言葉は使えます(そしてもちろん1人当たりGNIも)ので、経済水準の方が広い用法ができる言葉かもしれませんね。「経済水準」の中に「賃金水準」が含まれるというニュアンスでしょうか。
なお、私は「所得水準」はあまり使いませんね。意味的には「賃金水準」と同じでしょうか。ちょっと違うかな???企業と労働者の関係においては「賃金」ですが、国民のくらしに注目すれば「所得」の方がいいのでしょうか。あえて使うとすればこういった感じでしょうか。
例)日本では高度経済成長の時代に工業化によって所得水準が大幅に向上した。
意味的には工業(産業)の話なのですが、あくまで国民ひとりひとりのくらしにクローズアップした言い方に思います。企業側の視点はありません。
さらに生活水準ですが、これも工業ジャンルでは使いませんよね。意味的にはもちろん所得水準も同じなのですが、私の感覚でいえば「食の西欧化」と重なるところがあります。衣食住において、洋風の建物になり、洋風の食事になり、洋風の服装になる。そういったイメージですよね。もっとも、生活水準も経済水準と意味的には同じなのですから経済成長と結びつき、1人当たりGNIが上昇しているわけです。生活水準の「生活」には、教育であったり、医療や衛生環境であったり、社会保障であったり、衣食住を超えた意味も含まれています。
例)中国では経済成長によって人々の生活水準も向上した。
結論としては、基本的には「経済水準」という包括的な言い方を使いますが、一部で(例えば工業ジャンルで)賃金水準、(同じく人々のくらしが話題となる際に)生活水準などを用いることがあります。おそらくこれらの言葉の使い方は個人のセンスですので、むしろ個性的な用いかたをして、ハッピーさんのキャラクターをアピールする機会と捉えてみてはどうでしょう。
というわけでちょっと中途半端な説明になってしまってゴメンなさい。ただ、この辺りの表現は自由度が高いところですので、自分の思うままに使ってみて、そこで自分の個性を出すというのがベストかと思います。自分なりの解釈で文章が書けるよう、さらに練習しておきましょう。
- 2024.11.14 16:02
- たつじん
2001 1
B
(2)灌漑の整備により従来農業が不能であった乾季も作物栽培が可能となった。灌漑が整備された地域は高収量品種や化学肥料の導入による緑の革命が進展し、農業生産性が上昇した。
C
(3)経済の自由化と外資の導入により重化学工業やICT産業が発達し工業化が進んだ。このため、カーストにとらわれない職業の出現や中間層の拡大で購買力が上昇し経済成長が促進された。
質問
「経済水準」と「所得水準」、「生活水準」の違いを教えてください。
個人的には、後者2つは同義で、C(3)で「中間層の拡大」という表現を用いましたが、これは所得水準の向上の側面が大きいような気がします。一般的に「経済」というと国全体を指し、これは必ずしも個人所得の増加を意味していない様に感じます。経済水準が上がって初めて所得や生活水準も上昇する思います。つまり、経済成長→所得上昇の流れ方を考えてます。この考え方はどうでしょうか?
また、逆に生活や所得水準は向上したが、経済水準は向上しないということはありうるのでしょうか?
少し質問がわかりにくいかと思いますが、三者のニュアンスの違いを教えていただきたいです。
- 2024.10.21 16:19
- ハッピーフルーツ
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