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2021.07.29
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コメント
>一年分を初めてまとめて75分間で解いてみました。まだまだ実力不足なところが目立ちますが、添削よろしくお願い致します。
そうでしたか。時間を計って解くのはとてもいいことですね。コツは「制限時間以上」に時間をかけることです。焦って雑になってしまったら意味がありません。ゆっくりと時間をたっぷり使うこともテクニックの一つです。「時間の掛け方」を覚えましょう。
>東大地理2017年度
>第1間
>設問A
>(1)島々は太平洋の中央部にあるホットスポットから供給されるマグマによりプレート上にでき、プレートが一定方向に移動するため。
悪くないのですが、ここではプレートが南東から北西方向に向かって移動している(だから、島も南東から北西に並んでいる)ことを説明しないといけません。
また60字ですから、原則として2つのトピックです。本問の場合、「火山島」であること、「さんご礁」の島となること、この2つについては(簡単でも構いませんので)触れるべきでした。
私はこう書いてみました。
「ホットスポット上の火山島がプレートの移動に伴い北西に移動。沈降や侵食で標高が低下。長い年月で周囲にサンゴ礁が発達。(57字)」
いかがでしょうか。余計なことを含めず、解答に直結する内容だけを淡々と述べています。こういった書き方も取り入れてみてくださいね。
>(2)面積が小さいため、広い土地を必要とする工場立地や地下資源採掘による国内の産業育成が困難で、経済発展が難しいから。
悪くないのですが、「農業」に触れる必要もあったと思いますよ。農業、鉱業、工業、それぞれが発達しにくい理由を並べて欲しかったところです。
私はこう書いてみました。
「石灰岩質の土壌で穀物栽培に適さない。他大陸との距離が遠く工場の進出も困難。人口も少なく労働力が不十分。鉱産資源も乏しい。」(60字)
サンゴ礁の島々は石灰岩質の土壌であり、(サトウキビの栽培には適しますが)穀物栽培には向いていません。工業についても、他地域との距離の遠さ(輸送費がかかりますね)、人口の少なさを理由として挙げています。60字という字数をいかに有効に使うか。いぇいさんは「文章が上手い」のですよ。だからこそその「上手さ」に頼ってしまい、(言い方は悪いですが)内容の薄い解答であってもそれなりの形になってしまうのです。文章技術に頼るのは止めて、とにかく「答え」をしっかり書くように努めてくださいね。
>(3)領海は領土の海岩船から十二海里で、国家の主権が及び、他国は許可なしに航行できない。排他的経済水域では、他国は自由に航行できるが、資源の採掘や自然環境に手を加えることができない。
う〜ん、これはどうでしょう?自分でももう一回文章を読み直してください。正しくいぇいさんの意図は伝えられていますか。
前半はとくに問題ないかと思います。ただ、ここはシンプルに「領海は領土の海岸線から12海里までの範囲。国家の主権が及ぶ。」としてしまい、「他国〜」以降は言及の必要がなかったのでは。
というのも、いぇいさんの文章では「領海=他国の船舶航行不可」、「排他的経済水域=他国の自由航行可能」という点が強調されすぎているのですが、これは決して本質ではないですよね。
「排他的経済水域」について述べるべきことは他にあるはずです。「領海の外側で、海岸線より200海里までの範囲」は絶対的なことです。さらに「海底資源や水産資源について独占的な開発権がある」ことを指摘しないといけません。
後半の文章は、主語も明確ではないのですよ。「排他的経済水域では、他国は自由に航行できるが、資源の採掘や自然環境に手を加えることができない。」とあります。「資源の採掘や自然環境に手を加えることができない」の主語がよくわからないのですよ。当該国なのか、外国なのか。そういった点も含め、より整理が必要な文章に思いましたよ。
