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2021.06.30
投稿フォーム429
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コメント
では添削いたします。
>東大地理 2008年度 第3問 (海外で生活する日本人と日本で生活する外国人 より)
>設問A
>(1)
>a・・・アメリカ
b・・・タイ
c・・・イギリス
>としてしまいました。
タイとイギリスの判断は日本からの距離で判断しました。
タイはイギリスよりも日本に近く、英語圏である、物価も安いため生活する人が多いのでは、と考えました。
惜しかったですね。考え方としては間違っていないのですが。
人口移動については「1人当たりGNIの高い国へと移動」が大原則ですね。aがアメリカ合衆国であるのは間違い無いとして、bはイギリスなのです。
確かにタイについては日本企業の海外現地法人(日系企業)数については「中国>アメリカ合衆国>タイ」の順であるように、経済的なつながりは強いのですが、人口移動については別の要因も作用します。留学を考えれば、1人当たりGNIの高い先進国における日本人の長期滞在者が多いのも納得ですよね(特にイギリスなど英語圏は語学留学生が多いはずです)。
残ったcがタイになります。
>(2)気候が温暖で、リゾート地である。また、治安が良く、生活費が安い。そのため、老後の生活に適しているから。(51字)
いいですね。これで十分ですよ。字数的に短く、内容的にも表現があっさりしている印象がありますが、伝えるべきことは全て挙げられているので問題ないと思いますよ。
ただ、これは現在はやや状況が変わっています。オーストラリアは1人当たりGNIが急上昇しており、日本を上回りました。日本の半分ぐらいしか1人当たりGNIがなかった20〜30年前に比べると「安さ」を目的として移住する人は減ったように思います。
参考までに私のかいとうを二つ紹介しておきます。
「温暖な気候でリゾート地に近く、日本へのアクセスも比較的いい。治安が良く、生活環境に恵まれている。」(48字)
「温暖な気候でリゾート地に近く、日本へのアクセスも比較的いい。定年後の高齢者を中心に移住者が多い。」(48字)
ブリズベンの含まれるクインズランド州からは、ケアンズ〜東京の直行便もあり、空路によるアクセスが良くなっています。このことも解答に含めてみました。
>設問B
>ブラジルへの移民の子孫である日系ブラジル人が出入国管理法の改定により、日本での居住が可能になった。その背景として、国際競争力の上昇に伴って、低賃金で雇える未熟練労働力の需要が高まったことが挙げられる。
こちらもうまいですね。ほぼ満点だと思いますよ。
唯一、「国際競争力」の使い方が気になりますね。
「国際競争力」とは要するに「製品の価格の安さ」です。外国に物を売る時にやっぱり安い方がたくさん売れるじゃないですか。これが国際競争力なのです。
「国際競争力の上昇に伴って」とは、意味的に変換したら「製品価格が安くなるのに伴って」ということなんですよ。
「国際競争力が上がる(製品価格が下がる)」→「低賃金労働力の利用」とは、むしろ矢印の方向が逆ではないでしょうか。
「低賃金労働力の利用」の結果として「国際競争力が上がる」わけです。
例えば「国際競争力を高めるため、低賃金の未熟練労働者の需要が増大したことが背景にある」とでもすれば意味は通ると思いますよ。
例えば私はこう書いてみました。
「労働力不足の解消、安価な労働力の利用で国際競争力を高めるため、日系人に限り未熟練労働力の受入が法的に可能になった。日本からの移民が多く日系人の人口が大きいブラジルからの流入が急増。」(90字)
まず理由である「労働力不足の解消」を真っ先に述べ、2つ目以降の文でそれに詳細な説明を加えています。内容的にはわかりにくい部分はないと思います。参考にしてくださいね。
>設問C
>(1)これらの都市には日本の銀行の支社が進出していたが、日本の金融危機以降、経営規模の縮小に伴って日本の企業が海外から撤退したから。
これも上手いですね。金融業(銀行)に注目できた点が高評価です。
私はこう書いてみました。
「バブル期に銀行など金融業が多く進出していたが、バブル崩壊や金融危機によって一部が撤退した。」(45字)
ちょっと字数が短くなってしまいましたが、内容的には十分かと思います。
>(2)人口が多く、後背地であることを活かして都市開発が進んだため、日本の企業が安価な労働力を求めて工場の進出をしたから。
「後背地」の捉え方ですね。難しかったでしょうか。
後背地とはつまり「背後の土地」のことですが、その都市を支える経済的な基盤がその背後に広がっていることを述べるとさらに良かったとおもいます。
上海は中国最大の都市であるだけでなく、港湾都市として華中地域の経済を支えます。上海の背後には多くの都市が近接し、巨大な経済圏を形成しています。これらの支えがあってこそ、さらに上海は発展するわけです。
「都市開発が進み人口も多い上海は広い後背地を有し経済力も大きい。日本から企業進出が急増し、工場も多く設けられた。」(55字)
こんな感じでしょうか。「中枢管理機能」はちょっと使いにくい言葉だと思います。むしろ中枢管理機能は首都のペキンの方が発達しているかもしれません。
「安価な労働賃金」(つまり1人当たりGNIの低さ)より「後背地の大きさ=経済規模・市場規模」(つまりGNIの大きさ)に注目して説明した方が良かったかと思いますよ。
さらに演習を続けましょう。
- 2021.08.03 18:14
- たつじん
東大地理 2008年度 第3問 (海外で生活する日本人と日本で生活する外国人 より)
設問A
(1)
a・・・アメリカ
b・・・タイ
c・・・イギリス
としてしまいました。
タイとイギリスの判断は日本からの距離で判断しました。
タイはイギリスよりも日本に近く、英語圏である、物価も安いため生活する人が多いのでは、と考えました。
(2)気候が温暖で、リゾート地である。また、治安が良く、生活費が安い。そのため、老後の生活に適しているから。
設問B
ブラジルへの移民の子孫である日系ブラジル人が出入国管理法の改定により、日本での居住が可能になった。その背景として、国際競争力の上昇に伴って、低賃金で雇える未熟練労働力の需要が高まったことが挙げられる。
設問C
(1)これらの都市には日本の銀行の支社が進出していたが、日本の金融危機以降、経営規模の縮小に伴って日本の企業が海外から撤退したから。
(2)人口が多く、後背地であることを活かして都市開発が進んだため、日本の企業が安価な労働力を求めて工場の進出をしたから。
添削よろしくお願いします。
- 2021.07.29 13:11
- のい
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