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2021.04.01

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コメント欄に、入試問題の大学名と年度、問題番号を書き、それに続けてあなたの解答をペーストしてください。こちらのフォームが他の投稿者によって既に使用されている場合は、他のフォーム(未使用)をご利用ください。投稿後、1週間を目処に添削回答いたします。もし1週間たっても回答がない場合、私が見落としている可能性がありますので、ツイッター(@ts914)にDMをいただけますでしょうか。早々に対応いたします。

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では添削いたします。

>2008設問C

(1)いずれも先進地域で95年当時既に日本企業の市場が成熟していたから。自国企業の発展に伴い日本企業は撤退を始めたから。(57)

なるほど、言いたいことはよくわかるのですが、もう少し工夫が必要だったかなと思います。

まず「市場」ですね。これはマーケットのことであり、経済規模すなわちGNIのことですね。「中国では富裕層の増加と中間層の拡大によって、市場の規模が大きくなった」などの使いかたをします。ですので「市場が成熟」というのはちょっと意味がつかみにくいのです。そもそも「企業の市場」という言い方もよくわかりません。

ここは単に、「日本企業が支店を置いていた」などのようにしてみてはどうでしょう。さほど複雑な回答を出題者側も期待していないと思います。

使えるキーワードとしては「銀行」でしょうか。「いずれも金融業が発達し、日本から銀行など進出していた。」程度でいいと思いますよ。

さらに目立つキーワードには「金融危機」がありますね。バブル崩壊(1990年頃)やサブプライムローン/リーマンショック(2000年代後半)とは時期がずれていますが、アジア通貨危機(1990年代後半)は一応この時期に当てはまりますので(アジア通貨危機が日本経済にさほどダメージを与えたとは思いませんが)、この言葉を使ってしまっていいと思います。

「いずれも金融業が発達した都市で日本から銀行などが進出していたが、金融危機などによってそれらが撤退した。」(51字)

曖昧で具体性のない文章ですが、一応キーワードは使えているので問題ないと思います。この程度の解答で良かったと思いますよ。

あるいは、キーワードにはないのであまりお勧めできる言葉ではありませんが。「バブル」という言葉を用いる方法もありました。

バブル期に銀行など金融業が多く進出していたが、バブル崩壊や金融危機によって一部が撤退した。(45字)

良かったら参考にしてください。

>(2)上海は都市開発で経済技術開発区となり進出補助金や輸出関税の引き下げを実施し多数の日本企業が生産拠点として参入したから。(59)

これも悪くありませんが、ひと工夫必要ですね。どうなんでしょう。健心さんは「うまい文章を書こう」としているのではありませんか。これは文章力が巧みは人だからこそ陥る罠なのです。例えば、無理に一文で言い切ろうとしているのです。これ、かえって意味がわかりにくくなります。

主語と述語の呼応が適切でない箇所が一部にあるようですよ。

「進出補助金や輸出関税の引き下げを実施し」とありますが、「輸出関税の引き下げ」は実施されるものかも知れませんが、「進出補助金」を実施というのはちょっとおかしくありませんか。

また「日本企業が参入」とありますが、こちらはキーワードにもあるのですからシンプルに「進出」とするべきだったでしょう。「日本企業が進出」だけでいいではありませんか。ここに無理やり「生産拠点として」と入れるから文章がちょっとぎこちなくなります。この言葉を入れるならば「日本企業が生産拠点を置いた」とするべきですし、「生産拠点」とは要するに「工場」のことですよね。難しい言葉より、簡単な言葉を使った方がいいですよ。「工場」はキーワードの中にもあります。

さらに事実誤認の部分もあります。これはキチンと調べておいてください。上海は経済技術開発区ではありません。上海では市内の浦東地区が「輸出加工区」となっているのです。経済特区と経済技術開発区は中国固有のものであり、固有名詞のようなものと考えてください(指定されている都市も決まっています。覚えなくていいですが、簡単に調べておくといいですね)。一方、輸出加工区は一般名詞的な言葉であり、世界中に存在しています。上海の浦東地区はこれに該当するのですね。ですので正しくは「上海には輸出加工区が置かれ」とするべきです。

2行というのは長い字数ではありません。とくに今回は使用語句が決められているのですよね。それならば「進出補助金」や「輸出関税の引き下げ」といったオリジナルの言葉を使うのではなく、あくまで使用語句に沿って素直に文章を組み立てた方が得策ですよ。

おそらく本問では「後背地」を使うことが求められていたと思いますよ。後背地とはつまり「背後の土地」のことですが、その都市を支える経済的な基盤がその背後に広がっていることを述べるとさらに良かったとおもいます。

上海は中国最大の都市であるだけでなく、港湾都市として華中地域の経済を支えます。上海の背後には多くの都市が近接し、巨大な経済圏を形成しています。これらの支えがあってこそ、さらに上海は発展するわけです。

後背地についてはさらに詳しくまとめています。下の文章を参考にしてください。

(以下、後背地の説明)

後背地は経済用語なのです。生産力、市場と考えてください。

例えば、こういったパターンです。

「アルゼンチンのブエノスアイレスは広い後背地を有する。」

これは、港湾都市であるブエノスアイレスの背後には広大な農業用地が広がっているという意味です。農産物の輸出港として発展したブエノスアイレス。この都市の内陸側にはパンパという草原がみられ、農畜産物の生産が盛んに行われています。ブエノスアイレスが発展した要因としては、豊かな農畜産物の生産があるわけで、この生産力は「広い後背地」によって支えられているのです。

後背地はこのように生産力について言う場合が多いのですが、市場について言うこともあります。

「東京は大きな後背地を有し、商業活動が活発である。」

こんな感じでしょうか。東京とその周辺(東京大都市圏というべきでしょうか)は莫大な人口を抱え、消費活動が活発です。「市場(マーケット)」としての規模が極めて大きいことがわかります。この市場こそ、東京の後背地となります。巨大な市場に向けて、生産活動や商業活動が行われています。大きな後背地を有しているからこそ、東京は世界最大規模の経済都市となるのですね。

シャンハイの場合の「後背地」は、ブエノスアイレスパターンではなく、東京パターンでしょうね。周辺地域の人口が大きく、消費活動や購買活動が活発です。そうした巨大マーケットの玄関口としてシャンハイが機能しており、世界中から多くの企業が集まっているのです。

(説明ここまで)

私も書いてみました。

以下が私の解答例です。

「都市開発が進み人口も多い上海は広い後背地を有し経済力も大きい。日本から企業進出が急増し、工場も多く設けられた。」(55字)

残念ながら「中枢管理機能」は含めることができませんでした。これはなかなか難易度が高い言葉だったと思いますよ。ここでは「工場」のみに限定されていますが、実際には金融業や商社などの進出も相次ぎ、その中には中枢管理機能を有するものもあるのでしょう。字数の関係でそこまで説明できなかったのが残念です。

簡単な文章で簡単な内容を書き、相手(採点者)に確実に伝える。

このことを意識してみてくださいね。

  • 2021.04.05 11:33
  • たつじん

2008設問C
(1)いずれも先進地域で95年当時既に日本企業の市場が成熟していたから。自国企業の発展に伴い日本企業は撤退を始めたから。(57)
(2)上海は都市開発で経済技術開発区となり進出補助金や輸出関税の引き下げを実施し多数の日本企業が生産拠点として参入したから。(59)

語群の語句をあまりうまく使えませんでした泣
よろしくお願いします。

  • 2021.04.02 20:51
  • 健心

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