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2024.10.24
1851
2024年度たつじんオープン添削投稿フォームになります。第34回の分をこちらに投稿してください。
コメント
ドゥーチェさんこんにちは。では添削いたします。
>‘10 第1問
>(1)
乾燥帯の前者は、乾季に農業を行うための灌漑用水を安定確保する利水機能。(35字)
冷帯の後者は、春の融雪洪水被害を抑制する治水機能。(25字)
なるほど、よく工夫された組み立てですね。冒頭に「乾燥帯の」、「冷帯(亜寒帯)の」としている点はとてもわかりやすいです。「安定確保」や「融雪洪水」という言葉もたいへん適切です。また「利水」と「治水」という言葉を対比的に用いている点も良いと思います。
>(2)
急峻な日本アルプスや四国山地の走る前二者は多雨、河川急流、下刻作用が強い。(37字)
なだらかな中国山地が走る後者は少雨、河川緩流。(23字)
なるほど、日本アルプスや四国山地、中国山地という固有名詞を入れているのですね。これは良いアイデアと思いますよ。うまく字数制限内にも収めています。
>(3)
貯水量減少で利水・治水の両機能が低下。農業・生活・工業用水や発電に利用できる水資源が減少、上流で洪水の危険性が高まる。(59字)
河川下流域への土砂供給量が減少し、波の侵食作用で海岸線が後退。(31字)
こちらもいいですね。本問こそ、いかに字数内に収めるかが最大のポイントとなっている問題です。書くべき内容は多いのですが、字数制限は短いです。箇条書きスタイルで「詰め込む」ことに成功していますね。
>(4)
C。落ち葉や腐葉土が豊富な森林土壌は保水力が大きい。(26字)
地中に浸透した雨水を長時間かけ河川や地下水に少量ずつ流すことで、洪水を防ぐ治水機能を持つ。(45字)
これはダムの水源涵養機能と同じである。(19字)
こちらもうまく書けていますよ。それまでの問題とは異なり(1~3の問題は「箇条書き」でポイントを挙げるだけでした)、この問題は因果関係も明確にし、文章ごとのつながりが大切になっています。文としても成立しています。わかりやすいですよよ。
保水→少々ずつ流す→洪水を防ぐ
なお「水源涵養機能」というのはむしろ、この森林土壌が有する「水を蓄え、地下水となり、少しずつ河川に水を流す」機能のことをいい、自然界のはたらきなのです。だから言い方が逆で、ダムが森林と同じような水源涵養機能のようなものを持っているというわけなのです。よかったら用語検索をして、この言葉の正しい使い方をマスターしておきましょう。
>(5)
治水機能の緑のダムに対し、白いダムは利水機能を持つ。(26字)
積雪や氷河は、冬に蓄えた水を春に融雪水として下流に流出。(28字)
田植えなどで水需要の高まる季節や、夏に渇水する地中海沿岸に水資源を供給。(36字)
なるほど、最初に結論(利水)言い切ってしまったのですね。とてもいいと思います。とくに今回のようの字数制限が長い場合には、全体の主張がぼやけてしまうことを防ぐために、最初に結論を明確化させてしまうのは適切なアイデアかと思いますよ。
全体も3つの文によって組み立てられていますし、構成的にも満点ですね。
>【感想】
(1)(3)(4)(5)は「ダムのはたらき=①治水、②利水」を頭に叩き込むために、「治水機能」「利水機能」の言葉を積極的に使ってみました。
なるほど、そうだったのですか。たしかに両方の言葉が強く意識されていましたね。このようなテーマを持って問題に取り組むのはとてもいいことですね。
>(2017年度第二問といい、2004年度第三問といい、ダムの問題がここまで繰り返し出題されているとは驚きです…)
良いところに気づきましたね。東大に限らず、入試問題など同じ人が作っているのですから、どうしても似てしまいますよ(笑)センター・共通テストですら、過去問を参考につくっているのがよくわかりますもんね。
ただ、一方でこのことに気づいている受験生はほとんどいないのですよ。「過去に出た問題は二度と出ない!」と嘘ばっかり言っている予備校講師がいかに多いことか(みんな、過去問全然研究していませんもの・苦笑)。過去問の重要性に気付いたドゥーチェさんは、他の受験生に対して大きなアドバンテージを得ました。この調子で本番も点数とりまくってくださいね!
- 2024.11.08 15:21
- たつじん
‘10 第1問
(1)
乾燥帯の前者は、乾季に農業を行うための灌漑用水を安定確保する利水機能。(35字)
冷帯の後者は、春の融雪洪水被害を抑制する治水機能。(25字)
(2)
急峻な日本アルプスや四国山地の走る前二者は多雨、河川急流、下刻作用が強い。(37字)
なだらかな中国山地が走る後者は少雨、河川緩流。(23字)
(3)
貯水量減少で利水・治水の両機能が低下。農業・生活・工業用水や発電に利用できる水資源が減少、上流で洪水の危険性が高まる。(59字)
河川下流域への土砂供給量が減少し、波の侵食作用で海岸線が後退。(31字)
(4)
C。落ち葉や腐葉土が豊富な森林土壌は保水力が大きい。(26字)
地中に浸透した雨水を長時間かけ河川や地下水に少量ずつ流すことで、洪水を防ぐ治水機能を持つ。(45字)
これはダムの水源涵養機能と同じである。(19字)
(5)
治水機能の緑のダムに対し、白いダムは利水機能を持つ。(26字)
積雪や氷河は、冬に蓄えた水を春に融雪水として下流に流出。(28字)
田植えなどで水需要の高まる季節や、夏に渇水する地中海沿岸に水資源を供給。(36字)
【感想】
(1)(3)(4)(5)は「ダムのはたらき=①治水、②利水」を頭に叩き込むために、「治水機能」「利水機能」の言葉を積極的に使ってみました。(2017年度第二問といい、2004年度第三問といい、ダムの問題がここまで繰り返し出題されているとは驚きです…)
今週もよろしくお願いいたします。
- 2024.10.26 19:16
- ドゥーチェ
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