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2020.09.02

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添削いたします(^^)

>9月7日1999年大門2

>設問A
>(1)a-アラブ首長国連邦 bーシンガポール cードイツ dーイタリア

いいですね。産油国のアラブ首長国連邦はとくに極端な値になるので判別が簡単です。他は人口規模と対応させればいいでしょう。

(2)aとその周辺の国々ではオイルマネーにより建設ラッシュが起こり、高賃金を求めた貧しい出稼ぎ者が多く建設業に従事するから。(58/60)

これはうまいですね。適切です。

ただ、これはかいさんの特徴なのですが「文章がうますぎる」ためにかえって要点を伝えきれていないのです。うまい文章というものは、どうしても字数をくってしまいます。むしろポイントになる言葉だけをシンプルに連ねていった方がより多くのことを伝えられますよ。

1970年代以降豊富な石油収入により社会資本などの建設が盛んに。自国の人口は少なく、南アジアなどから安価な労働力を迎え入れた。(60字)

実はかいさんの答案で決定的に欠けているものは「自国の人口が少ない」ことなのです。外国人労働力の割合は「外国人労働力人口÷全体の労働人口」ですよね。外国人の労働力が多いことだけを説明しても足りないのです。「全体の労働人口」が小さいことを伝えないといけません。

かいさんは文章力が高いのが、逆に弱点となっています。私の解答は文章としてのレベルは低いと思いますが、「1970年代」「南アジア」など具体的な状況を示す言葉まで入れることにこだわりました。

さらに、やはり地理は「理系」的な思考が重要になるのです。割合が高いことを問われているならば、まず「分子と分母」それぞれについて説明することが必要なのだな、と「数学」的な考えを優先させないといけません。

今後の課題としてくださいね。

>(3)移民が就職することでドイツ人の雇用が減少し、失業率が増加。異言語の移民も多く、国内表記の見直し。宗教・宗派の違いによる文化摩擦と、それによる治安の悪化やテロの発生。(83/90)

これも素晴らしい解答です。90字という長い制限字数でありながら、うまくまとめられています。満点です。

その上でいくつか気になるポイントを。

まず「テロの発生」ですが、これを外国人労働力の流入と結びつけるのはいかがなものでしょう。差別的な思考が見て取れ、採点者にいい印象は与えないと思います。「治安の悪化」も同様です。私が採点者ならば「この受験生は差別的な思考をもっているな。多様性をみとめないのではないか」と、高い評価は与えないと思います。

また、そもそものテーマが「社会制度」ですので、治安やテロの不安に言及するのはややベクトルが異なる気もします。例えば、こういった社会不安に対する法整備が進んだといった内容なら許容範囲ではありますが。

冒頭の文も適切です。ただ、ここも社会制度に言及するならば、雇用対策や職業訓練制度などに関連させて述べる必要がありました。

例えば、かいさんの答案をもとに書き直してみますね。

移民の増加でドイツ人の雇用が減少することから、失業者対策や職業訓練制度の充実が必要。言語の多様性から、教育制度の整備など。貧困層の拡大も考えら、社会保障や医療制度の拡充も。(86字)

こういった形になるでしょうか。「宗教・宗派の違いによる文化摩擦」を省いていますが、宗教や宗派の違いは社会制度で解決するべきものではありませんよね。どうもかいさんの文章は移民の流入にネガティブな印象があり、そこがちょっとマイナスのような気がするんですよね。。。

>設問B
>(1)情報が集まり、女性が多いメディアやオフィスが集積したから。(30/30)
↑そもそもcが東京だと間違えていました。これは添削するまでも無いと思います。

そうでしたか、a〜cの判定を間違えていましたか。これ、基本的な問題ですので、必ず復習しておいてくださいね。

そもそも平均寿命の長い女性の方が1割ほど多いのです。その中で、比較的男性が多いところは「労働者」が流入するからですね。単身付近のサラリーマンや、農村から都心へと出稼ぎに来る人たちを考えてみてもいいと思います。

その中で、1995年の数値をみて「男性>女性」となっているのはいずれも大都市圏や工業地域の都県です。一方、「男性<女性」であるのはむしろ当たり前のことで、それ以外の地域が該当し、選択肢中では北海道になりますね。主に男性からなる労働者の流出によって「男性<女性」のバランスとなったことを意識してください。