例えばこういう感じにしてみてはどうでしょう。
「領土の海岸線から12海里の範囲が領海で自国の主権が及ぶ。排他的経済水域はその外側の200海里までの範囲で、資源開発や環境保全において独占的権利を有する。外国船の航行は可能。」(83字)
書くべきことをリストアップして(12海里と200海里の差、資源開発の権利を有するなど)、それらを文章の中にきれいに配置してみましょう。勢いで文章を書かないように。
>(4)a-沖ノ鳥島、b-沖ノ鳥島
正解ですね。問題ないでしょう。
>(5)南西諸島は台風の進路に位置することが多く、降水量が多くなるが、小笠原諸島は台風の進路上に位置することは少ないため。
これも悪くないのですが、「小笠原諸島」から「小笠原気団」をイメージし、小笠原気団が高気圧(太平洋高気圧の一部)であることから降水量の少なさを導き出す必要があったのです。小笠原気団は中学地理でも登場する内容です。解答できなくはなかったと思いますよ。
このような形でしょうか。
「南西諸島は台風の通り道であり、更に梅雨前線の勢力も及び多雨。小笠原諸島は太平洋高気圧の小笠原気団の影響が強く比較的少雨。」(60字)
文章を「〜が、」を用いて繋がず、二つに切ってしまった方がいいです。文章が上手い人はとにかく一つの文を長くする傾向があるのですが、それは意味がないことです。「答え」を明確に書くためには、文章が短い方がわかりやすいのです。
>設問B
>(1)a- 南回帰線、b-赤道、c-北回帰線
Cはカナダのバフィン島ですね。北極線が該当します。
>(2) 沿岸部に水が侵入し、沈水したことによるリアス海岸。
リアス海岸ではなく、フィヨルド海岸ですよね?氷河がキーワードです。
「氷河による侵食→U字谷の形成→海水が侵入(土地の沈降など)→フィヨルド」ですよね。
>(3)a島では米の栽培が盛んに行われていて、b島でも降水量が多いので米の栽培が盛んに行われている。
さすがにこれはちょっと雑すぎますね。90字の条件も全く満たしていません。「知らない」のなら仕方ありませんから、調べてから書いてみたらどうでしょう?
例えばこういった形です。
「aは熱帯雨林に覆われ林業が発達する他。油ヤシの栽培も。新期造山帯に含まれ原油の産出も多い。bは南東貿易風の影響で多雨となる東部で米作が発達。バニラビーンズなど商品作物の栽培も。」(88字)
文章を前半と後半に分け、2つの島についてそれぞれ明確にして述べること。さらに一つ一つの文章を短く切って、的確な解答とすること。こういったことを意識してください。
>第2問
>設問A
>(1)ア-オーストラリア、イ-カナダ、ウ-マレーシア、エ-クウェート
「年平均降水量」×「面積」=「年降水総量」であることから面積が求められますね。
また、「水資源量」÷「人口」=「1人当たり水資源量」より人口が求められます。
オーストラリアとカナダの判定はこれで可能になりますね。人口、面積ともにカナダが大きいです。
オーストラリアで年降水総量に比べ水資源量が極めて少なくなるのは蒸発が理由ですかね。気温が高い国でそれだけ蒸発量が多いのでしょう。
>(2)降水量が少なく、ナイル川を流れる水が地下水になるため。
ナイル川が「外来河川」であることをしっかり指摘しないといけません。おそらくこの問題は「外来河川」という言葉がないと採点外になったと思いますよ。基本的な言葉ですから、知っていますよね。言葉を使いこなしてください。
(3)ナイル川の上流はエチオピアに位置する一方、川の水はエジプトのアスワンハイダムによって独占されているため。
これも不正確ですね。アスワンハイダムはエジプトにあり、エチオピアではありませんよ。
そもそも「川の水がダムによって独占されている」とはどういった状況でしょうか?
