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2021.05.11

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コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性がありますので、ツイッター(@ts914)にDMをいただけますでしょうか。早々に対応いたします。

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では添削いたします。

>東大の地理 2010年度第二問(東アジア・東南アジア・南アジアにおける地域間の交流と社会・経済の変動 より)

>設問A
(1)アー中国、イーインド、ウー台湾。エーフィリピン としてしまいました。

なるほど、惜しかったですね。人数が多く商用メインのイが中国であるのはわかりやすいと思います。中国より多いので、アは台湾ですね。こちらは主に観光目的となります。残ったウとエについては、距離の遠さ、貿易や企業進出といった経済的なつながりの弱さから、フィリピンとインドになりますね。ウは親族訪問の割合が高く、これは日本国内にフィリピン人が多いことの影響でしょう。エのインドは商用目的が多いですが、IT産業と結びつければいいですね。
観光目的での入国の割合と、経済レベル(1人当たりGNI)が比例することを意識してみてください。

>(2)総数と地図上の距離からアが中国、イがインド。商用の割合からウは出稼ぎの多いフィリピン。沖縄と隣接する台湾は親族訪問が多いウ。

(1)で誤りがあったため、こちらの問題は難しかったですね。

私はこのように書いてみました。ウとエのみ言及しています。

「距離が遠く経済的な問題から旅行者が少ない。フィリピンは日本に在留者が多く親族訪問が主。IT産業の発達したインドは商用が主。(60字)

字数的にかなり厳しいですが、何とか意味は通じるとは思います。参考にしてくださいね。

>(3)距離が近く、温泉地が多いことから九州が挙げられる。また、爆買いといった言葉が流行したように流通する品数の多い東京が考えられる。

十分な解答だと思います。前半はこのままでオッケイでしょう。後半も、悪くないかなといった感じです。「爆買い」は中国のキーワードですが、「ア=中国」と認識していたのですから、ここは仕方ないでしょう。

私も書いてみました。

「北海道。スキー体験や温泉、雄大な自然を楽しめる。千葉。テーマパーク訪問。東京に近く買い物に便利。(48字)」

ちょっと外して千葉県にしてみました。おそらくこれでも問題なかったと思います。

おそらく九州の温泉地は韓国からの観光客が主ですね。韓国は温泉がありません。台湾は火山帯であり温泉はあります。温暖な台湾からみると、雪景色のきれいな北海道が魅力的な観光地と考えられているようです。

>(4)イは日本と比較して物価が安いため、日本からイへは旅行や企業の進出がしやすく、イから日本への旅行などは敷居が高い。

悪くはないのですが「敷居が高い」というような慣用句的表現はこうした論述問題では避けた方が適切です。イメージとしては、自動翻訳機にかけた時に英語などに翻訳してみても意味が変化しないような「手堅い」文章です。ここは「割高感がある」などのような書き方にできたかなと思います。

「物価」という表現はいいと思いますよ。ただ、「物価が安いから企業の進出がしやすく」というのがちょっと疑問なのですよね。「賃金水準が低いから工場が進出する」わけですよね。これを物価と言ってしまうとちょっと不正確なような。例えば、物価と賃金水準を引っくるめて「経済水準」、「経済レベル」という言い方なら許容範囲と思います。要するに「1人当たりGNI」ですよね。

イは中国ですので、それに沿って書いてみました。

「経済水準を比較し、中国人にとって日本への旅行はコスト高だが日本人にとって中国への旅行は割安感がある。日系企業も多く進出。(60字)」

中国の場合、「商用」目的も多いので、日系企業の進出により経済的な関係が強いことも強調しています。

>設問B
(1)Aーソウル、Bー東京、Cー北京、Dー台北

いいですね。Dは気温で判定できます。低緯度の台北。Cは降水量の少なさで北京。以前は冷帯気候に含まれていましたが、現在はBSと捉える場合が多いようです。Aはシベリア高気圧の影響でとくに冬の降水量が少ないことから朝鮮半島のソウル。Bは東京ですが、最暖月平均気温25℃、最寒月平均気温5℃と直接覚えておいてもいいかもしれませんね。ソウルとは異なり、冬でも月に50ミリ程度の降水はあります。

>(2)ソウル。土地利用や工場立地を規制し、政府機関や大企業の本社を地方へ移転させることで首都の人口集中を抑制してきた。また、地方の高速道路など工業開発を進めることで地域間格差の拡大を抑制した。