1965年の段階からすでに「男性>女性」となっているaとbはともに大都市圏の都心部に位置する東京都と大阪府でしょう。高度経済成長が終わり地方からの人口移動が緩和されたこと、郊外化の進展により都心部での働き手が神奈川県や埼玉県などの遠隔地に住むケースも増えたことなどが、人口性比が下がったことの要因でしょう。大阪府の場合はとくに製造業の衰退(1990年代は多くの電気機械メーカーが海外に進出しました)も原因の一つと思われます。

>(2)海に面しており、自動車工業や石油化学工業などに関する会社が集中しており、男性がそこに働きにくることが多いから。(55/60)

悪くありませんが、ちょっと雑な印象を受けますね。少なくとも「海に面する」ことは「自動車工業」にとっては有利な点ではありません。とくに太平洋側など比較的風も強く、潮風が入ることによって機械工業には不利な点も生じます(自動車の場合、塗装の際に塩分が混ざり、腐食の原因となる)。

ただ、工業に注目した点はベストです。男子労働力の流入については工業が最大の要因です。

本問で難しいのは「共通の理由」です。dとeは愛知県と千葉県のいずれかですが、両県の条件は全く異なります。

<千葉県>
(1)東京大都市圏の郊外に位置し、都心部(東京)へと通勤する人々が流入。サラリーマンには男性が多い。
(2)京浜工業地帯に接する優位性から、京葉工業地域が誕生。臨海部に石油化学工業と鉄鋼業が発達(日本の工業地帯・地域で唯一、機械工業ではなく化学工業の出荷額が最大となっている)。

<愛知県>
(1)名古屋大都市圏を含み、多くの人口が流入。サラリーマンには男性が多い。
(2)工業については日本最大の出荷額。内陸部の豊田市を中心に自動車工業、さらにその周辺では自動車部品の生産など(それらは港湾から輸出もされる)。臨海部では鉄鋼業。

(1)の条件については「千葉県=郊外」「愛知県=都心部(郊外も含む)」であるため、異なっています。これについて言及するのは難しそうです。

(2)が中心になりますね。ただし、両者の状況は全くことなっています。千葉県が臨海部の資本集約型工業ならば、愛知県は内陸部に位置する労働集約型工業です。

つまり、いずれも詳細に書こうとすると必ず矛盾が生じます。むしろ、要点はぼかしつつ、曖昧に答えることがポイントとなるでしょう。

ともに高度経済成長期以降、急速に工業化が進んだ県。鉄鋼業や自動車工業での労働者が流入するが、彼らは主に男性であるため。(59字)

こういったかたちでしょうか。字数制限の割に答えるべき内容が「薄い」問題ですが、なんとか余分なこと(?)を交えながら、字数いっぱいまで文章をつくってみました。

また間が空いてしまいましたが、その分久しぶりに添削をうけれるのが楽しみです。よろしくお願いします!

こちらこそ投稿から添削までかなり時間をいただいてしまい、申し訳ありませんでした。添削のしがいがある素晴らしい解答でしたよ。今後もどんどん投稿してくださいね。

  • 2020.09.14 16:27
  • たつじん

1999年大門2

設問A
(1)a-アラブ首長国連邦 bーシンガポール cードイツ dーイタリア

(2)aとその周辺の国々ではオイルマネーにより建設ラッシュが起こり、高賃金を求めた貧しい出稼ぎ者が多く建設業に従事するから。(58/60)

(3)移民が就職することでドイツ人の雇用が減少し、失業率が増加。異言語の移民も多く、国内表記の見直し。宗教・宗派の違いによる文化摩擦と、それによる治安の悪化やテロの発生。(83/90)

設問B
(1)情報が集まり、女性が多いメディアやオフィスが集積したから。(30/30)
↑そもそもcが東京だと間違えていました。これは添削するまでも無いと思います。

(2)海に面しており、自動車工業や石油化学工業などに関する会社が集中しており、男性がそこに働きにくることが多いから。(55/60)

また間が空いてしまいましたが、その分久しぶりに添削をうけれるのが楽しみです。よろしくお願いします!

  • 2020.09.07 19:50
  • かい

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