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2021.10.13
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コメント
では添削いたします。
>東大 2012年
>第3問
本問はスタディサプリ地理・論述編の第1講でも扱っていますので、詳しくはそちらをご覧くださいませ。
>A
>(1) a-赤道 b-北回帰線 c-北極圏
北極圏というと、北緯66.6°より高緯度側のエリアを全て含んでしまうので、ここでは「北極圏の南限」というのが適切ですね。また、この線のことを「北極線」とも言いますので、覚えておくといいでしょう。
>(2) bは太陽の南中高度が鉛直になる地域とならない地域の境界。cは夏季の白夜・冬季の極夜が見られる地域と見られない地域の境界。(60字)
かなり工夫して書かれています。わかりやすく、好印象ですよ。
>(3) 「緯度」については、太陽高度などの「天文」観測で正確に測定できていた。「経度」については、測定に必要となる正確な「時間」を知ることができる時計がまだ開発されていなかったため、不正確だった。(86字)
いいですね。古代から一般に知られていた緯度に対し、経度は「発見」しないといけないものでした。多くの探検家が経度の測定に挑戦した歴史があります。適切です。
>(4) オーストラリアや南極。西洋人による探検や測量が行われておらず、知識が乏しかった。その結果、海岸線や面積が不正確だった。(59字)
いいですね。シンプルな問題なので、逆に60字をいかに稼ぐかが課題となりました。こちらも適切です。
>B
>(1) 河川の氾濫防止のため、堤防建設や蛇行河川の直線化、放水路の建設といった水害対策が行われている。また、地下水の取水による地盤沈下が発生し、海抜0メートルを下回る地域が拡大している。(88字)
いいですね。2つの文に明確に分けて、それぞれ詳しく説明しています。後半の文の「地下水の取水による地盤沈下」という言い方がシンプルでいいと思いますよ。
まずひとつ目ですが、標高0mより低いところが多くなっている点に注目したところは適切に思います。ただ、ここでは「原因」について言及するべきですね。問題文にそのように求められています。
0m以下の地域がみられる原因は2つ。一つは干拓です。浅い海に堤防を作り、内側の水を排水。ただ、この場合は海岸に沿って堤防がみられることが条件ですが、本図ではそのようになっていません。Aの範囲が全体的に凹地となっているようです。
これはおそらく「地盤沈下」でしょう。地盤沈下の原因としては「地下水の汲み上げすぎ」一択です。地下水の汲み上げすぎについて、さらにその原因は「工業用水としての利用」ですね。高度経済成長期に沿岸部に工場が立地し、工業用水として地下水が利用されました。そのため、こうした沿岸の低地においては地盤沈下が生じ、いわゆる「マイナス地帯」が生まれたのです。
工業用水として地下水が過剰に汲み上げられ、地盤沈下が生じた。
まずはこれが一つ目の「原因→人為的変化」の組み合わせですね。
さらにもう一つ。これは河川改修でしょう。おもしろいと思うのはAの北東部を北から東に流れる河川ですね。ここから枝分かれした支流が、Aの中央を流れる大きな河川に向かって入り込んでいるわけですが、直接合流せず、大きな河川に沿って小さな流路が設けられ、海へと通じています。これは水が直接入り込むことによる増水を避け、過剰な水を海へと逃しているのでしょう。もちろんこれは洪水対策です。
このような洪水への備えが各所で行なわれていることを考えてください。
よく見ると、河川の脇はやや濃い色で縁取られ、0m以上の地形となっていることがわかります。堤防が建設されているのでしょう。さらに河川の流れは直線状となっています。流離を直線化することも、スムーズな排水に通じ、やはり洪水対策です。これらを総合的に記述すればいいと思います。
洪水対策として河川改修が行なわれた。堤防や分水路の整備、流路の直線化など。
こういった形でしょうか。
二つの文章を合わせると、こうなりますね。
工業用水として地下水が過剰に汲み上げられ、地盤沈下が生じた。洪水対策として河川改修が行なわれた。堤防や分水路の整備、流路の直線化など。(67字)
