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2021.09.03
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コメント
では添削いたします。
>東大 2012 第二問
>設問A
>(1)Aーコーヒー Bー米 Cー茶 Dーとうもろこし
いいですね、問題ないでしょう。
>(2)アーブラジル イーベトナム ウータイ エースリランカ
ベトナムがポイントでしたね。ベトナムは一時期ブラジルを抑えてコーヒーの輸出が世界一位でした。茶のケニアなど、意外な国がランキング上位に入ったりしていますので、統計で確認しておきましょう。
>(3)ドイモイ政策で経済を自由化して外資導入したり、高収量品種の導入等で、生産性を上げる緑の革命を成功させたから。
いいですね。「社会状況」についてはもちろんベトナムが社会主義国であり、「ドイモイ政策」がポイントになります。
ただ、少しずつ不備がありますので、指摘しておきます。
・ドイモイ政策で「経済を自由化」はさすがに言い過ぎです。「市場経済化」が適当でしょうか。
・ベトナムで「緑の革命」はあまり言いませんね。このキーワードはやはりインドが典型的ですし、インドネシアで時々使う程度でしょうか。またベトナムの生産性の向上についても「多収量品種」はあまり聞いたことがありません。メコン川のデルタでは、それまで一年一作だったものが、灌漑施設の整備で二期作が可能になりました。ベトナムの土地生産性の状況についてはこれを挙げるのがスタンダードです。
・「生産意欲」が重要なキーワードとなります。社会主義による計画経済では人々の労働意欲は損なわれます。市場経済化による競争原理の導入によって意欲が上がり、それが生産性の向上につながりますよね。これを指摘してほしかったところです。
・一つの文の中で「導入」が繰り返し使われています。ここはどうにかならなかったかなと思います。例えば、文を二つに切ってしまえば、まだ不自然ではないのですが。
例えば私はこう書いてみました。
「社会主義国であるがドイモイ政策で市場経済化を進め、輸出用作物の生産に力が入れられた。生産意欲も向上し、生産性が上がった。」(60字)
「社会状況」についてより詳しく論じてみました。コーヒーや米など農産物の輸出が増えたこともベトナムの特徴です。
>(4)生産物の国際相場の変動で収入が大きく変わる貧しい農民の収入•生活を安定させ、持続的にその商品を輸入できるようするため。
ちょっとわかりにくい文章ですね。句読点を忘れているのでしょうか。先ほどの解答もそうですが、文章が長いので、意味が通じにくいところができてしまうのですよ。一文を短く切ってみたらどうですか?
「生産物の国際相場の変動で収入が大きく変わる」という部分が「農民」にかかることで、「生産物の国際相場の変動で収入が大きく変わる農民」としているのでしょうが、lここがわかりにくいのですよ。
「農民の収入は生産物の国際相場の変動の影響を受け不安定。その生活を支えるため高価格で生産物を買い取り持続的な農業を目指す。」(60字)
こういうことですよね。文章を整理し、わかりやすい形で解答を作ってみてください。
今回は「持続的」という言葉は使いにくかったと思いますので、これはとくに構いません。「持続的な開発」という言葉を聞いたことがあると思います。「環境に適応した」という意味です。環境に配慮して開発を行い、自然が失われないようにすることです。
農業に関してもこのように「持続的な農業」という言葉を用い、「環境に適応した農業」のことを表現します。過耕作や過剰な灌漑によって土地を劣化させることなく、無理のない農業が行われます。
本問はフェアトレードに関する内容でしたが、東大の入試問題でこのような特定の語句の意味が問われることは珍しいですよね。逆にいえば、それだけ重要性が高い言葉ということです。この機会に、フェアトレードについての理解を深めておきましょう。
>設問B
>(1)国内人口が多く、自給できないため。食生活の変化で需要が増えた家畜のための飼料作物として、それらが大量に必要だから。
惜しい文章ですね。「需要が増えた」ことも重要ですが、「生産が少ない」ことも挙げて欲しかったと思います。
