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2021.04.13
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コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性がありますので、ツイッター(@ts914)にDMをいただけますでしょうか。早々に対応いたします。
コメント
では添削いたします。
>56(2001年 第2問)
>設問A
(1)ニュージーランドは西岸海洋性気候で一年中降雨があり、牧草が多く育つので放牧が行われる。モンゴルは乾燥気候で降雨がほぼ無く、牧草が育たないため遊牧が行われる。
前半でニュージーランド、後半でモンゴルと、2つの文に切ってそれぞれ説明している点はいいですね。見事な構成力ですよ。
それを踏まえていくつかポイントを指摘していきます。
まず「放牧」と「遊牧」です。遊牧は言うまでもなく「ホイットルセー農牧業区分」による農牧業の形態の一つです。良い使い方だと思いますよ。固有名詞的な使い方になります。
一方で「放牧」は一般名詞的な使い方をする言葉で単なる「放し飼い」です。ここでホイットルセー農牧業区分として取り上げるならば「企業的放牧(粗放的放牧)」とするべきだったでしょう。
さらに「西岸海洋性気候」とケッペンの気候区分を取り上げるならば、モンゴルについても「ステップ気候や砂漠気候」とするべきでしたし、あるいは「乾燥」に対応して「湿潤」という言葉をどこかに入れても良かったですね。
そもそも西岸海洋性気候の特徴は「一年中降雨があり」ではありませんよね。気温年較差の小さな穏やかな気候です。さらに「乾燥気候で降雨がほぼ無く」もちょっと気になるんですよね。乾燥とはそもそも「降水量<蒸発量」の状態であり、降水量が多くともそれ以上に蒸発量が多ければ乾燥しますよね。乾燥気候だから降水量が少ないわけではないのです。
上記の内容を意識すると以下のようになります。
「ニュージーランドでは西岸海洋性気候による湿潤で温暖な気候を利用して広く牧草地が開かれ企業的放牧が行われる。モンゴルは砂漠気候やステップ気候であり、より粗放的な遊牧が営まれている。(89字)」
モンゴルについては「より粗放的」としています。ニュージーランドも新大陸であり、そもそも「粗放的」な農牧業地域です。モンゴルはそれよりさらに粗放的であるというニュアンスを加えています。
「西岸海洋性気候」←→「砂漠気候・ステップ気候」
「企業的放牧」←→「遊牧」
こういった対比を利用すると文章を組み立てやすいと思いますよ。
>(2)イギリスでは羊の放牧を主とするので放牧地の割合が大きい。デンマークは牛の酪農を主とするため耕地が多くなり放牧地の割合が小さくなる。
いいですね。悪くありません。ただ、ちょっと気をつけて欲しいのは、ホイットルセー農牧業区分によると両国とも「酪農」地域なのです。酪農を中心とした家畜飼育がどのように行われているかの違いを明確にしないといけません。
すでに述べたように「放牧」は一般名詞です。ですので、やすさんのような使い方は全く問題ありません。制限なく自由に使っていい言葉です。
ただ、イギリスやデンマークなど北西ヨーロッパはほぼ全域が「酪農」地域であり、この酪農というのはもちろんホイットルセー農牧業区分による農牧業の形態の一つです。
「イギリスは放牧、デンマークは酪農」ではおかしいと思いませんか。「イギリスもデンマークも酪農」なのです。同じ酪農であることを大前提として、その上に両国の違いがあるのです。
本問はちょっとした知識問題だったかも知れませんね。デンマークの牧業の特徴として「舎飼い」があるのです。飼料は他で栽培し、家畜は畜舎で飼うことが一般的です。なお、本問の表にはありませんが、デンマークはむしろ豚の飼育頭数が多いことで知られています。
これを踏まえて書くと以下のようになります。
「に酪農国であるが家畜の飼育方法が異なる。イギリスは広い牧草地での放牧が中心。デンマークは飼料による畜舎での飼育が中心。(60字)」
こういった形でしょうか。最初の文は不要かも知れませんが、字数調整で入れてみました。
>設問B
>(1)薪炭材や輸出用木材の過剰採取。プランテーション農園や牧場の拡大を目的とした森林伐採。森林地帯での焼畑農業の拡大がされているため。
いいですね。問題ないと思います。満点解答です。
>(2)先進国では環境保護の動きが強く、植林や計画的な間引きが行われるため。
こちらもいいですね。「先進国」という区分が適切に思います。
(3)土砂崩れ、洪水、土壌流出の防止、生態系の保持といった環境保全。また、水源涵養や心身保養の役割も持つ。
いいですね。コメントにあったように自然地理への関心が高いことがよくわかります。素晴らしい解答です。
「水源涵養、洪水を防ぐ治水効果、土砂崩れを防ぐ治山効果。豊かな生態系の保持。観光や保養などレクリエーションの場ともなる。(59字)」
私も書いてみました。「治水」や「治山」といったキーワードも用いています。
>〈一言感想〉
Bの(3)は高3の千葉大生物対策の記述で先生が出してきた問題と似ていたので、割と単語はスラスラ出てきました。(生物化学地学を勉強してたので自然地理は好きです!)
とてもいいですね。そういった科目横断的な知識を発展させ、地理特有のキーワード(今回ならばホイットルセー農牧業区分など)に結びつけられたら素晴らしいです。
全体としてとてもよく書けています。添削で細かい点まで指摘していますが、あまり気にする必要はありません。知識はこれからいくらでも身につきます。自由にのびのびと自分の言葉で表現することを、今の時点では覚えてくださいね。
- 2021.04.14 19:25
- たつじん
56(2001年 第2問)
設問A
(1)ニュージーランドは西岸海洋性気候で一年中降雨があり、牧草が多く育つので放牧が行われる。モンゴルは乾燥気候で降雨がほぼ無く、牧草が育たないため遊牧が行われる。
(2)イギリスでは羊の放牧を主とするので放牧地の割合が大きい。デンマークは牛の酪農を主とするため耕地が多くなり放牧地の割合が小さくなる。
設問B
(1)薪炭材や輸出用木材の過剰採取。プランテーション農園や牧場の拡大を目的とした森林伐採。森林地帯での焼畑農業の拡大がされているため。
(2)先進国では環境保護の動きが強く、植林や計画的な間引きが行われるため。
(3)土砂崩れ、洪水、土壌流出の防止、生態系の保持といった環境保全。また、水源涵養や心身保養の役割も持つ。
〈一言感想〉
Bの(3)は高3の千葉大生物対策の記述で先生が出してきた問題と似ていたので、割と単語はスラスラ出てきました。(生物化学地学を勉強してたので自然地理は好きです!)
- 2021.04.14 10:45
- やす
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