本問は決して簡単ではなかったかも知れませんが、最低限問題文をしっかり読解し、それに即した解答を書くべきです。 一応、解説をしていきますね。
テーマとなっている国はエチオピアです。「自然」と「社会」について述べることが求められています。
自然といえば地形と気候ですよね。エチオピアは高原国です。エジプトとは違い、外国から河川が流入するわけではありません。また、降水量は比較的豊富ですが、雨季と乾季が明瞭で、とくに乾季にはほとんど雨が降りません。
例えば、このように書いてみてはどうでしょう。
「高原に位置するエチオピアでは雨季と乾季が明瞭で、乾季には水を得にくい。」
さらに社会ならば経済について述べるといいと思います。エチオピアは経済レベルが低く(1人当たりGNIが低く)、インフラの整備が進みません。もちろん上水道の施設も十分ではなく、国民は水を得にくいでしょう。
これについてはこんな風に。
「エチオピアは経済レベルが低く、インフラ整備も十分でないため、生活用水などが得られにくい。」
以上の2つのことを、60字に収めればいいのです。とはいえ、これが難しいんですけどね。論述問題は字数が多い方が難しいと考える人もいますが、それは誤解です。短い字数に収めることの方がよほど難しいのですよ。
「高原に位置し、水は天水に依存するが、乾季には水が得にくい。経済レベルが低く、上水道などのインフラも未整備。」(53字)
決して満点が得られる解答には思いませんが(より適切な解答例については問題集を参照してください)、大学受験レベルの知識ならばこれぐらいが精一杯かと思います。決して間違ったことは述べていないので、部分点は狙えるでしょう。
問題文をしっかり読み、どういった解答が求められているのか考えてから、解答作成に取り掛かってくださいね。焦っているような気がしますよ。
>(4)食料自給率が低く、輸入している家畜の飲料水や、穀物を育てるための水を間接的に輸入するというバーチャルウォーターの考え。
内容的には悪くないのですが、文章技術的にちょっと物足りない部分があります。自分でもう一度文章を読んでみてください。
「食料自給率の低い国では穀物や家畜を多く輸入している。その生産のために用いた水も同時に輸入していることになるという考え。」(59字)
どうでしょうか。できるだけ平易な言葉を用いて説明してみました。もちろん、「バーチャルウォーター(間接水)」についての説明ですが、この言葉自体を使用する必要はありませんよね。焦らず、一文で一気に言い切ろうとせず。落ち着いて複数の文によって組み立てみればどうでしょう?
>設問B
>(1)A-中国、B-インド
いいですね。中国は容易にしてもインドはやや意外だったかも知れません。統計確認しましょう。
>(2)経済発展が著しく、工場が大量に排気ガスを排出しているが、発展途中のため空気を浄化するフィルターがつけられていないため。
どうなんでしょう?もうちょっと言葉の使い方に慎重になって欲しいところです。具体的には「排気ガス」ですよね。そもそも「気」は「ガス」ですから、「排ガス」というべきですが、これは「自動車の排ガス」(これは窒素酸化物を含んでいます)という言い方の際に用いるもので、「工場の排ガス」という表現はしませんね。
「経済発展が著しく、石炭の使用量が増えたため、硫黄酸化物などの大気汚染物質の排出が増加した。」
例えばこのように理路整然と言い切って欲しいのですよ。言葉の使い方が雑です。
また「発展途中」という言葉も意味がわかりません。発展途上国であるため、経済が「発展途中」ということでしょうか。それとも、技術水準が低く研究開発が進まないことを指して「発展途中」と言っているのでしょうか。こういった曖昧な言葉は使わない方がいいですよ。
「経済発展が著しく石炭の消費量が増え硫黄酸化物な大気汚染物質が増の排出が増加した。だが法規制などの環境対策が進んでいない。」(60字)
どうでしょうか。より言葉の使い方に慎重に文章をつくってみました。ちょっとした意識の変化で解答技術は劇的に上がりますよ。
>(3)偏西風が微粒子を人口密度が希薄な地域へ運んでいること。
