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2017.10.07

添削フォーム4

 コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。

コメント

こんにちは。今回も遅れてしまいましたが、添削させていただきますね。

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>犀川の左岸地域、犀川と浅野川に挟まれた地域は河岸段丘を形成し、

地形が適切に読み取れていると思います。いいですね!「犀川の左岸」(犀川は南から北に流れているので、左岸は西方ですね)の「平和町」が乗る段丘面、「犀川と浅野川に挟まれた地域」である市街地が広がる段丘面がそれぞれ確認できます。等高線が密になっている「段丘崖」もみられますね。

>浅野川の右岸には平地があり

こちらも適切に思います。浅野川の流れに沿い、その堆積作用によって形成されたことは確実ですので「沖積低地」という言い方もできたでしょう。沖積平野といえば扇状地、氾濫原、三角州ですが、沖積低地はそのうち、とくに低平な部分(つまり主に氾濫原、三角州)を指します。もっとも、この地域は比較的標高が高く(30メートル程度)、「低地」とはいいにくいかもしれませんが。ただ、水田が開かれていることから、水利はよく、その点からは「低地」としてしまって問題ないでしょう。よかったら、平地の発展バージョン的な言い方として「沖積低地」という言葉もマスターしてみてくださいね。

>さらに東方に丘陵地が広がり急斜面上には森林が広がる。

いいですね。等高線がさほど密になっていませんので、「丘陵地」は適切です。「森林」もいいと思います。もちろんさらに細かくみて「針葉樹林」、「広葉樹林」にまで言及しても良かったでしょう。

>昭和43年では水害を避けるために段丘崖や丘陵地の麓に寺院や神社を含め古くからの集落が立地し、

とても素晴らしいと思います。集落分布が適切に捉えられています。ただし、ちょっと気になるのですが、「段丘崖や丘陵地の麓」と書いてしまうと、「段丘崖」と「丘陵地の麓」というように取られてしまい、ちょっと誤解が生じるのでは。おそらく「段丘崖の麓」というように表現したかったのではないかと思います。よって、この部分に関しては、より詳細に述べることが必要になります。「段丘面」という言葉を使ってみましょう。「犀川左岸の段丘面には新興住宅地も開発され、犀川と浅野川の間の段丘面には広く市街地が広がっている。いずれも広い土地を確保しやすく、居住に適した地域である。北東部の丘陵の麓には「若松町」や「砂見町」など、古い時代に自然発生した集落がみられるが。水害を避けやすい場所に立地したものである。」などのように。とはいえ、本問の場合「土地利用」について述べる問題であるので、集落立地についてはそもそも言及する必要はなく、そのバランスが難しいのですが。よかったら参考にしてください。

>河川沿いの自然堤防上では水はけが良いため果樹園が分布しているが、

なるほど、たしかに一部に「果樹園」はみられますね。これを「自然堤防」と結びつけることは大正解です!とてもいいと思います。ただし、ちょっとこの辺りから「土地利用の変化」について詳しく言及していって欲しいと思ったりもします。もちろん、400字もありますので、脱線(上記の集落立地)などは多少はむしろ推奨されるのですが、だからといって本題に触れないわけには行きません。沖積低地について、自然堤防上は果樹園、氾濫原は水田に利用されていましたが、現在は河川改修がなされ、幹線道路の整備も進み、広い範囲が住宅地に改変されていることを述べてみましょう。今回最も土地利用が変化したのは、この浅野川周辺の地域ですし、この部分をメインターゲットとして取り上げることが必要となります。

>2つの河川が堀になり段丘面上には北西の城跡や主要道路にも遠見遮断の工夫が設され、高地である事から守りに優れた城下町が広がっているので

なかなかおもしろい見方と思います。ただ、すでに述べているように、「変化」について説明することが必要になります。「博物館・美術館」がいくつか建設されているようですので、それを取り上げてみてもおもしろかったかなと思いますよ。また「遠見遮断」など城下町特有の街路パターンに触れられているのはおもしろいと思います。こちらについては、逆に「変化」していないことを取り上げ、「伝統的な街路区画がよく保存され、観光客の人気を集めている」のような書き方もできたのではないでしょうか。「変化していない」ことも、一つの変化です。

>その周辺には市街地が広がっている。平成17年になると、宅地開発が進んだ事から川沿いの低地や日当たりの良い丘陵地の斜面上に新興住宅が形成され、

この部分はとてもいいですね。もっとも字数をとって、メインテーマとして語って欲しかったところでもあります。字数稼ぎ(?)として具体的な町名や地名に触れても良かったでしょう。

>段丘面上の市街地も新たに老人ホームや博物館が立地し、居住地もさらに南へと拡大している。

市街地の変化に言及しています。博物館というのは城跡の近くのもののことでしょうか。こちらもより詳しく説明できたように思いますよ。

また主要道路が各地で拡大され交通の便が良くなっている他、犀川は土砂の堆積によって縮小し荒地が広がっている。

>「犀川の縮小」の理由はちょっとわからないのですが(ですので、「土砂の堆積」でも構いませんよ)、おそらく上流側で堰(せき)が防災用に建設されたことの影響かなと思います。図中でも「城南一丁目」や「法島町」の間に堰が建設されており、ここに水溜まりがありますよね。そしてそこから下流側は護岸工事が施され、河川改修がなされています。この数十年間で犀川については大きく人の手が入ったことがわかりますね。とはいえ、「荒れ地」に注目したのは適切です。こういった細かいところまで目を配ることができるかどうかが、筑波の地形図問題のポイントになります。同じく「荒れ地」の記号が、図の南東端付近にもみられますよね。浅野川沿いにおいて、水田が荒れ地となったり、さらに一部は果樹園にも変化しているようです。「土地利用」にこだわって、さらに適切な文章をめざしましょう。


[総評]今回もよく書けていると思いますよ。もちろん十分合格点です!しかし、もっと「土地利用」と「変化」にターゲットを絞ってみても良かったかな。河川の流れや河岸段丘、低地や丘陵といった大まかな地形も読み取りは正確にできているのですから、それを枠組みとして、具体的にどの場所でとんな土地利用変化がみられたかを一つ一つ説明していく。そういったアプローチが求められたのではないかなと考えます。

では次回もがんばってくださいね(^^)

  • 2017.10.23 14:31
  • たつじん

たつじん先生、細かくチェックしていただきありがとうございます。反映ができるよう意識していきます。

本日も添削よろしくお願いします。
筑波大学2013年 第1問です。
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犀川の左岸地域、犀川と浅野川に挟まれた地域は河岸段丘を形成し、浅野川の右岸には平地がありさらに東方に丘陵地が広がり急斜面上には森林が広がる。昭和43年では水害を避けるために段丘崖や丘陵地の麓に寺院や神社を含め古くからの集落が立地し、河川沿いの自然堤防上では水はけが良いため果樹園が分布しているが、2つの河川が堀になり段丘面上には北西の城跡や主要道路にも遠見遮断の工夫が設され、高地である事から守りに優れた城下町が広がっているのでその周辺には市街地が広がっている。平成17年になると、宅地開発が進んだ事から川沿いの低地や日当たりの良い丘陵地の斜面上に新興住宅が形成され、段丘面上の市街地も新たに老人ホームや博物館が立地し、居住地もさらに南へと拡大している。また主要道路が各地で拡大され交通の便が良くなっている他、犀川は土砂の堆積によって縮小し荒地が広がっている。
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お忙しい中、いつもありがとうございます。

  • 2017.10.23 14:31
  • たつじん

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