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2021.09.03
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コメント
では添削いたします。
>東大2014年度 第3問
>添削よろしくお願いします!!
>設問A
>(2)
品質・デザインを重視した高級衣料に特化した服飾産業。高い技術を持つ専門的な中小企業間の分業体制で、需要の変化に対応。
(59字)
うまいですね。完璧な解答です。「中小企業の分業体制」が最も重要なキーワードだったと思います。
私はこう書いてみました。
「中小企業のネットワークを生かした生産体制。伝統技術が生かされたデザイン性の高い衣類や皮革製品などの生産。」(52字)
やはり中小企業を強調しています。
>(3)
北欧は人口が少ない先進国。経済水準が高く教育水準も高い。高度人材が多く、多国籍企業の集積回路等の研究開発が盛んだから。
(60字)
悪くありませんが、後半部分がちょっと弱いかなと思います。「多国籍企業」については、例えば米国など経済規模が大きな国の大企業ならば該当するキーワードになると思いますが、経済規模(つまりGNI)が小さい北欧はどうでしょうね。もちろん、現代社会において多国籍化していない企業はないわけですが、だからこそ北欧の企業活動のキーワードとして多国籍企業が特別に取り上げられることもないと思うのです。
また「集積回路」はICのことですよね。コンピュータ部品です。特定の工業製品の「研究開発」ではなく、先端産業や知識産業全般を対象として記述した方が良かったでしょう。
フィンランドは世界的な携帯電話メーカーのノキアがありますよね。ただ、従来の携帯電話で圧倒的なシェアを誇っていたことが逆に災いし、スマートフォン対応には遅れをとってしまいました。とはいえ、現在は企業向けのインフラ整備などを中心に現在大きく巻き返し戦略を進めています。北欧がこうしたデジタル先進機器や技術の開発の拠点の一つであることは間違いありませんね。
私も書いてみました。
経済レベルが高く教育水準も高いため高度人材の育成に優れる。人口が少なくGDPが小さいこともGDPに占める研究開発費が高い要因。(59字)
「経済レベル」とはすなわち「1人当たりGNI」「1人当たりGDP」のことなのですが、文章のバランスを考えこの言葉を用いています。「教育」と「高度人材」がここで使えますね。
また「人口」というキーワードがあるので「人口が小さい=GDPが小さい」ことから相対的に割合が上がることにも言及できます。
なお、「人口」は実数ですので「少なさ」という表現で妥当です。同じように「GDP」も実数ですので(経済規模の大きさを表します)、こちらも「小さい」とするべきです。「低い」とは割合の時に使う言葉ですね。
人口、GDP(GNI)・・・実数(大きい・小さい)(多い・少ない)
1人当たりGNI(1人当たりGDP)、GDPに占める研究開発費・・・割合(高い・低い)
実数と割合を使いこなしてください。地理は統計学です。
60字ですから2つのトピックが必要になります。「人口」に関する内容、「教育」や「高度人材」に関する内容の2つから構成してみました。
キーワードにないので、あえて知識産業や先端産業に関する記述は省いています(「集積」は集積回路という使い方ではなく、「工業が集積している」といったような使用法を想定しているのだと思います)。
>設問B
(1)
EU域内の分業体制が確立。部品を域内輸入、完成品を域外輸出している。なぜなら、関税撤廃により輸送コストが小さいから。
(59字)
なるほど、うまいですね。「分業」がとてもいいと思います。さらに「域内輸入、域外輸出」と対比されている点も的確です。
私が書いた解答例はこのような形です。
「国内に航空機の組立工場が立地。EU域内から部品を輸入するため輸入超となる。完成品を域外へ輸出するため輸出超となる。」(57字)
「航空機」という具体例を挙げてみました。「国際分業」という言葉を使いたかったのですが、それができませんでした。その点では不満足ですが、よかったら参考にしてくださいね。
>(2)
EU域内の関税撤廃による輸送コストの低さと、スペイン国内の経済水準の比較的な低さによる生産コストの低さを受け、国内に外国資本が進出。EU域内市場へ向けた、自動車生産が盛んだから。
(90字)
こちらもいいですね。ほぼ完璧な解答です。本問のポイントはスペインの「国外」と「国内」の状況を説明することにあります。
「国内」の要因とは何でしょう。そう、経済レベルですね。1人当たりGNIがドイツやフランスより低いため、そうした国々から自動車工場が進出してくるのです。スペインは比較的人口も多い国ですから「安価で豊富な労働力」が得られるわけです。
「国外」の要因とはもちろんEU域内の関税撤廃です。この2点について強調して文章を組み立ててみましょう。
「スペインは人口が比較的多く経済レベルが低い。安価で豊富な労働力を求め周辺国から自動車の生産拠点が進出する。EU加盟国であり域内貿易が自由化されているため、部品や製品の輸出入が活発。」(89字)
内容に比して字数制限が長く、文章量を調整する技術が必要になりますね。東大にしては珍しいパターンかと思います。
>(3)
中国は衣料品等軽工業製品、ロシアからは石油や天然ガス等の資源、日本からは自動車や機械類等工業製品の輸入が多いから。
(58字)
いいですね。的確です。中国の「軽工業製品」に対応し、日本の品目については「高付加価値の工業製品」とできればベストでしたが、それでは字数が足りませんでしたね。こちらの形でもちろん十分です。
さらに演習を続けていきましょう。
- 2021.09.22 13:44
- たつじん
東大2014年度 第3問
添削よろしくお願いします!!
設問A
(2)
品質・デザインを重視した高級衣料に特化した服飾産業。高い技術を持つ専門的な中小企業間の分業体制で、需要の変化に対応。
(59字)
(3)
北欧は人口が少ない先進国。経済水準が高く教育水準も高い。高度人材が多く、多国籍企業の集積回路等の研究開発が盛んだから。
(60字)
設問B
(1)
EU域内の分業体制が確立。部品を域内輸入、完成品を域外輸出している。なぜなら、関税撤廃により輸送コストが小さいから。
(59字)
(2)
EU域内の関税撤廃による輸送コストの低さと、スペイン国内の経済水準の比較的な低さによる生産コストの低さを受け、国内に外国資本が進出。EU域内市場へ向けた、自動車生産が盛んだから。
(90字)
(3)
中国は衣料品等軽工業製品、ロシアからは石油や天然ガス等の資源、日本からは自動車や機械類等工業製品の輸入が多いから。
(58字)
- 2021.09.21 16:18
- つかのま
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