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2025.06.06
2102
2025年度たつじんオープン添削投稿フォームになります。第11回の分をこちらに投稿してください。
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一本さんこんにちは。では添削いたします。
>2008年 問題1 設問A
(3)乾燥気候下でオアシス農業を行う。上流のダム建設による肥沃土の供給減や過灌漑による土壌の塩類土化で土地生産性が悪化。(57字)
こちら上手いですね。ベストの回答です。まずキーワードとなる気候と農業(こういう場合はこちらのようにホイットルセー農業区分を取り上げるのはベターな方策です)を述べ、さらに後段で具体例を端的に説明しています。ラストの「土地生産性が悪化」も効いています。
>(4)斜面の過耕作による耕地の土壌侵食・流出が生じ、流域の植生破壊や不毛地化も起こる。河川b流域では耕地に植林し森林に戻す退耕還林政策を、河川C流域では等高線耕作を行い土壌保全を図る。(89字)
こちらもとても上手です。「箇条書き」スタイルというか、シンプルに用語だけを言い切る形は実は東大論述には有効なのですが、それができていますね。かなり習熟した印象を受けます。
>2008年 問題1 設問B
(2)排他的経済水域では漁業資源・鉱産資源の独占的開発権が認められる。技術革新で海洋資源の開発が進み、大陸棚の豊富な資源確保の可能性が増したため沿岸国が排他的経済水域の拡大を求める。(88字)
>2008年1B(2)では、「エでは~」で解答すると字数がかなり余ってしまったため、正式名で記述しましたが減点などは大丈夫でしょうか?
なるほど、一本さんはある程度は東大論述のパターン(字数を削減し、内容を詰め込む)ことに慣れ始めているので、かえってこういった問題で混乱するところもあるのですね。しかし、それはとてもいいことだと思いますよ。問題にはいくつかのタイプがあり、それによって姿勢を変えていくことの必要性に気づいているということです。素晴らしいステップです。
こちらの(2)はちょっと東大っぽくない問題ですよね。他の問題とは傾向が異なります。シンプルに用語(排他的経済水域)の内容を答えるという形であり、東大の問題としては例外的です。おそらく出題側にとっては重要性の低い問題かと思います。
東大の問題の一つの傾向として完成形としての生徒を求めているわけではなく、そのポテンシャルを問うているような気がします。つまり「知識」をどれだけ知っているか、ではなく「どのように考えるか」といった思考課程こそ求められるポイントに思うのです。短い字数で構成を組み立て、問題によって与えられた情報に対して過不足なく返答する。決して知識の寡多が問われるのではありません。
本問のような言葉の意味が主題となるパターンは珍しいですし、何より受験生の価値をこういった問題で探っているとも思えません。一本さんも多くの問題を解く中でこういった「雰囲気」の違いに気が付くことがあると思います。その感覚を大切にしてください。そういった問題は「難問=悪問=捨て問」でさえあることがあります。今までのパターンからは脱し、一般的な(東大特有のものではない)解答法によって文章を組み上げることこそ必要になるのかもしれません。今回の問題においてあえて「正式名」で書いたことも、一つの方法かと思います。より多くの問題にあたって感覚を磨きましょう。
次回も期待しています。
- 2025.06.23 15:13
- たつじん
2008年 問題1 設問A
(3)乾燥気候下でオアシス農業を行う。上流のダム建設による肥沃土の供給減や過灌漑による土壌の塩類土化で土地生産性が悪化。(57字)
(4)斜面の過耕作による耕地の土壌侵食・流出が生じ、流域の植生破壊や不毛地化も起こる。河川b流域では耕地に植林し森林に戻す退耕還林政策を、河川C流域では等高線耕作を行い土壌保全を図る。(89字)
2008年 問題1 設問B
(2)排他的経済水域では漁業資源・鉱産資源の独占的開発権が認められる。技術革新で海洋資源の開発が進み、大陸棚の豊富な資源確保の可能性が増したため沿岸国が排他的経済水域の拡大を求める。(88字)
たつじん先生、今週もお題をありがとうございます。
2008年1B(2)では、「エでは〜」で解答すると字数がかなり余ってしまったため、正式名で記述しましたが減点などは大丈夫でしょうか?
- 2025.06.11 09:34
- 東大一本
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