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では添削いたします。

＞11(2016年　第2問)

＞設問A
(1)Aｰパーム油　Bｰとうもろこし油　Cｰ菜種油

ＡとＢの判定はマストです。基本的な統計ですね。Ｃはわからなくていいと思います。

(2)(a)マレーシア　(b)中国　(c)アルゼンチン　(d)ウクライナ

ａについてはインドネシアとマレーシアがパーム油の主生産国であることは必ず知っておきましょう。ｃについても大豆の生産が南アメリカで多いことがわかれば、アルゼンチンの判定は難しくありませんね。統計を確認です。

ｂは難しかったと思います。できなくて問題ないでしょう。むしろｄのウクライナをぜひ知っておいて欲しいところです。チェルノーゼム地帯では小麦の他、ヒマワリの栽培が盛んです。

＞(3)経済発展による生活水準の向上で食が西洋化し、油脂の需要拡大。化石燃料に変わるバイオ燃費としての利用が増加。

とてもいいですね。わかりやすいと思います。

「発展途上国の経済発展で生活水準が向上し、食の西洋化で植物性油脂の需要が拡大。植物性バイオマスとしてアルコール燃料の抽出。（60字）」

文字数に余裕がありますね。かえって書くのが難しかったと思います。できるだけキーワードを詰め込んでみました。参考にしてください。

＞(4)油ヤシは熱帯雨林を破壊し栽培するため、光合成による二酸化炭素の吸収が疎かになると共に生物多様性も崩れる。

＞（4）熱帯雨林を伐採して油やし林に転換するため、生物多様性が失われ、二酸化炭素排出量が増加して地球温暖化が進行する。

いいですね。指定語句を利用して解答を組み立てるパターンです。２つのトピックがうまく配置されていると思います。

ただ、「二酸化炭素」については「排出量」ではなく「吸収量」が問題になると思いますよ。森林が伐採されれば光合成によって吸収される二酸化炭素の量が減りますよね。「二酸化炭素吸収量が減少」とするか、あるいは結果として「大気中の二酸化炭素濃度が上昇」とするか、いずれかだったと思いますよ。

私も書いてみました。

「油ヤシ農園の拡大のため熱帯林が伐採され、生物多様性が失われる。森林減少により二酸化炭素の吸収量が減少する。（53字）」

二酸化炭素について「温室効果ガス」であることや、その濃度上昇が「地球温暖化」の原因になることなどについても記述したかったのですが、字数が足りませんでしたね。ここはシンプルにまとめてしまいましょう。

＞設問B
＞(1)(イ)中国　(ロ)タイ　(ハ)アメリカ合衆国

小麦のデータがわかりやすいですね。輸出が多いアメリカ合衆国、熱帯で小麦の栽培に適さないタイです。

＞(2)小麦や果実類の栽培に適した地中海性気候による産物をEUへと輸出している。（３５字）

ちょっと字数が少ないですかね。また、地中海性気候は降水量が少なく、本来小麦や果実の栽培には適しません（耐乾性のオリーブやブドウは例外。例えばスペインでオレンジが栽培されていますが、灌漑が必要です）。

私はこう書きました。

「温暖な気候で野菜や果実が栽培され経済的関係が緊密なＥＵへと輸出。乾燥地域で農業生産が振るわない西アジア諸国に小麦の輸出。（60字）」


60字ですから2つのトピックが必要になります。小麦はエジプトやアルジェリアなどで輸入が多いことを統計で確認しておいてください。

表を正確に読解してみましょう。トルコで自給率が１００を上回っている（輸出している）のは「小麦」「砂糖類」「野菜」「果実」「肉類」の5品目。EUは小麦と肉については自給していますので、この2品目は他地域への輸出であるはずで、西アジアが候補として上がってきます。一方、果実と野菜についてはEU市場向けでしょう。

トルコとEUの関係については「経済的関係が緊密」「経済的つながりが強い」ぐらいでいいと思います。西アジア地域については同じイスラームで食生活の指向性が近い（肉はおそらく羊の肉でしょう。トルコはケバブなど羊肉料理で有名な国ですね）ことを「社会条件」に挙げたかったのですが、字数が足りませんでした。

＞(3)USMCAに加盟し、メキシコ以外の2カ国での栽培に不向きな作物を同国で集中的に栽培している。

NAFTAがUSMCAに更新されたことはポイントになりそうですね。ただ、内容は全く同じと考えてください。2020年代にふさわしく、情報に関する事項が追加になっています。なお、これは「協定」ですので「加盟」ではなく「調印」が適当です。

私も書いてみました。

「メキシコは米国と国際協定により自由貿易が実現。温暖で野菜や果実を米国に輸出し、大量生産による安価な穀物を米国から輸入。（59字）」

こういった形でしょうか。やはり字数が厳しいので、アメリカ合衆国については「米国」としています。野菜や果実についてはメキシコの安価な労働力による生産も記述したかったのですが、字数が足りませんでした。

USMCAに調印していることより、自由貿易自体が実現していることの方がカギですので、そのことのみはっきりと述べ、USMCAという言葉はカットしています。

＞〈一言感想〉
NAFTAなのか USMCAなのかのどっちにするべきかがよくわからなかったです。

なるほど、たしかに過去問を解く際にはちょっと迷ってしまいますよね。

もう一つ投稿していただいている解答については、後ほど添削いたします。

11(2016年　第2問)
設問A
(1)Aｰパーム油　Bｰとうもろこし油　Cｰ菜種油
(2)(a)マレーシア　(b)中国　(c)アルゼンチン　(d)ウクライナ
(3)経済発展による生活水準の向上で食が西洋化し、油脂の需要拡大。化石燃料に変わるバイオ燃費としての利用が増加。
(4)油ヤシは熱帯雨林を破壊し栽培するため、光合成による二酸化炭素の吸収が疎かになると共に生物多様性も崩れる。

設問B
(1)(イ)中国　(ロ)タイ　(ハ)アメリカ合衆国
(2)小麦や果実類の栽培に適した地中海性気候による産物をEUへと輸出している。
(3)USMCAに加盟し、メキシコ以外の2カ国での栽培に不向きな作物を同国で集中的に栽培している。

〈一言感想〉
NAFTAなのか USMCAなのかのどっちにするべきかがよくわからなかったです。