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2020.08.25
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では添削いたします。
>2017年度第1問_185(太平洋の島々の自然、経済、領域、および3つの島の自然と産業より)
>設問A
(1)太平洋プレートのハワイ諸島の上にホットスポットが形成されており、プレートが南西から北東に長い年月をかけて動くとともに、火山島からサンゴ礁島へと変化している。
十分な内容が答えられています。満点です。次回は字数(60字)制限に注意してみましょう。字数を短くするのは案外と難しく、テクニックが必要ですよ。
>(2)
島の面積が小さく、肥沃な土地が少ないため自国内だけで経済を発展させることが困難であるため。
悪くないと思いますよ。十分合格圏です。ただし、こちらも字数には注意して欲しいところです。60字制限ですので、もう少し書いたほうが良かったですね。
大まかな目安として、東大地理の場合は「30字ごとに一つのトピック」を意識してください。本問は60字ですので、2つのトピックが必要になります。
一つは「面積の小ささ」ゆえの農地の少なさや開発の限界でしょう。面積が小さいので農地が少なく、プランテーション農業のような産業を発展させにくいものです。また資源の産出も少ないでしょうし、あったとしてもすぐに枯渇してしまうはずです(ナウルのグアノ(リン鉱石を含む)がその例です)。
私が考えるに、もう一つは「距離の遠さ」ではないでしょうか。これに人口の少なさも加え、先進国からの投資が進まない状況を説明したら良かったと思いますよ。遠隔地であり、さらに人口も少ないので、工場などの進出がみられません。一部ではリゾートとしての開発もみられないことはないのでしょうが、それでも先進国が積極的に投資をする状況ではないと思います。
面積が小さく農業が振るわず、資源産出も少ない。遠隔地で人口が少ないため工場の進出もなく、先進国から投資も進まない。(57字)
こういった形でしょうか。参考にしてくださいね。
>(3)
領海は領土から12海里内で自国の主権を完全に主張できる領域である。排他的経済水域は領土から200海里内で自国の資源や環境保全について主張できる領域であり、この域内なら航行は自由に行える。
とてもいいですね。適切です。ただ、ちょっとだけ気になるのは、「主張」という言葉にちょっとこだわり過ぎな印象がありますね。そこはシンプルに「主権を有する」「権利を有する」などの表現を使っても良かったかなとは思います。
領土の海岸線から12海里の範囲が領海で自国の主権が及ぶ。排他的経済水域はその外側の200海里までの範囲で、資源開発や環境保全において独占的権利を有する。外国船の航行は可能。(83字)
こういった感じでしょうか。「環境」という言葉が使いにくく、どうもしっくり来ませんが、このような使い方が限界だったかなと(減点されるかも知れませんが)
>(4)
a…南鳥島、b…沖ノ鳥島
適切です。基本的な内容ですね。
>(5)
小笠原諸島は太平洋高気圧の影響で降水量が少ない。南西諸島は梅雨前線や台風の影響で降水量が多い。
これはいいですね。シンプルにまとめられていていいと思いますよ。簡単な表現で書ききるというテクニックを身に着けましょう。
問題そのものもとても面白いです。「亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)=太平洋高気圧=小笠原気団」です。夏に太平洋上に発達する小笠原気団は太平洋高気圧の一部で、これは地球レベルでみれば亜熱帯高圧帯に含まれます。「小笠原気団」と書いても問題なかったとは思いますが、小笠原気団については「湿潤・温暖」な気団であり、梅雨の原因になる(これが北上することでオホーツク気団との境界に前線を生じる)ことから、むしろ湿潤な気候の原因として語られることが多いですからね。「太平洋高気圧」とした点は非常に評価できます。
中緯度一帯は全体として亜熱帯高圧帯が形成されることで気圧は高いのですが、とくに7月(北半球の夏ですね)は比熱の関係でとくに海洋上で気圧が高くなります(海上の空気の方が大陸上の空気より低温ですので)。大洋上に位置する小笠原諸島においてより高気圧の影響が強いことも納得できるのではないでしょうか。
一方で南西諸島は台風の進路に当たり、降水量が多くなりますね。台風は熱帯低気圧のとくに勢力が強いもので、低気圧の一種です。さらに梅雨前線の影響も当然ありますよね。ユーラシア大陸から日本列島にかけてはこの影響がとても強いです。両者について言及していますので、とてもいい解答だと思います。
>設問B
>(1)