いえ、これはちょっと事実誤認ではないでしょうか。
「PM2.5→工業などエネルギー消費によって生じる→だから人口密度が高い都市部が発生源となる」わけですよね。
これに対し「人口密度が低い」地域でもPM2.5の発生がみられるが、これはどうしてだろう?ということです。
「PM2.5を含む微粒子」の一つの例として「黄砂」があります。乾燥地域で砂漠化が進む黄土高原から、細かい砂粒が風によって中国東部や日本列島に向けて運ばれるのです。
「人口密度が希薄な地域へ」運んでいるわけではありませんよね。砂漠(黄土高原)である「人口密度が希薄な地域から」運ばれているわけですよね。
>第3問
>設問A
>(1)ア-スウェーデン、イ- ブルガリア、ウ-ドイツ、エ-スペイン
適切です。問題ありませんね。
>(2)高齢化社会が進むことで、国内の働き手の減少による国内産業の衰退と、財政収入の減少による国家財政の不安定さ。
惜しいですね。高齢者の増加に注目できたならば、年金や社会保障費の「負担」の増大にこそ触れるべきでした。1人の高齢者を養うために、何人の働き手が必要なのか。その人数が年々少なくなっていくわけで。つまり働き手1人当たりの負担は大きくなります。
なお、高齢化社会とは老年人口率が7〜14%の人口構成をもつ社会、高齢社会とは同じく14%以上、超高齢は同じく21%以上です。厳密に数値として決まっている用語です。
ここでは「高齢化が進む」であったり「高齢者が増加する」などの言い方をするべきだったでしょうね。
私はこう書いてみました。
「若年層の減少で労働力が不足。産業の衰退や経済の停滞が生じる。高齢者の増加で医療費や社会保障費の財政負担が深刻となる。」(58字)
どうでしょうか。わかりやすいと思いますよ。
>(3)国家財政が破綻し、国内の景気が悪化していることと、国内産業の衰退により失業率が高い状態が続いているため。
これ、ブルガリアの話ですよね。「国家財政の破綻」は極端ではないでしょうか。ブルガリアは旧社会主義です。ソ連(ロシア)が典型的なのですが、社会主義から資本主義へと転換し、その社会的混乱の中で人々の生活への不安が煽られ、出生率が低下しました。このことは、東欧・旧ソ連諸国一般に言えることであり、さほど難しい知識というわけでもありません。
さらに「国内産業の衰退」というのもちょっと曖昧な気がします。ブルガリアは2000年代にEUに加盟しました(EU加盟国はもちろん知らないといけませんよ)。「ブルガリア=EU」がわかれば、当然労働力の移動についても考察しないといけません。これも無理な知識ではありませんよね。
例えばこういった文章になります。
「社会主義体制崩壊による社会不安に伴い人口の自然減が生じた。EU加盟で若年層が西欧諸国へ流出し、社会減ともなった。」(56字)
常に「人口増減=自然増減+社会増減」の公式を意識してください。人口の変化について言及するということは、自然増減と社会増減の双方から論じるということなのです。漠然と曖昧に記述するのではなく、こういった「手順」に沿ってきちんと論を進めることが大切です。
>(4)女性の社会進出が推進され、女性が働きやすい労働環境が作られるようになり、他の国に比べ出産・育児がしやすいから。
これは何とか大丈夫な気はしますが。。。とりあえず合格圏内の解答ではないでしょうか。具体性がないのが気になるところですが、間違ったことは言ってしませんので、問題ないかと思います。
なお、私はこのように書いてみました。
「女性の社会進出が活発であり仕事を持ちながら出産や子育てができるよう労働環境が整備された。十分な育児休暇や所得補償など。」(59字)
二つの文に分け、最初の分でほぼ内容を全て言い切ってしまい、二つ目の文で具体例を加えています。女性だけでなく男性も育児休暇が取りやすいよう、法律が定められています。また休暇中でも十分な所得が得られるよう補償(保証)されています。余裕があれば、具体的にどんな方策がなされているか、調べておくといいですね。
>設問B
(1)A-東京、B-千葉、C-北海道、D-大阪