例えば、私はこう書いてみました。
「経済発展による生活水準の向上、食の西洋化によって油脂の需要が拡大した。大豆や油ヤシの生産は国内では少ない。」(53字)
本問の難しいのは、書くべき内容はシンプル(経済発展による需要拡大)であるのに、文字数制限が比較的多い(60字)ということです。60字あるならば、2つのトピックを攻めるべきです。
「輸入」が増えたということは、「需要の拡大」だけでなく「国内での生産が少ない」ことにも言及していいのでは、と私は考え、上のような解答を作ってみました。
なお、経済発展ならば「生活水準の向上」という言葉は便利ですので、これらをつなげて使ってみてください。「食の西洋化」という言い方はとてもいいです。こういった「定番」とも言える言い回しをたくさん覚えておくといいですね。
>(2)中国は安くて豊富な労働力があるため、加工コストを安く抑えられるから。農産物は加工しないとすぐ鮮度が落ちるものが多いから。
なるほど、これはうまいですね。とてもわかりやすい文章なので、言わんとすることがよく伝わりますよ。感心しました。
後半の部分がうまいですね。ここはかなり工夫したのではないですか。いい解答だと思いますよ。
>設問C
>(1)人口増加で、森林の再生速度を超えた不適切な焼畑農業が増えたり、牧場開発や薪炭材のための過度な伐採が増えたから。
いいですね。要するに「炭素蓄積量減少=森林減少」ですから、森林が減少した理由を2つ挙げればいいわけです。
「焼畑」については森林の再生サイクルに適応して焼畑が行われた場合は、むしろ森林の更新にもなり、自然環境には優しい農業です。人口増加などの理由で不適切に(過剰に)行われた場合のみ森林現象の原因となりますよね。「森林の再生能力を越えた焼畑農地の拡大」は理由の一つになると思います。
これ以外の理由については以下のようになります。南アメリカの森林減少はよく出題される話題ですので、ぜひ知っておいてくださいね。
・農地の拡大・・・大豆畑として森林が伐採される。
・牧場の拡大・・・同じく肉牛の放牧地として森林が伐採される。
・鉱山の開発・・・カラジャス鉄山の開発
・道路の建設・・・アマゾン横断道路の建設
これらを取捨選択しながら、うまく組み合わせて論述していけばいいでしょう。
例えばこういう書き方もあったと思います。
「Aでは薪炭材の過剰な伐採や森林の再生能力を越えた焼畑農地の拡大。Bでは大豆畑や牧場、道路、鉱山の開発など。(53字)」
AとBを分けて、それぞれに論じてみました。
>(2)環境保護運動の高まりで、CO2を吸収する植林がされたから。
いいですね。「植林」がキーワードですが、字数を埋めるために他の内容にも触れる必要がありますもんね。「環境保護運動」は適切だと思いますよ。
なお私はこう書いてみました。
「先進国で商業林として企業的に管理され、植林も進んでいる。」
カナダや北欧では林業も発達しています。それと関連づけた内容としてみました。
全体としてかなり完成に近づいていますね。今のペースを継続しましょう。
- 2021.09.11 04:14
- たつじん
東大 2012 第二問
設問A
(1)Aーコーヒー Bー米 Cー茶 Dーとうもろこし
(2)アーブラジル イーベトナム ウータイ エースリランカ
(3)ドイモイ政策で経済を自由化して外資導入したり、高収量品種の導入等で、生産性を上げる緑の革命を成功させたから。
(4)生産物の国際相場の変動で収入が大きく変わる貧しい農民の収入•生活を安定させ、持続的にその商品を輸入できるようするため。
設問B
(1)国内人口が多く、自給できないため。食生活の変化で需要が増えた家畜のための飼料作物として、それらが大量に必要だから。
(2)中国は安くて豊富な労働力があるため、加工コストを安く抑えられるから。農産物は加工しないとすぐ鮮度が落ちるものが多いから。
設問C
(1)人口増加で、森林の再生速度を超えた不適切な焼畑農業が増えたり、牧場開発や薪炭材のための過度な伐採が増えたから。
(2)環境保護運動の高まりで、CO2を吸収する植林がされたから。
よろしくお願いします!
- 2021.09.08 07:43
- かい
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