a・・・カリマンタン島(インドネシア)・・・赤道
b・・・マダガスカル島(マダガスカル)・・・南回帰線
c・・・バフィン島(カナダ、北東部)・・・北極線
適切です。素晴らしいですね。
>(2)
氷が解けて形成された谷に海水が入り込んだフィヨルドによるリアス海岸が形成されている
事実誤認が大きいですね。そもそも「フィヨルド」と「リアス海岸」は全く違いますよ。
「国際河川」と「外来河川」など、対照的に用いられる地理用語は多くあります。基礎的な部分ですので、教科書や参考書でこれらをしっかりまとめた方が良いかも知れませんね。
私の著作でも「間違えやすい地理用語をセットで覚える本」(KADOKAWA)という参考書でこういったコンビとなる用語を紹介していますので、よかったら参考にしてください。
さて、そのフィヨルドの説明ですが、以下のような内容になります。
「氷河による侵食→U字谷の形成→海水が侵入(土地の沈降など)→フィヨルド」
これを文章として表現すれば完璧でした。
なお、リアス海岸はこれとは全く違います。
「河川による侵食→V字谷の形成→海水が侵入(土地の沈降など)→リアス海岸」
リアス海岸を構成する一つ一つの谷を「溺れ谷」と言いますが、とくにこれに言及することはないでしょう。一般に「ノコギリ状」の複雑な海岸背をリアス海岸といいますが、ポイントはその成因です。河川が削った谷(断面の形状からV字谷といいます)の沈降によるものです。
フィヨルドが「氷河が削ったU字谷」の沈降であることと対比して覚えておきましょう。
なお、日本にはリアス海岸はありますが、フィヨルドは存在しません。
>(3)
Aは熱帯雨林気候に属するため林業や油ヤシが盛んであり、新期造山帯に属するため原油の採掘が行われる。Bは南東貿易風の影響で東部は多雨であるため稲作が盛んであり、安定陸塊がひろがるためレアメタルの採掘が盛んである。
とてもわかりやすくいい文章だと思いますよ。字数制限が90字であり、そこでa、b両島について語るのですから、一つの島あたり45字になりますね。先に「30字で一つのトピック」と言いましたが、45字では一つ半になります。あまり多くの内容を詰め込むことができないのが難しいところだと思います。
論じるのは「基幹産業」ですね。しかもそれは「自然資源」の利用に基づくものです。
aは熱帯雨林に覆われ林業が発達する他。油ヤシの栽培も。新期造山帯に含まれ原油の産出も多い。bは南東貿易風の影響で多雨となる東部で米作が発達。バニラビーンズなど商品作物の栽培も。(88字)
こういった形でしょうか。本来「新期造山帯=原油」とは必ずしも言い切れないのですが、問題の条件として「自然環境」に触れることが求められるため、このようにしてみました。
なるほど、マダガスカルはレアメタルが産出されるのですね。私の知識では「マダガスカル=バニラビーンズ」であるので、こちらについて記述してみました。よかったら統計など確認しておいてくださいね。問題集の解説にそのまま従うのも悪くありませんが、調べられるところ(統計など)は自分で調べて解答をつくるということにも挑戦してくださいね。
- 2020.09.02 16:17
- たつじん
2017年度第1問_185(太平洋の島々の自然、経済、領域、および3つの島の自然と産業より)
設問A
(1)太平洋プレートのハワイ諸島の上にホットスポットが形成されており、プレートが南西から北東に長い年月をかけて動くとともに、火山島からサンゴ礁島へと変化している。
(2)
島の面積が小さく、肥沃な土地が少ないため自国内だけで経済を発展させることが困難であるため。
(3)
領海は領土から12海里内で自国の主権を完全に主張できる領域である。排他的経済水域は領土から200海里内で自国の資源や環境保全について主張できる領域であり、この域内なら航行は自由に行える。
(4)
a…南鳥島、b…沖ノ鳥島
(5)
小笠原諸島は太平洋高気圧の影響で降水量が少ない。南西諸島は梅雨前線や台風の影響で降水量が多い。
設問B
(1)
a・・・カリマンタン島(インドネシア)・・・赤道
b・・・マダガスカル島(マダガスカル)・・・南回帰線
c・・・バフィン島(カナダ、北東部)・・・北極線
(2)
氷が解けて形成された谷に海水が入り込んだフィヨルドによるリアス海岸が形成されている
(3)
Aは熱帯雨林気候に属するため林業や油ヤシが盛んであり、新期造山帯に属するため原油の採掘が行われる。Bは南東貿易風の影響で東部は多雨であるため稲作が盛んであり、安定陸塊がひろがるためレアメタルの採掘が盛んである。
よろしくお願いします
- 2020.08.28 16:10
- のい
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