いいですね。ほぼ完璧な解答です。ソウルや韓国の都市に関する状況は知識として知っておいてください。

「ソウル。国内人口の20%を占める都市であり、過度な集中を避けるため開発が規制されている。テジョンに政府機関の一部を移転させるなど、行政の一極集中も避けられている。国内の格差是正のため、地方の工業開発も積極的に行われる。(109字)」

とはいえ、さっと書いてみたらちょっと長過ぎたようです。ここからさらに90字にまで削っていかないといけませんね。ソウルに総人口の2割が集まっていることや、具体的な都市名としてテジョンを挙げてみたかったのですが。ただ、雰囲気はこんな感じかと思います。

>(3)台湾はかつて、衣服などの労働集約型工業が主流だった。経済成長による労働者の賃金の上昇などに伴って、電気製品などの技術集約型の工業に転換し、国際競争力を身につけた。

これもうまいですね。以下に私の例文を挙げておきますので比較してみてください。かつての軽工業から、技術型への工業への転換を説明できれば満点です。

「1980年代以前は賃金水準の低さから衣類や機械組立など労働集約型工業が中心。賃金水準の上昇によりその分野の国際競争力が低下し、精密部品や電子機器など技術集約型工業へ産業構造が転換。(90字)」

ポイントとしては、のいさんの文章では「衣服;労働集約、電気製品;技術集約」としているのに対し、私は「衣類・機械組立;労働集約、精密部品・電子機器;技術集約」としています。これについてはいずれでも問題ないでしょう。

ただし、「国際競争力」の使い方がちょっと気になるんですよね。この言葉は「国際競争力の低下」という使い方をするものであり、「国際競争力を身につける」という言い方はしません。

地理は「1人当たりGNI」を基準として考える科目であることはわかりますよね。つまり「賃金水準」です。経済成長によって1人当たりGNIが上がり、賃金水準が上昇します。労働コストが上がるため、衣類や組立など労働集約型工業製品の価格も上がってしまうわけです。これでは他の低賃金の国に勝てませんよね。これを「国際競争力の低下」というのです。

国内の賃金水準の上昇により国際競争力が低下し、労働集約型の産業から技術集約・知識集約型の産業へと転換しないといけないわけです。この変化が現在の台湾で生じたということを理解してください。

労働集約型の産業は1人当たりGNIの高い国では成り立たず、それらの工場(生産拠点)は発展途上地域へと流出することになります。これは世界経済にとっては好ましいことなのです。産業がグローバル化し、国際分業による各国間の経済関係が緊密化します。

日本でもいつまでも自動車工業にこだわっている時代ではないのです。自動車工場は海外に流出させ、アメリカ合衆国のGAFAMのような知識産業へと産業構造を転換させないといけません。本問は台湾を主題としているものの、出題者のメッセージとしては日本の経済に対する受験生の意識を問うているのですね。

次回も期待しています(^^)

  • 2021.05.15 00:06
  • たつじん

東大の地理 2010年度第二問(東アジア・東南アジア・南アジアにおける地域間の交流と社会・経済の変動 より)

設問A
(1)アー中国、イーインド、ウー台湾。エーフィリピン としてしまいました。
(2)総数と地図上の距離からアが中国、イがインド。商用の割合からウは出稼ぎの多いフィリピン。沖縄と隣接する台湾は親族訪問が多いウ。
(3)距離が近く、温泉地が多いことから九州が挙げられる。また、爆買いといった言葉が流行したように流通する品数の多い東京が考えられる。
(4)イは日本と比較して物価が安いため、日本からイへは旅行や企業の進出がしやすく、イから日本への旅行などは敷居が高い。

設問B
(1)Aーソウル、Bー東京、Cー北京、Dー台北
(2)ソウル。土地利用や工場立地を規制し、政府機関や大企業の本社を地方へ移転させることで首都の人口集中を抑制してきた。また、地方の高速道路など工業開発を進めることで地域間格差の拡大を抑制した。
(3)台湾はかつて、衣服などの労働集約型工業が主流だった。経済成長による労働者の賃金の上昇などに伴って、電気製品などの技術集約型の工業に転換し、国際競争力を身につけた。


添削よろしくお願いします

  • 2021.05.12 18:30
  • のい

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