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2020.07.01
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コメント
では添削いたします(^^)
>東大1997大門2
>設問A小麦は新大陸などで企業的・粗放的に機械で輸出用に生産されるが、米はアジアなどで零細的・集約的に自給用に生産されるから。(59/60)
いいですね。農業キーワードが意識されています。
ただ、本問の場合は「貿易」に関する話題ですので「零細的」「集約的」はあまり関係ありませんね。ここで強調すべき言葉は「自給」のみです。
さらに生産地域と消費地域が一致していることが貿易量の少ないことも最大要因にあると思われます。東アジアから東南アジア、南アジアに生産・消費地域が集中していますよね。この地域を表す「モンスーンアジア」とう言葉がありますので、この言い方を使ってみたらいいでしょう。
小麦についてはこれとは反対になります。「自給」の反対ですから「商業的」「輸出用」などの言葉が使えますね。さらに「モンスーンアジア」と対照的な言葉として「世界全体」という言い方を使ってもいいかもしれません。
小麦は世界全体で商業的に栽培され輸出量が多く、米はモンスーンアジアに生産が集中し自給的に栽培されるから。(52字)
こういう形でしょうか。字数に余裕があれば、米の栽培条件(高温多雨)にも言及し、モンスーンアジアで生産が多い理由も書けたかも知れませんが、それについては次の問題でテーマとなっていますね。
>設問B小麦は気温が低く、年降水量の少ない黒土の分布する地域や、灌漑のできる乾燥帯で、米は気温が高く、年降水量が多く水田の作れる、水持ちのいい三角州などの沖積平野で主に生産される。(86/90)
こちらも正確です。わかりやすく表現しようという気持ちが表れ、とても好ましいと思います。
「小麦と比較しながら米の特徴を述べる」という問いかけですが、小麦と米についてそれぞれ同じ分量を用いて説明すればいいと思います。本問なならば、小麦で45字、米で45字ですね。
また「自然環境」ですから、気候だけでなく地形にも言及するといいですね。小麦は地形を問いませんが、米は「沖積平野」はマストですね。ちなみに沖積低地という言い方もありますが、その定義も紹介しておきますね。
沖積平野=扇状地+氾濫原+三角州
沖積低地は、沖積平野のうち「低地」ではない扇状地を除き、
沖積低地=氾濫原+三角州
ですので、水田に適した米の栽培地域と一致します。本来なら「沖積低地」という言葉を使いたいのですが、本問では「沖積平野」が指定語句となっていますので、ちょっと無理ですね。
では具体的に書いてみましょう。
小麦は「冷涼少雨」ですね。ただし、それだけでは字数が埋まりませんので、ステップ地域の肥沃な土壌であるとか、乾燥地域で灌漑によって栽培されるという特徴について言及するのは適切に思います。
米は「高温多雨」ですね。そして地形はもちろん「沖積平野」です。
使用語句に「年降水量」と「気温」があります。単なる降水量ではなく、年降水量となっているのがポイントですね。中国の例をみればわかるように、年降水量1000ミリ以上であることが一般的には米作の栽培条件となります。このことは含めてもいいかもしれませんね。
一方、「気温」についてはそれ以上の言葉は付け加えられていません。単に「気温が高い」でいいのではないでしょうか。年平均気温ではなく、夏の生育期の気温が高いことが条件にはなりますので、西ヨーロッパのように冬の気温が高いことによって年平均気温も高くなるような地域では栽培されませんね。
小麦は冷涼少雨の気候に適応。肥沃な土壌の広がるステップ地域の他、灌漑農業地域でも栽培。米は年降水量が1000ミリを超える気温の高い地域に適する。水の豊富な沖積平野の低地で栽培。(88字)
こんな感じでしょうか。小麦の栽培についてもしっかり書き切ることがポイントでしたね。
>設問C(1)aーインドネシア bータイ cーミャンマー
いいですね。的確です。輸出余力(生産量>消費量)でタイを判定することがポイントでした。
ただ、おもしろいと思ったのは、消費量です。人口は、インドネシア>タイ>ミャンマーなのですが、消費量はインドネシア>ミャンマー>タイになっていますね。これは僕も知りませんでした。ミャンマーって意外と「飽食」なんですかね。
>(2)緑の革命による生産量の増加が顕著であり生産量が多く、世界4位の人口大国であってそのほんとを国内で消費しているから。(59/60)
いいですね。素晴らしいです。「世界4位」と具体的な順位にまで言及している点はかなり高評価です。先の問題の「年降水量1000ミリ」もそうでしたが、数字や順位をマメに記述していくこともテクニックとしては重要です。字数に余裕がある場合は「数字」の利用も積極的に考えてみてください。
設問D外国企業の誘致や工業団地の造成をしたため、自動車などの労働集約型の工業が発達し、モノカルチャー経済から脱却したから。(58/60)
いいですね。とくに前半は完璧です。タイの工業化について具体的に説明されています。
ただ、唯一気になる点は「モノカルチャー」でしょうか。モノカルチャー経済は「特定の一次産品の生産と輸出に国内経済が過度に依存する状態」です。
この一次産品には農産物や鉱産資源が含まれますね。ただ、農産物の場合は「商品作物」に限定されます。つまり「プランテーション作物」ですよね。タイの米がこれに該当するでしょうか。たしかにタイにおいて米は商業的に栽培されている面もありますが、多くは彼ら自身が食べるためであり、余剰を輸出にまわしているだけです。そもそも米は自給作物でもありますし。マレーシアの(かつての)天然ゴム栽培をさして「モノカルチャー」という言い方はできますが、タイの米はそれには該当しないでしょう。また、おそらくタイの輸出が「過度に」米に依存していたことはないと思います。農業国だった時代でも、米以外にサトウキビ(砂糖)や魚介類(エビなど)の輸出も多かったでしょう。
ですので、ここは単に「輸出品目として米の地位が低下した」ぐらいの書き方でいいと思いますよ。
工業化により工業製品の輸出が増加。輸出品としての米の地位が低下した。(34字)
これが基本ですね。字数が短いので、ちょっと余分なものを加えてみましょうか。
外国企業の進出による工業化で労働集約型工業が発達し、電気機械や自動車などの輸出が増加した。輸出品としての米の地位が低下。(60字)
こんな感じでしょうか。ぜひ参考にしてください。
今回も非常によくできています。問題集の解説に依存せず、自分なりの表現ができてきていますね。この調子で進めていきましょう。
- 2020.07.07 21:40
- たつじん
東大 1997 大門2
設問A小麦は新大陸などで企業的・粗放的に機械で輸出用に生産されるが、米はアジアなどで零細的・集約的に自給用に生産されるから。(59/60)
設問B小麦は気温が低く、年降水量の少ない黒土の分布する地域や、灌漑のできる乾燥帯で、米は気温が高く、年降水量が多く水田の作れる、水持ちのいい三角州などの沖積平野で主に生産される。(86/90)
設問C(1)aーインドネシア bータイ cーミャンマー
(2)緑の革命による生産量の増加が顕著であり生産量が多く、世界4位の人口大国であってそのほんとを国内で消費しているから。(59/60)
設問D外国企業の誘致や工業団地の造成をしたため、自動車などの労働集約型の工業が発達し、モノカルチャー経済から脱却したから。(58/60)
今週もよろしくお願いします!
- 2020.07.06 18:59
- かい
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