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2021.09.03
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コメント
では添削いたします。遅れて申し訳ありません。
>東大2013年度 第3問
>添削よろしくお願いします!!
>設問A
>(2)
経済レベルが高く出稼ぎが多い。また、メキシコ等からヒスパニックの流入が多く、彼らはカトリックで出生数が多くなるから。(59字)
とてもいいですね。「ヒスパニック」に関する問題であることがわかります。まず移民の流入という「社会増加」に注目し、その後の段階として彼らの出生率が高いという「自然増加」を導き出しています。「社会増加(減少)→自然増加(減少)」という流れは非常に重要ですので、常に意識してください。
いくつか気になる点がありますので、このように変えてみたらどうでしょう。
「経済レベルが高く、メキシコなどから若年層の流入が多い。また彼らはカトリック教徒で出生率が高くなるから。」
前半の文で「社会増加」、後半の文で「自然増加」と、内容を明確に分けています。また「出生数が多い」については「出生率が高い」と言い換えています。参考にしてくださいね。
>(3)
>高度経済成長期に若年労働者の都市への人口移動が発生。これが日本より遅れた。高齢者割合が低いのは朝鮮戦争等の影響から。
(59字)
朝鮮戦争の記述は、YouTubeで見た達人先生の動画で見た
「スウェーデンは中立国だったから高齢者割合が多く、高齢化が進んでいる」
という言葉を思い出したので、第二次世界大戦や、朝鮮戦争の影響もあるのではないかと考えて取り入れてみました。
なるほど、そうでしたか。しかし、どうなのでしょう。
朝鮮戦争は1950年であり、実は太平洋戦争とさほど年代に違いはありません。1940〜50年に戦争による人的被害が生じたのは日本も韓国も変わりません。韓国特有の事象として捉えるのはちょっと無理があるかなと思います。
それより、シンプルに「高度経済成長期」の時期がずれていることだけを指摘したらいいと思いますよ。日本の高度経済成長期は1950年代後半から1970年代のオイルショックまで(1960年代がピーク)、韓国の高度経済成長は1970年代から1990年代のアジア通貨危機まで(1980年代がピーク)ですよね。この20年の差によって、韓国は日本より20年「若い」国になっているのです。
「高度経済成長期に若年労働者の都市への人口移動が発生。これが日本より遅れた。彼らがまだ老年に達していないから。」
こういった形はいかがでしょうか。
>設問B
>(3)
>プラザ合意で円高進行。工場の海外移転で雇用が減ったから。
(29字)
なるほど、プラザ合意ですか。これ、間違っていないのですが、決してお勧めできる言葉ではありません。プラザ合意は地理的なキーワードではないのですよ。
これが世界史や公民ならば、プラザ合意という「人為的な取り決め」によって円高が始まったことになりますが、地理はむしろ経済という「神の見えざる手」が主体となる科目です。工業化による「経済成長」で円高が進行したと考えるのがベターです。
さらに言えば、この「円高」という言葉も地理的はないのですよ。つかのまさんは円高を説明することができますか?
公民ならこう説明されると思います。
「1ドル=120円から100円になると円高。円の値が下がると「円高」になると覚えよう。輸出が有利で輸入が不利になるんだ」
こんな感じですよね。言葉として「覚える」だけになります。これは文系科目としては正しいのかも知れません。
しかし、地理は理系的観点が必要な科目です。つまり「数字」であり「統計」です。円高については「1人当たりGNIの上昇」と考えます。つまり、物価や賃金水準が上がることです。
円高とは「工業化などにより経済レベル(1人当たりGNI)が上がり、物価や賃金水準が上がる」ことなのです。
さらに言えば、この「円高」という言葉も地理的ではありません。上述のように「経済レベル(1人当たりGNI)の上昇」と言い換えた方がいいです。
「プラザ合意で円高」が歴史や公民の表現ならば、「経済成長により賃金水準が上がった」という言い方が地理の表現なのです。この違いを理解してください。
プラザ合意や円高という言葉を使わないで記述することが、地理的な解答をつくるコツになります。
「賃金水準が上昇し、海外へと工場が移転。雇用が減少したから。」(29字)
どうでしょう?こういった形の方が適切と思いませんか?
なぜプラザ合意がなされたのか?という理由は明確ではありませんよね。それに対し、「工業化→経済レベルの上昇→賃金水準の上昇」という流れは「原因→結果」という因果関係がはっきりしています。地理は数字と統計の科目であると同時に、理由を説明する科目であることを意識してください。
>(4)
特定の業種の動向に地域の経済状況を左右されないために業種の幅の拡張。新たな雇用と持続的発展をもたらすため。
(54字)
(4)は何を書けばいいのかわかりませんでした…解説を見てなるほど!とは思いましたが…
そうでしたか。二次試験は満点を取る試験でもありませんし、捨て問はあっても問題ありません。できない問題があっても気にしないでください。
ただ、「持続的発展」とはちょっと難しい言い方ですね。自分なりの言葉を使って、簡単に記述した方がいいと思いますよ。
例えばこういった形です。
「その地域の工業が特定の業種に偏っていると、不況などの影響を受けやすい。リスクを分散し、多くの産業の育成に力を入れる。」(58字)
どうでしょうか。わかりやすいと思いませんか。部分点狙いでも全く構いませんので、自分の知識の範囲で丁寧に説明してみてください。
全体的な印象として、難しい言葉を使って、意味が通じにくくなっている部分があるかと思います。自分でも正確に、その言葉の意味を理解しているのでしょうか。ちょっと疑問なんですよ。
自分のわかる範囲で、簡単な言葉で説明することを意識してみてください。論述問題に「高度な知識」は不要ですよ。
- 2021.09.30 02:26
- たつじん
東大2013年度 第3問
添削よろしくお願いします!!
設問A
(2)
経済レベルが高く出稼ぎが多い。また、メキシコ等からヒスパニックの流入が多く、彼らはカトリックで出生数が多くなるから。
(59字)
(3)
高度経済成長期に若年労働者の都市への人口移動が発生。これが日本より遅れた。高齢者割合が低いのは朝鮮戦争等の影響から。
(59字)
朝鮮戦争の記述は、YouTubeで見た達人先生の動画で見た
「スウェーデンは中立国だったから高齢者割合が多く、高齢化が進んでいる」
という言葉を思い出したので、第二次世界大戦や、朝鮮戦争の影響もあるのではないかと考えて取り入れてみました。
設問B
(3)
プラザ合意で円高進行。工場の海外移転で雇用が減ったから。
(29字)
(4)
特定の業種の動向に地域の経済状況を左右されないために業種の幅の拡張。新たな雇用と持続的発展をもたらすため。
(54字)
(4)は何を書けばいいのかわかりませんでした…解説を見てなるほど!とは思いましたが…
- 2021.09.22 18:50
- つかのま
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