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2024.11.08
1866
2024年度たつじんオープン添削投稿フォームになります。第36回の分をこちらに投稿してください。
コメント
ドゥーチェさんこんにちは、では添削いたします。
>’18 第3問
設問A
(1)
東京圏・大阪圏と近距離も、山がちな地形のため高速交通網が未発達で通勤通学目的の移動が困難。(45字)
利便性を求め都市圏に人口流出。(15字)
これ、おもしろい問題ですよね。大都市圏への交通のアクセスがよくなることによって、かえって人口が流出してしまうことがあります。複数の要因が重なることがポイントとなり、いかにも東大が好きそうな話題ですよね。人口流出のしくみを理解しましょうね。
>(2)
雇用を求め若年層が、工業化した三大都市圏付近や、経済・産業の中心で第三次産業が発達する都市規模の大きい広域中心都市へ流入。(61字)
過疎化の進む農村地域は、若年層流出に加え少子高齢化も顕著。(29字)
こちらもうまいですね。独立した2つの内容を答える問題です。典型的な2トピックですよね。前半で「都市」の状況を説明し、後半で「農村」の説明をしています。こういった組み立ては完璧にマスターできていますね。
>設問C
>(1)
地価の高い都心部は中心業務地区が広がり、オフィスビルの他、買回り品を扱うデパートが立地。(44字)
地価が安く都心部への通勤に便利な郊外は住宅地の他、生鮮食品など最寄り品を扱うスーパーが立地。(46字)
こちらも同じく2トピックですね。本来なら「最寄品」は郊外に限定されるわけではなく、都心部やあるいは都市圏外の農村(過疎化が進む)にも店舗が立地しますが、この問題は「都心部←→郊外」の対比構造を問う問題であり、買い回り品と最寄品を対比的に扱うことが求められていますね。この問題に典型的にみられるように、「地理的な真理」を書くことより、問題の問われ方によって「解答をアレンジする」ことも時には必要になりますよね。
>(2)ニュータウンの高齢化・若年層流出で購買力低下。(23字)
幹線道路沿いの大型店増加で、交通弱者の高齢者でも通えた徒歩圏内の店が撤退。(37字)
こちらもいいですね。「徒歩圏内」と「幹線道路沿い」を対比的に示しています。
>【感想】
今回はどれもよく見かけるようなトピックだったにもかかわらず、全体的に解きにくかったです…(A⑴「山がちで高速交通未発達」、C⑵「ニュータウンでの購買力低下」は全く思いつきませんでした)。
私もそう思います。いかにも東大の典型的な問題であり、おそらくこういったテーマを専門的に研究している先生がいらっしゃるのでは。それだけに「深い」考察が必要な問題でした。ただ、ドゥーチェさんには過去問で同じ様な問題を問いていたという「経験値」があるから強いですよ。十分な対策をせずに受験する者はここで点が取れません。東大は天才型の受験生が多く、国語や英語、数学などはそういった生徒たちが力を発揮しますが、地理は経験値がモノをいう科目です。単なる天才では点が取れませんよね。愚鈍な努力を継続して、多くの問題に当たった者が高得点を得ます。天才の科目ではなく、努力家の科目である。そこが地理のいいところだと私は思っていますよ。
>【余談】
先日、「徳島県が、若手の医療従事者を確保するため、出勤前にサーフィンが出来る環境を前面に打ち出した」という内容のニュース記事を見かけました。読み進めていくと、「徳島県は人口10万人当たりの医師数が全国1位ながら、医師の平均年齢が全国で最も高く、医師の高齢化が進んでいる」というようなことが書かれており、かなり衝撃的だったのですが、よくよく考えてみるとこれは2019年度第三問設問A⑵で取り上げられている高知県と同じ事例だということに気づきました。地理学習によって、社会に対する解像度が上がるとはこういうことなのですね。(最近このように感じる場面が増えてきて、過去問研究のモチベーションに繋がっています!)
そうだったのですか、なるほどサーフィンで村おこしですか、それ素晴らしいアイデアですよね!私はボードゲームが趣味なのですが、これ、以前から考えていたことがあり、村おこしの手段としてボードゲームを取り上げたらいいのではないかと思っているのです。こうした「知的趣味」の愛好家は頭脳明晰で、さらにICT関係が多いのですが、インターネットの整備によって過疎化が進む農村でもリモートや在宅で仕事ができますよね。ボードゲームは対戦相手が必要なので、集住性は極めて有利な要素になります。オリジナルのゲームをふるさと納税の返礼品にしてもおもしろいでしょう。自然の美しさなどを推すのではなく、あえて都市的な要素をもって農村に若い世代を迎え入れることがこれからは有効になるのではないかと思っています。おもしろい時代ですよね。
「社会に対する解像度」とは素晴らしい表現ですが、地理の学習の到達点はそういったところにあるのではないかと私も思っています。
さらに勉強を重ねましょう。
- 2024.11.30 10:35
- たつじん
’18 第3問
設問A
(1)
東京圏・大阪圏と近距離も、山がちな地形のため高速交通網が未発達で通勤通学目的の移動が困難。(45字)
利便性を求め都市圏に人口流出。(15字)
(2)
雇用を求め若年層が、工業化した三大都市圏付近や、経済・産業の中心で第三次産業が発達する都市規模の大きい広域中心都市へ流入。(61字)
過疎化の進む農村地域は、若年層流出に加え少子高齢化も顕著。(29字)
設問C
(1)
地価の高い都心部は中心業務地区が広がり、オフィスビルの他、買回り品を扱うデパートが立地。(44字)
地価が安く都心部への通勤に便利な郊外は住宅地の他、生鮮食品など最寄り品を扱うスーパーが立地。(46字)
(2)
ニュータウンの高齢化・若年層流出で購買力低下。(23字)
幹線道路沿いの大型店増加で、交通弱者の高齢者でも通えた徒歩圏内の店が撤退。(37字)
【感想】
今回はどれもよく見かけるようなトピックだったにもかかわらず、全体的に解きにくかったです…(A⑴「山がちで高速交通未発達」、C⑵「ニュータウンでの購買力低下」は全く思いつきませんでした)。
【余談】
先日、「徳島県が、若手の医療従事者を確保するため、出勤前にサーフィンが出来る環境を前面に打ち出した」という内容のニュース記事を見かけました。読み進めていくと、「徳島県は人口10万人当たりの医師数が全国1位ながら、医師の平均年齢が全国で最も高く、医師の高齢化が進んでいる」というようなことが書かれており、かなり衝撃的だったのですが、よくよく考えてみるとこれは2019年度第三問設問A⑵で取り上げられている高知県と同じ事例だということに気づきました。地理学習によって、社会に対する解像度が上がるとはこういうことなのですね。(最近このように感じる場面が増えてきて、過去問研究のモチベーションに繋がっています!)
今週もよろしくお願いいたします。
- 2024.11.12 17:42
- ドゥーチェ
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