>(2)輸送用機械に比べ工場を建設しやすい電気機械は、全国各地に工場が建設され、製造地域が上位5都道府県に集中していないため。
こういった問題は「2つの事例を並べて書く」ことがコツなのです。60字ですから「2つのトピックを2つの文」で述べてください。
例えばこういった形です。
「自動車など輸送用機械は関連産業の集積が必要であり立地移動しない。軽量高付加価値の電気機械は労働費や地価の安い地方に移動。」(60字)
いぇいさんのように一気に言い切らないこと。箇条書きスタイルでそれぞれの特徴を述べることで、適切な解答になります。「文章を書く」ことより「問題に対して解答(回答)する」という気持ちを持ってくださいね。
一つ目のポイントは「集積立地」です。輸送用機械の代表例である自動車工業は「集積立地」とされています。「関連産業」の集積が必須だからですね。
例えばこういった文になります
(A)自動車など輸送用機械は関連産業の集積が必要であるため、他に移動しにくい。
さらに電気機械ですが、「輸送しやすい」ことが絶対条件ですね。地方の「安価」な「土地」や「労働力」が重要なファクターになりますよね。
(B)電気機械は軽量高付加価値であり、労働コストや地価の安い地方に移動する。
こんな感じでしょうか。ここでは「軽量高付加価値」という便利な言葉を使ってみました。本来ならIC部品にこそ用いる言葉ですが、自動車に比べ軽量である電気機械に使ってもとくに問題ないと思います(ICも電気機械の一つですからね)。
このように独立した二つの解答を作っておいて、それをつなげて(さらに字数調整して)j表記のような60字の解答にまとめるのです。次回はこういった書き方を意識してくださいね。
>(3)国内での需要が減り、出荷額等の減少がみられた一方で、大分県は国内市場ではなく、著しい経済成長の下で需要が高まっているアジアの国々に向けて、デジタル家電を大量に輸出し始めたため。
問われているのは大分県だけではありませんよね?問題文をしっかり読んで、何を書くべきかを確認してから問題に取り掛かりましょう。
ここでは「大幅な減少がみられた県」と「わずかな減少にとどまった県」の違いを述べることが求められています。とくに3行(90字)という長い字数が与えられているのですから、前半(45字)で「大幅な減少がみられた県」の特徴を述べ、後半(45字)で「わずかな減少にとどまった県」の特徴を述べるべきです。そういった構成力が大切になりますよ。
さらに言えば、図表をきちんと見ていますか?大分県の出荷額の上位は「鉄鋼」や「化学」であり、デジタル家電関係はありませんよ?むしろ電気部品の生産を主としている秋田県や山形県で落ち込みが激しいのです。図表を正確に読解する力こそ「地理力」なのです。緻密な思考と分析を必要とする科目なのです。
こういった形の解答になったかと思います。
「デジタル家電の分野では、アジア地域の工業化により輸出が増え、競争力の弱い国内の工業地域は圧迫された。一方で、自動車工業、鉄鋼や化学などの基礎素材工業はその影響が少ない。」(84字)
本問のポイントは、表中の右列「出荷額等の上位業種」ですね。大きく値を減らしている県の主要業種は「電子部品等」や「情報通信機械」などのデジタル家電であるのに対し、さほど低下していない県は「輸送用機械」つまり自動車といった日本が長い間アドバンテージを持ち続けている「お家芸」的な工業種、そして鉄鋼や化学などの資本集約型工業です。とくに資本集約型工業については労働力に依存しませんから、(安価な労働力を目的として)海外に工場が立地移動しないことがわかるでしょう。
福岡と大分から電子工業をイメージしたことはわかるのですが、おそらくそれでは出題者の狙うところの解答には辿りつかないと思います。与えられている材料(使用する用語、表やグラフなど)から、「どういったことを回答することが求められているのか」といったことを想像しながら書くことが重要でした。
<添削を終わって。。。>
どうなんでしょう?たしかに実際の試験時間を意識して取り組むのはいいのですが、ちょっと「雑」な部分も目立ちます。焦らずに、1つの大問ごと解いてみたらどうですか?