これを土台として、字数が少ないので、いくつかの内容を肉付けしていけば完成となります。二つの内容について、原因と変化をしっかり書くこと。「工業用水→地下水の過剰な揚水→地盤沈下」、「洪水対策→改修工事→堤防の整備など」でしょうか。書くべき内容を整理し、因果関係を明確にすることが大切な問題でした。
>(2) 「生活環境」改善に向けて、「都市化」による排水流入がもたらした水質汚濁や悪臭への対策、道路「拡幅」のための用地確保策とされたから。
(59字)
2行(60字)のうちで、キーワードを3つも使わないといけないため各内容は制限されますが、逆にこれを利用したらいいですね。キーワードから、論じるべき内容を導き出し、それに沿ってスムーズに文章を組み立ててみましょう。
まず「拡張」ですが、これは間違いなく「道路の拡張」でしょう。交通量の増加によって車線も増やす必要があり、道路幅の拡張により河川の暗渠化が進んだ。
さらに「生活環境」ですが、「生活環境が悪化した」ことは確実ですので、「生活環境改善に向けて」はとても適切に思います。非常にスムーズです。
「都市化」の使い方もうまいですね。「都市化による排水流入」で問題ないでしょう。
十分な合格点です。
一つ弱点を挙げるとすると、具体性に欠けるということでしょうか。私は具体的な改善策として「河川の暗渠化」を挙げてみました。河川にフタをして隠してしまうというわけですね。都市では一般的にみられる光景です。
時代は高度経済成長です。生活排水が河川へと流入し(いわゆるドブ川というものでしょうか)、汚濁が進みます。景観が損なわれるだけでなく、悪臭などの公害も生じるのではないでしょうか。それを隠すために河川の暗渠化が進んだとは考えられませんか。
「交通渋滞の軽減のため道路が拡張され暗渠化された。生活排水の流入により河川の汚濁が進み、その対策として暗渠化された。」(57字)
「暗渠化された」という言葉が繰り返し用いられており、文章としては下手ですが、内容的には十分と思います。60字ですので、「30字×2文」という組み立てを意識しています。
>(3) 空港。広大な用地を確保できる。市街地に近く、市街地へのアクセスが良い。市街地への騒音被害を抑制できる。(51字)
いいですね。限られた字数の中に「用地」、「アクセス」、「騒音」の三つの要因を挙げています。字数がやや少ない(51字)であることは全く気になりません。上手いと思いますよ。
私の解答もほぼ同じです。
「空港。広い土地を確保できる。鉄道や道路の整備で交通アクセスが良い。市街地から離れており騒音などの問題を避けられる。」(57字)
> ごみ処理場。後背の大都市から出る大量の廃棄物を処理する需要が大きく、悪臭対策や焼却灰の埋め立てに有効であるから。(56字)
こちらもいいですね。「後背の大都市」という言い方は受験生離れしており、とても上手ですね。「悪臭」や「焼却灰の埋め立て」など複数の理由に言及している点も素晴らしいと思います。
- 2021.10.24 11:05
- たつじん
東大 2012年
第3問
A
(1) a-赤道 b-北回帰線 c-北極圏
(2) bは太陽の南中高度が鉛直になる地域とならない地域の境界。cは夏季の白夜・冬季の極夜が見られる地域と見られない地域の境界。(60字)
(3) 「緯度」については、太陽高度などの「天文」観測で正確に測定できていた。「経度」については、測定に必要となる正確な「時間」を知ることができる時計がまだ開発されていなかったため、不正確だった。(86字)
(4) オーストラリアや南極。西洋人による探検や測量が行われておらず、知識が乏しかった。その結果、海岸線や面積が不正確だった。(59字)
B
(1) 河川の氾濫防止のため、堤防建設や蛇行河川の直線化、放水路の建設といった水害対策が行われている。また、地下水の取水による地盤沈下が発生し、海抜0メートルを下回る地域が拡大している。(88字)
(2) 「生活環境」改善に向けて、「都市化」による排水流入がもたらした水質汚濁や悪臭への対策、道路「拡幅」のための用地確保策とされたから。
(59字)
(3) 空港。広大な用地を確保できる。市街地に近く、市街地へのアクセスが良い。市街地への騒音被害を抑制できる。(51字)
ごみ処理場。後背の大都市から出る大量の廃棄物を処理する需要が大きく、悪臭対策や焼却灰の埋め立てに有効であるから。(56字)
- 2021.10.19 04:21
- チョウセイ
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