文章力は悪くありません。しかし、逆にそれが障害になっている部分があります。つまり「内容が薄い」状態でもそれなりの解答になってしまうのです。
焦ることなく落ち着いて、問題文をしっかり読み込み、何が答えれば得点になるのか確認してから書き始めましょう。また、わからないこと(例えばマダガスカルの産業など)があれば、調べてみてもいいと思いますよ。まだまだ本番までは半年以上あります。知識が不足していることは全く問題ありません。むしろこうした過去問を解きながら、知識を補っていきましょう。
まだ、問題集の解説に頼って解答を書いていいと思いますよ。過去問は覚えるものですので、解説を読んだり、模範解答を見ることを恥と思わないでください。極端な話、模範解答を覚えてしまえばいいのです。
あるいは、やはりゆっくり問題と向き合い、ネットを利用していろいろ調べながら文章を書いてみたらどうですか?ちょっと「慎重さ」が足りないようにも思うのです。時間を計って問題を解くのは、その次の段階ですね。
現時点では「雑」に書いてしまう悪い癖がついてしまっているようですよ。「雑でもいいから、とりあえず解答をまとめてしまおう」といった意識があるのではないでしょうか。
そうではなく、「文章」を書くというより、的確に「回答」するという気持ちを持ってください。例えば「見事な文章であっても地理的な内容に乏しい解答」と「文章力は拙いが、地理的な内容を抑えた解答」ならば、どちらが高得点となりますか?受験生に問われているのは「国語力」ではありません。「地理力」なんですよ。
一旦、時間を計って一年分まとめて解くことは止め、大問ごと(あるいは、小問一つだけでも構いません)丁寧に解いてみましょう。
次回も期待しています(^^)
- 2021.08.04 06:08
- たつじん
一年分を初めてまとめて75分間で解いてみました。まだまだ実力不足なところが目立ちますが、添削よろしくお願い致します。
東大地理2017年度
第1間
設問A
(1)島々は太平洋の中央部にあるホットスポットから供給されるマグマによりプレート上にでき、プレートが一定方向に移動するため。
(2)面積が小さいため、広い土地を必要とする工場立地や地下資源採掘による国内の産業育成が困難で、経済発展が難しいから。
(3)領海は領土の海岩船から十二海里で、国家の主権が及び、他国は許可なしに航行できない。排他的経済水域では、他国は自由に航行できるが、資源の採掘や自然環境に手を加えることができない。
(4)a-沖ノ鳥島、b-沖ノ鳥島
(5)南西諸島は台風の進路に位置することが多く、降水量が多くなるが、小笠原諸島は台風の進路上に位置することは少ないため。
設問B
(1)a- 南回帰線、b-赤道、c-北回帰線
(2) 沿岸部に水が侵入し、沈水したことによるリアス海岸。
(3)a島では米の栽培が盛んに行われていて、b島でも降水量が多いので米の栽培が盛んに行われている。
第2問
設問A
(1)ア-オーストラリア、イ-カナダ、ウ-マレーシア、エ-クウェート
(2)降水量が少なく、ナイル川を流れる水が地下水になるため。
(3)ナイル川の上流はエチオピアに位置する一方、川の水はエジプトのアスワンハイダムによって独占されているため。
(4)食料自給率が低く、輸入している家畜の飲料水や、穀物を育てるための水を間接的に輸入するというバーチャルウォーターの考え。
設問B
(1)A-中国、B-インド
(2)経済発展が著しく、工場が大量に排気ガスを排出しているが、発展途中のため空気を浄化するフィルターがつけられていないため。
(3)偏西風が微粒子を人口密度が希薄な地域へ運んでいること。
第3問
設問A
(1)ア-スウェーデン、イ- ブルガリア、ウ-ドイツ、エ-スペイン
(2)高齢化社会が進むことで、国内の働き手の減少による国内産業の衰退と、財政収入の減少による国家財政の不安定さ。
(3)国家財政が破綻し、国内の景気が悪化していることと、国内産業の衰退により失業率が高い状態が続いているため。
(4)女性の社会進出が推進され、女性が働きやすい労働環境が作られるようになり、他の国に比べ出産・育児がしやすいから。
設問B
(1)A-東京、B-千葉、C-北海道、D-大阪
(2)輸送用機械に比べ工場を建設しやすい電気機械は、全国各地に工場が建設され、製造地域が上位5都道府県に集中していないため。
(3)国内での需要が減り、出荷額等の減少がみられた一方で、大分県は国内市場ではなく、著しい経済成長の下で需要が高まっているアジアの国々に向けて、デジタル家電を大量に輸出し始めたため。
- 2021.07.30 13:29
- いぇい
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